米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

8/21【番外編】確実に利益が出る「(コール/ブット)オプション取引」...

 一般的に株取り引きは、現金取引と先物取引があります。日本のネット証券では米国株取り引きは「現金取引」のみであったところ、この8月からはSBI証券で米国株の信用取引が開始されたとのこと。私自身は現金取引に固守しているので未だ無縁ですが、取り引きの幅が広がることには賛成です。
 *なお、本文中に個別ETFに関する記述が見られますが、読者の方へ推奨している訳ではありません。

欧米では、急増中の(コール/ブット)オプション取り引き...

 いずれにして、日本ではネット証券会社に資金を預け、その預入資金の範囲内で株式を購入する「現金取引」なのですが、欧米では掛け金の数十倍規模でデリバティブを効かせた「(コール/ブット)オプション取引」が人気で、今や欧米株式市場の主力商品にまで成長して来ています。
 コール/ブットのオプション取引のメリットは、『買い手』から入ると「損失限定(利益は無限)」になります。この措置は、素人投資家にとって万が一「目論見が外れた時」であっても、失う資金が「オプション料」に限定されるので一先ず安心です。なお、取引ルール詳細は、次のWEBサイトの解説をご覧ください。近親のCDF取引などもあって、理解されれば幅が広がります。

米国市場では、総オプション取引累計額が270兆円まで拡大中...

 次のブルムバーグ報道記事によると、米国株式市場だけで8月19日に清算期日を迎える総オプション取引累計額が何と270兆円まで膨れ上がっているとはビックリ仰天です。
 オプション取引の参加者は、清算期日までに現金清算するか、「ロールオーバー」して取引を継続するか、必ず行わなければいけません。いずれにしても、現物株式の価格動向に大きな影響を与えることになりました。

間接的に、(コール/ブット)オプション取引へ参戦することは可能...

 現在、残念ながら、日本の証券会社では米国個別株の「コール/ブットのオプション取引」は取り扱いしていません。但し、「カバードコール」を絡ませた間接的なETFを介して、収益を一部共有することが可能です。
 間接的にというのは、「グローバルX NASDAQ100 カバード コールETF(QYLD )」の分配原資が、コール/ブットのオプション取引における「オプション料」の積み上げによるものだからです(同ETFの毎月分配金の原資)。

それが、グローバルX NASDAQ100 カバード コールETF(QYLD )...

 コールオプション取引やブットオプション取引を「買う」時は、「オプション料」を売り手に支払って同取引の買い手になるのです。将来、利益が出ても出なくても支払った「オプション料」は戻って来ません。いずれの場合でも、売り手は受け取った「オプション料」は受け取れますが、買い手に利益が発生した時は支払い義務を負います。
 売り手側が受け取るオプション料の積み上げが、グローバルX NASDAQ100 カバード コールETF(QYLD )の利益になります。そして、得た「オプション料」を分配金という名で、ETF保有者へ毎月還元するのです。なお、年単位で10%を超える高い分配率を誇るETFに成長しています。

株価が上・下に振れても、「QYLD」は利益が出る仕組み?...

 例えば、コールオプション取引で「売り手」は、定まったオプション料を「買い手」から受け取ります。清算日に当該銘柄の株価が下降していれば「買い手」の損失、「売り手」の利益です。このような時は、買い手は権利放棄するので、売り手は「オプション料」が丸々儲けとなります。
 逆に、当該銘柄の株価が上昇していると「買い手」の利益、「売り手」の損失です。売り方は買い手に清算日の株価に基づいて、利益を支払う無限の義務を負います。
 同ETFの場合は保有資金の社外流失となるのですが、「売り手」のETF運営者は独自のヘッジ(損失限定の保全)を組み合わせていますので、月単位で平準化すると収益がプラス側に触れる仕組みを講じているのです。

「QYLD」の詳細は、企業秘密...

 独自のヘッジ(損失限定の保全)に関する詳細は、企業秘密で公表されていません。半ば、コール/ブットオプションの勧進元的な組織が組成したETFですから、そのあたりは対応済みなのでしょう。
 なお、私が想定する対応としては、同ETF(QYLD)の保有現預金で「NASDAQ100指数の構成銘柄」を買い付け、清算日に同指数が上昇していた時、保有する「NASDAQ100指数の構成銘柄」の現渡し処理を行って、被る損失額を縮小化、限定化している筈です。
 なお、下表は同ETF(QYLD)が保有する「NASDAQ100指数の構成銘柄」のベスト10リストです。

 更に、他のヘッジ用のオプション類も多種多様ありますので、これらを組み合わせているかと思います。『賭場の勧進元は、どちらに転んでも利益が出る仕組みを講じている』という事でしょうか・・・。

「QYLD」は、プロやセミプロに不人気である...

 この「グローバルX NASDAQ100 カバード コールETF(QYLD)」を取り上げたWEB記事を見るにつけ、人気のないETFであることが判ります。『買い推奨』など一切なく、「デメリットを踏まえた上で、覚悟して購入されたい」との記述が一般的です。株価の値上がり益を受け取れない事が、最大のデメリットであると結論づけられています。

「QYLD」は、保有株式(価値)の上昇より、分配金支払いを重視する...

