米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

7/05【番外編】米国インフレの未来予測(GSレポート)...

 原油生産大国である米国にも拘わらず、ガソリン価格が高騰して通常の3倍近くの値段で推移しています。通常は日本の小売価格の概ね1/3が通り相場なので、車が必需品の米国人としては、政権への八つ当たりで憂さを晴らす以外に手がないようです。

米国では、ガソリン価格が大統領の命運を決める...

 ちなみに、大統領の命運はガソリン価格が決めると言われる米国では、1ガロンのガソリン価格が初めて5ドルを超えて大騒ぎになりました。また、豊富な穀物農業国、牛や馬、鶏等の飼育・放牧国でもある米国で、食品価格が高騰するなど考え難いのですが、誰も間違ったことを述べている訳でもなさそうです。一体全体、誰が利益を得ているのでしょうか?


ゴールドマン・サックスの異名は「ガバメント・サックス」...

 ゴールドマン・サックス(以下、GS)は米国政府との密接な関係から「ガバメント・サックス」の異名で呼ばれることが多く、各種データの見込み・予測に関して比較的制度が高いと言われています。
 また『何故、このタイミングでこれを公表するのか?』という「裏読みが大事な場合」となることもあります。まぁ、単なる疑心暗鬼が生じるだけの場合も多々ありますが、米国株投資家としては、一応、小耳に入れて置くことが必須です。

歴代国務長官はゴールドマンサックス出身

 ゴールドマンサックスは、出身者を米国政府の要職に送り続けるで、盤石の地位を確立しています。例えば、以下の国務長官はゴールドマンサックス出身です。

  • クリントン政権時代のルービン財務長官
  • ブッシュ政権時代のポールソン財務長官
  • トランプ政権時代のムニューシン財務長官

ゴールドマン・サックスがインフレ率の予測を引き上げる...

 7月3日、GSが米国インフレ率の予測を引き上げ、最近の強い物価上昇は数十年前の記録的なインフレに似ていると顧客に警告【今回のインフレが以前の予想より長引くと予測】しました。 Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)誌に掲載されましたので、簡単に紹介しておきます。

「米国の中間選挙」は、11月8日(火曜日)

 今年秋の最大の行事である「米国の中間選挙」は、11月8日(火曜日)です。上下両院選や州知事選などが一斉に実施されます。豆知識として、何故、投票日が平日の火曜日なのか? これで、米国は超保守的な国であることが分かります。

回答 :「11月の第1月曜日の後の火曜日」と法律で定められているため


 アメリカでは大統領や連邦議会の選挙は、「11月の第1月曜日のあとの火曜日」と150年以上前の法律で定められています。

 法律ができた当時、国民の多くは農業に従事するキリスト教徒でした。春から秋の農繁期や教会に行く日曜日には投票に行くことはできませんでした。

 しかも、当時、最も速い交通手段は馬車でした。投票所に行くのも1日がかりで、途中で宿泊しなければならない人たちもいたのです。そのため、投票日が火曜日となりました。

 しかし、現代ではほとんどの有権者が火曜日は仕事や学校があります。インディアナ州やデラウェア州など一部の州や企業の中には、投票日を休日にするところもあります。

注目は、9月の「食品とエネルギーを除いたコアインフレ率」

 (中略)GSのエコノミストは、輸送コストや健康保険料が引き続き高騰していることから、夏以降に消費者物価がより急速に上昇し、食品とエネルギーを除いたコアインフレ率が5月の6%から9月には6.3%に上昇すると述べている。(インフレはさらに悪化「数年続く可能性も」、専門家が指摘 | Forbes JAPAN)

 9月のインフレ予測値が高いままであると、9月の利上げ見込みが消え去ることもなく、現状では7月~9月の3カ月連続で市中金利の引き上げが実施されることになってしまうのです。
 例えば、3カ月平均で月0.5%の引き上げであったとしても、3カ月トータルでは1.5%になります。現状から1.5%も金利が上がる訳ですから、イヤハヤ、米国株式市場は何処まで下がるやら、これはとても平静を保ちえないでしょう。更に、データの公表は1カ月遅れでやってくるので、社会へのタプルパンチが十分に効いてきます。

投票日直前までインフレの猛威が残っているなら...

 最悪のパターンは「投票日直前までインフレの猛威が残っていて、ガソリン高が続いているなら...。」です。インフレの猛威が残っているという事は「ウクライナ争乱」の収束がなされずに、引き続きドンパチ火花を散らしているという事に他なりません。
 ここまで来ると、双方で死傷者も相当数出ていることでしょう。無念にも、亡くなった方がホント浮かばれません。

で、中間選挙結果は...?

 米国民主党は上院の過半数を割り込んで第2党へ陥落、下院でも過半数を下回って、バイデン政権は【2年を残して早やレームダック化】の様相を呈することでしょう。何も決められません。こうなると、ロシアは敗者から復活して、漁夫の利の効果で【第三の国】が名乗り上げるやもしれません。

利上げ以外に打ち手がないFRB

 更に、GSレポートでは次のように続けて終わっています。

 (中略)FRB が今年行ったインフレ抑制のための利上げは、株価を暴落させ、景気後退の懸念を増大させた。主要株価指数は先月弱気相場に突入し、テック関連や不動産企業の間で解雇の波が押し寄せている。

 「我々は、FRBが経済を破壊することなく、供給サイドでインフレを引き起こしている問題を止められるとは思わない。しかし、現状では、彼らはそうする以外に打ち手がないと考えているようだ。」とファースト・フランクリン・フィナンシャルのストラテジストのブレット・ユーイングは述べた。(インフレはさらに悪化「数年続く可能性も」、専門家が指摘 | Forbes JAPAN)

編集後記

  • 「消費者たちは今後、10年前と比べて常にインフレが過熱する世界で生活しなければならないかもしれない」
  • 「政策立案者らは、インフレ率が何年も望ましい目標値まで下がらないという現実的な課題に対処しなければならないかもしれない」等・・・。

GS予測は、余り外れない?...

 レポートを読んだ後、空恐ろしい気持ちになってしまいますが、このレポート内容がヒットしない事を願いながら、牛歩の如く進んで行くしかないようです。
 今夜は、3連休明けの米国株市場が開きます。日本時間の16時30分現在、ダウ平均先物は上昇、欧州も堅調に株式市場は動いています。

まず、7/5(火)は欧州から仕掛けが始まった...

 日本時間、19時06分頃、為替に案の定、売り仕掛けが入ったようです。米国の夜明けに照準を合わせるように、敵もさるものです。
 今、ドル高(ユーロ安)、米国債高(債券買い、金利低下)、欧州株安、米株先物安が現われています。欧州仕掛け人による先攻が始まりました。これを受けて、ウォール街投機家の反撃が見ものです。

弱り目に祟り目


7/05【番外編】米国インフレの未来予測(GSレポート)...