米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

6/27【番外編】株価暴落を待って、買い出動を考えている貴方へ...

 今年2月、ロシアがウクライナへ侵攻して以降、地下資源の急騰から世界中で「インフレ」の波が押し寄せ、その対策の一環として「市中金利の引き上げ」が実施、挙句に世界株式市場が調整を飛び越えて高値から数十%下落、既にベアマーケット(弱気相場)入りしてしまいました。
 ホンの半年程前、米国株式市場は「3大株価指数の最高値更新」に湧いていたのが、遥か昔のように感じられてしまいます。

「強気のワナ」に翻弄され...

 更に、株式市場は未だベアマーケットへ差し掛かったぐらいなので、好材料が出始めて平均株価が上がったと思うと、「強気のワナ」に翻弄されてズルズルと再び下がるような株価循環を繰り返しています。強気のワナの一例としては、次のようなものです。

  1. ショートカバー(売り方の買い戻し)で相場が反発する。
  2. 安心感から新規の買いも入る。
  3. その後、再び下落する。
  4. 新規の買いが入った分、その投げ売りで次の下落幅はさらに大きくなる。
  5. これが【強気のワナ】と呼ばれる動きである。
  6. 株価チャート上で、大波・小波の「右肩下がり」が延々とみられる。

株価構成の深淵...

 何故に市場で株式が売られ、株価が下がるのかと言えば一言、『株価が上がり過ぎたことに他ならない。』と断言できます。市場で株価を構成する基になっているのは『当該企業の成長度合い』であり、より具体的に言うと『企業活動に伴う利益の増減』です。

アナリスト達の調査活動に伴い・・・

 業界お抱えのアナリスト達が企業動向や市況状況を分析・検討して、企業ごとに今年度、次年度、数年先の見込み業績を算出、それぞれ株価予測を公表します。人によって、数値の高い低いの差が生じることは普通なので、業界平均値やアナリスト達の過去の実績値を参考にして、投資家は身構えるわけです。もちろん、ここで言う投資家に「貴方も入っている」のですよ。

「貴方も入っている」の意味するところ...

 突拍子もなく、誰に何も頼んでいる訳でもないのに「貴方も入っている」と指摘されて驚かれたことでしょう。専業のアナリスト達の年収は一般サラリーマンとは比べようもなく高く、彼ら・彼女らは将来、富裕層の仲間入りが確実な人達です。その彼奴等がご丁寧にも、最終的にブルームバーク紙等で解説し我々に発信してくれるのです。そう、このブログでも最大限引用させていただいています、まぁ【あくまで最後尾】なので、無料で・・・。

公表された情報は秘密ではない

 ここで、頭に入れて置かないといけないのは、『専業のアナリスト達は貴方へ業界情報を伝えるためだけに、分析官として存在するのではない。』という事実です。
 専門企業や団体に属して活動するアナリスト達、独立して活動するアナリスト達が業界に巣くっています。もちろん、彼ら・彼女らに莫大な報酬を支払う個人や法人がいるわけです。胸を張れる、れっきとした職業に分類できるのが『アナリスト』ですから...。

情報には賞味期限がある

 アナリストが仕入れた情報には賞味期限があり、資金の出し手である『最初に食す個人や団体』(便宜上、「雇い主」と命名)があって、徐々にその情報が浸透し末端へ広がっていきます。逆に、拡散してくれないと「雇い主」が困るのです。

  • 『A銘柄が寄り付きから急落・・・』『B証券会社がA銘柄の評価下げ。「買いから売り推奨」へ・・・』突然の株価下落に驚き、このようなコメントを目にした経験が誰でもあるでしょう。この時、既に先回りして対策済みの投資家も存在します。
  • 反対に、『C銘柄が寄り付きから急騰・・・』『D証券会社がC銘柄の評価を2段階引き上げ。「強く買い推奨」へ・・・』もあったりします。
  • これら公表前に「雇い主」は既に仕込み済みで、公表後はガッポリと稼いでいます。証券業界なんか、所詮こんなものですよ。勝てば、官軍ですからね・・・。

「リーマンショックの余波」に伴う市場激震の振り返り

 今となっては戦後最大の金融危機であった「リーマンショックの余波」が続いた2008年から2009年にかけて、世界株式市場、特に震源元の米国市場は大きく下落しました。投資家の誰もが「資本主義は終わってしまった」と思う程、世界経済が疲労して先行きが想定できない時代だったのです。
 関係省庁から公表される経済指標や数値が信じられず、闇夜の世界を歩むように現預金を握り締めて彷徨っていました。しかし、その後の株価戻し、大幅な株価上昇は皆さん方周知の事実です。

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「新型コロナ拡散」に伴う市場激震の振り返り

 最も近い、株式市場の激震は2020年3月に発生した「中国武漢から世界に広まった新型コロナウィルス拡散」に伴う株価急落でしょうか。日経新聞の記事を次に引用します。

 18日の米国株式市場でダウ工業株30種平均の前日からの下落幅が一時2000ドルを超えた。米東部時間の午後1時前に、全ての株式売買を15分間中断する「サーキットブレーカー」が発動された。

 売買停止措置の解除後にさらに下げ幅が広がった。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界景気の落ち込みが避けられないとの見方から、投資家がリスク回避に動いている。