 米国ダウ平均値はトランプ大統領就任時の1万8千ドル台から、ピーク時は3万5千ドル台を超えました。概ね2倍近い上昇率で、これを5年程で達成したのです。
 米国株を長年観察し続けて来て、ここから更に上昇していくとはとても考えられず、FRBによる金利上昇の開始、金融緩和の終了が株式市場にとって逆風なので、3万ドル前後を上げ下げしながら、5年~6年は「踊り場」となる見通しを立てています。

【結語】「QYLD」は、お気に入りETFの1つでもある...

 よって、この5年~6年は「初期投資額」を増加させる時期との考えを私は持っているので、それに最適と思える分配率の高い「グローバルX NASDAQ100 カバード コールETF(QYLD)」を主体に選んだのです。QYLDの分配金再投資で、ポートフォリオ拡充を早期に目指しています。なお、カバードコールを組み込んだ同様のETFは、次のようなものもあります。

  • DJIA グローバルX ダウ30 カバード コール ETF
  • JEPI JPモルガン エクイティ プレミアム ETF
  • XYLD グローバルX SP 500 カバード コール ETF

編集後記

 トランプ前大統領の家宅捜査で米国政争は熱を帯びて来たようです。FBIが寝た子を起こしてしまったのではないかなと危惧する反面、行政が司法へ介入した疑惑も囁かれていて、目が離せないところです。米国は三権分立には厳しいですから...。
 この後、某州の共和党予備選でトランプ氏は集票力を如何なく見せつけ、同氏が推奨するヘイグマン氏が66.1%、チェイニー氏が29.2%となり、チェイニー氏の敗北が確実(開票率95%)となりました。敗れた同氏は副大統領を父に持つ「共和党の本流」の一人です。

FBIの嫌疑は「核疑惑」?...

 報道によると、FBIが家宅捜査を行った嫌疑が「核疑惑」と報じられています。日本の某紙では「北朝鮮の金正恩氏絡み?」との指摘もありましたが、真実は藪の中...。
 トランプ氏と金正恩氏との間で何か密約・申し送りがあったのか否か?憶測は広がるばかりですが、この時、フト、私は遥か昔の「ロッキード事件」の「とある出来事」を思い起こしたのです。


北朝鮮の金正恩氏

米国から勝手に跳んで来た「ロッキード事件」とは...

 ロッキード事件を掻い摘んで申し上げると、『全日空の次期主力旅客機に、ロッキード社製トラスター機導入を田中角栄氏が賄賂(ロッキード社から丸紅を経て)を受領して全日空へ指揮した』というものです。一国の首相が一民間企業に対して指揮する、今回のような機種選定に係る「指揮権」が果たして首相権限としてあるのか否か、も争われた事例です。

民間企業へ内閣総理大臣の指揮権の有無は...

 所感ですが、「指揮権がある」と裁判所が認定・確定したなら、内閣総理大臣は日本国における万能の神となります。(田中氏のロッキード裁判は、同氏死亡のため公訴棄却となり確定していません。最高裁判所は同氏存命中に敢えて開廷せず、同氏死亡まで審理を引き延ばした疑いが強いです。よって「指揮権の有無」に関しては最高裁判決がでていません。)

田中角栄氏と三木武夫氏の比較論を持ち出して...

 某評論家が言い放ったのが「あくまで仮定の話だが、全日空の若狭得治社長(若狭天皇と呼ばれる程の絶対権力者)が、もしトラスター機の導入に際して首相側の要請を受け入れたとしたなら、それは時の首相が田中角栄氏だからであって、三木武夫氏であったら断固拒否していたであろう。この場合でも『首相の職務権限があったからだ』と、果たして言えるのか?」という主旨のコメントでした。


田中角栄氏

田中角栄氏の貫目が勝るから...

 某評論家が言いたかったのは、「検察の主張(ロッキード社機種の採用依頼)が事実であったとしても、田中角栄氏の『貫目』が若狭得治社長を凌駕しているから成し得たこと、もっとハッキリ言うと、田中角栄氏だから若狭得治社長は『NOと言えなかった』のであり、これを法律で裁くことなど出来ない。」ということなのです。

真相は公表されない?...

 金正恩氏はバイデン大統領、米民主党を全く信用していません。よって、トランプ氏の退任前に同氏と金正恩氏の間で、何らかの密約・申し合わせがあったのやも知れません。
 もし、そうならば事の善悪を別にして、政敵のバイデン大統領に引き継ぐことなどできないでしょうし、記録として官邸に残すこともできません。よって、FBIが事の一端を掴んだとしても、これを公表できないのでは? あたかも、ロッキード事件のように肝心な箇所には蓋をして・・・。何とも、興味が尽きない出来事です。

8/21【番外編】確実に利益が出る「オプション取引」...