米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

7/10【番外編】株式は暴落時にこそ、買うべきもの?

 書店に並ぶ米国株投資読本、決まっていつものフレーズが溢れています。「脇目も振らず、決めた定期購入を続けた投資家たち...。」「2020年3月、新型コロナ禍の短期暴落時に買い向かった猛者たち...。」様様な勇ましい言葉が並びますが、言いたいことは一言、「株式は暴落時にこそ、買うべきものである。」ということです。

「株式は暴落時にこそ、買うべきもの」を実践し難い理由...

 簡単に且つ手短に申し上げると、この箴言は【言うは易し、行いは難し】です。事例を挙げて見ていきましょう。

考察 : 「株価暴落時」は、後々に判明するものである事

 今週の月曜日(7/11)から米国株式市場が活況を呈して、平均株価が上昇し始めたとすると、先週の金曜日、木曜日がまさに『株価暴落時』に該当します。お聞きしますが、貴方・貴女は、先週(金)及び(木)あたりにどれ程の株式を購入しましたか? あるいは、できましたか? 更に遡ると、数日前のもっと株安の時、果敢に買い出動したでしょうか?

まだまだ、下がると思っているから...

 ロイターやブルムバーグの紙上では、これでもかという程、悲観論一杯の株式記事が掲載されているのが昨今です。「株安はこれからが本番・・・」とプロのアナリスト達が叫んでいるにも拘わらず、この段階で株式を大量に買える素人投資家が居るなら、私は是非とも会ってみたいです。大量購入を見合わせるのが普通ですから・・・。しかし、この姿勢では、株価が反転すると、もう駄目なのです。

持たざる恐怖が投資家を襲う

 買いそびれた投資家は、『「しまった」と思った時の株価ライン』を買い出動の上限価格に設定して「指値発注」を入れることでしょう。しかし、日々、上がる株価を眺めて悶々とする日々を過ごし始めると、その「買い出動の上限価格」を徐々に引き上げる事になります。何故なら、指値の株価はもはや低過ぎて、購入することが出来ない株価となっているからです。そして、ここが投資家の【分水嶺】となるのです。

  1. 指値価格を引き上げるのか?
  2. 指値価格を維持して、約定するまで待ち続けるのか?
  3. 現株価で「成行買い」に切り替えるのか?

ちなみに、私などは、3.の成行買いに方針変更するタイプの人間です。

購入タイミングを一旦逃すと、次は買い難い環境が生まれてしまう...

 『二番底』『三番底』という言葉があります。「三番底が最後か?」という定義もなく、理屈上は延々と繰り返しますが、外的要因で株価が下げている場合を除き、下げている主体の投資家が安値で【掻っ攫っていく光景】が見られますので、概ね、三番底の次は大底と呼ばれます。

 一般にマーケットにおいては、下げ相場(下落トレンド)では、一気に大底を付けることは少なく、若干の戻しを繰り返しながら数度にわたって安値を更新していき、その際に最初の安値を「一番底」、次の安値を「二番底」、その次の安値を「三番底」と言い、そして最も安いところを「大底」と言います。

 通常、これらの底の判断は、下落トレンドが終わり、上昇トレンドに転じた後にチャートなどから簡単に分かりますが、下落トレンドにある時は、一番底、二番底、三番底の判断は非常に難しいです。

所詮、時の運・不運に左右される...

 このようにしてみると、一番大事な投資家デビューの時期が、「単なる運、不運に左右されて、自分自身では選ぶことさえ出来ないもの」であることが分かると思います。
 私事で恐縮ですが、私などは、たまたまリーマンショックの後にサイドビジネスで大きな利益を得て、得た資金の運営先として「株式市場」を選んだことが、「天国への階段」への第一歩となっただけなのです。時期的に、サブプライムショックの前にこの利益を得ていたなら、「株価の高値購入デビュー」と併せて「リーマンショックの株価暴落」に巻き込まれていたことでしょう。

彼のバフェット氏でさえも・・・

 10代の頃から株式投資を始めたバフェット氏。あたかも、それに応えるように米国株式市場は大きく成長を遂げて、見事、流れに乗ったバフェット氏は天文学的な資産を築いたのは周知の事実です。
 しかし、さすがのバフェット氏でも、例えば南米の「エクアドル国」に生を受けて育ったなら、ここまで大きくなっていなかったでしょう。バフェット氏の生まれた家族関係、年代、育った地方・国、兼ね備えた才能とが見事マッチした結果です。極論すると、彼が生まれ持って引き寄せた【強運】が為せる賜物なのです。

夕刊・朝刊の一面に掲載される「株価暴落」メッセージを活用するのも一考

 実践的に最も行い易いのは、夕刊・朝刊の一面に「****株式市場の株価暴落...」のようなタイトルが掲載された次の日に、日本株なら「日経平均株価連動の指数やETF」、米国株なら「S&P500種連動のETF」、「ナスダック市場連動のETF」、「ダウ平均連動のETF」を全て、もしくは一部を買えるだけ買って「1~3年間封印」を実行します。


7/10【番外編】株式は暴落時にこそ、買うべきもの?

粛々と、この対応を繰り返すだけ・・・

 そして、再び、夕刊・朝刊の一面に「****株式市場の株価急落...」の文字が並べば購入を繰り返すのです。この時、ベストな対応は『取り扱い証券会社を替えて、新規購入にする』ことです。
 同じ証券会社であると追加購入になってしまい、封印が解かれてしまいます。すると、件の【強欲】が貴方・貴女を支配してしまうことになるでしょう。

これは、株価暴落を待つのではなく、たまたま遭遇した姿勢に改めることに他ならない...

 このチョット変わった対応は「急がば回れ」に即したもので、どちらかというと寿命の長い「若い人向け」です。【株価暴落を待つ姿勢ではなく、たまたま株価暴落に遭遇した姿勢に改めること】なのです。
 購入金額は、1000万でも10万でも、あなたの資産に応じて買い込めばOKです。そして、必ず「1~3年間封印」を実行すること。老後向けなら、10年封印でもOKでしょう。

結論

 よって、結論としては『株価暴落』を虎視眈々と狙って、ひたすら待っているだけでは、資産運営はできないという事に尽きます。何故なら、『ベストな投資タイミングを自分では選べない』という真理が壁のように聳え立っていること、そして、個人投資家は【寿命】に限りがあるという悲しい事実です。
 一度しかない人生は楽しむことも大事で、寿命の限られた個人投資家に「生きるための」自重行動を迫ることは、ムリがあるとも言えます。

株式を商品の如く取り扱い、購入してみる...

 であれば、余力資金が生まれた時や安値と感じた時、商品として「株式」を購入するショッピング感覚で憂さ晴らしを兼ねて「株式」を購入する...、これなど、いかがでしょう? 買った商品などは部屋で溢れかえり、いずれ捨ててしまう運命なのですから・・・。

編集後記

 梅雨が明けても台風がらみで天候不順になっています。空梅雨で「セミ」がいない現象が10日ほど前に警告されていましたが、この長雨でポチポチとセミの鳴き声が聞かれ始めました。
 毎年、鬱陶しい梅雨が、地中から生まれ出る「セミの生育」に大きく関係しているなど、この歳になるまで知りませんでした。


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