 ダウ平均は午後1時半過ぎに、前日比約2000ドル安の1万9200ドル近辺で推移している。

 サーキットブレーカーの現行の制度下での発動は4回目。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数の下落率が7%を超えたため。今月の9、12、16日に発動されている。2日連続で取引時間中に2万ドルを下回った。

 18日の未明には、米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の時間外取引でも、米株価指数先物が大幅に下落しサーキットブレーカーの措置がとられていた。(日経新聞 2020年3月19日 2:32)

「サーキットブレーカー」が発動されたら・・・

 私の記憶も未だ鮮明です。NY市場は深夜帯ですが、その日、私は終始パソコンに向かっていました。サーキットブレーカーが発動されたとのメッセージがネット証券のWEBページに表示されるや、ネット証券での「訂正」「削除」の既発注作業、「新規」発注が出来なくなりました。と、同時にネット証券のWEBページで『NY証券取引場において、未約定の発注分は全て無効となります。ご注意ください』のアナウンスが流れました。「約定済以外の発注はなかったことにする」というものですが、パソコンが固まってしまっていてどうしようもなかったです。詳細としては、

「サーキットブレーカー」備忘録

  1. ネット証券のWEBサイトが固まってしまい、「指値発注」や「成行発注」のいずれであっても、成約しているのか否か、全く不明であったこと。
  2. 後刻、ネット証券のWEBサイトで『サーキットブレーカーが解除されました。』のアナウンスが流れても、「既発注分が取消や確認できない」状態のままであったこと。
  3. このため、新規発注に必要な担保資金の戻しがなされていないので、資金不足で新規発注が長時間に亘りできなかったこと。
  4. 解除後、世界中から一斉に新規発注が行われている状態なので、『時間を空けてから発注して下さい』アナウンスが連発、安値に対して指を咥えて見るだけの状況であったこと。

 私の拙い記憶としては、「15分のサーキットブレーカーが発動」されるや「概ね、60分~90分」は身動きが取れない状況でした。運悪く(運よく?)、サーキットブレーカーに遭遇した時の参考にでもして下さい。そろそろ、「発動されるパーセントに近づいたな」と感じたら「成行発注」で確実に約定させることをお勧めします。


6/27【番外編】株価暴落を待って、買い出動を考えている貴方へ...2

過去、「暴落から全て立ち直っている」NY株式市場

 昨今、いろんなブログで「暴落」の二文字を見るようになりました。その際には、買い出動を勧める記事も多く、その時のチャンスは逃さないように注意喚起するWEBサイトまであります。『安く買って高く売る』のは株式投資の基本ですし、過去の「暴落から全て立ち直っている」NY株式市場に対しては、全幅の信頼を置いて買い増す行為は誰でも理解できることです。よって、鵜の目鷹の目で市場を眺めて、現預金を厚めにしている投資家も多いことでしょう。これ、まさに正解です。

「安値」で買えても、「底値」では買えない事実...

 株式市場が『阿鼻叫喚の時』に、新規買いを入れるのは快感の極みですが、株式を買った後からでも更に株価が下落して「落胆する」ことが多いのも事実です。あのバフェット氏ですら、「安値」で買えても「底値」では買えない、と恨み節を呟くのですから、素人投資家の我々はハナから無理なことを望んではいけないのです。

前例が強過ぎて、一気に下がり難い相場にしかならない?

 私は、米国株式市場は立ち直りの早さ、確実性が高いことで『次の株価暴落を待っている投資家が最も多い』と睨んでいます。確実に儲けが転がり込んでくるのですから・・・。
 この様な環境下では、ジリジリと下げ相場が続いて、ポチポチと回復相場が訪れて、これを繰り返し繰り返し、フト気付くといつの間にか堅調な株式市場に戻っていることになるのではないかと、甘いかもしれませんが、このように考えたりもします。

唯一、確実な損益分離の暴落時を予測すると...

 唯一、確実に世界の株式市場が暴落するとするなら、それは「ロシアが『戦術核ミサイル』を発射、使用した時」だと思っています。あくまで噂の域ですが、ミサイル着弾地点としては「ポーランド国境付近の可能性が高い」とする某記事が掲載されてもいました。
 規模の大小は不明でフェイクも考えられますが、この時、株式市場の動揺は計り知れず、一気の下値であなたの指値発注が成立します。そして、株式市場では「サーキットブレーカー」が発動されて取引停止、事実確認の後に再開となることでしょう。

  1. その時、貴方は粛々と新規買いを行えるでしょうか? 
  2. それとも、貴方はとにかく静観だけに留めるのでしょうか? 
  3. あるいは、貴方は意を決して売却、現金化するのでしょうか?

編集後記

 株価調整で上げ下げする株式市場において、一端の資産を築くのは長い時間と取引の規模が必要となります。よって、ここ一番の一発勝負を望んでいる方は、「戦術核の使用」「多弾頭ミサイル」「キノコ雲」等のキーワードで大きく下げる相場を辛抱強く待って、暴落したインデックス指数に手許資金を思いっきり賭けて、運を天に任せることです。

心構えと資金手当て

 【言うは易し、行いは難し】は毎度のことですが、ロシア・ウクライナ紛争の行く末は、我々の想定以上かもしれません。今からでも遅くはないので、心構えと資金手当てだけはしておきましょう。なお、私は世界の資本主義が崩れるなら、自分の投下資金が溶けてなくなっても仕方ないと諦めています。


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