8/28 最新の半導体製造には、映画「デジャブ」で描かれているような大電力が必要...
『デジャヴ』(原題: Déjà Vu)は、2006年に公開されたアメリカのSF・サスペンス映画です。公開から10年後ぐらいに「レンタル落ちDVD」を購入したことで、私は一気にこの映画のファンになりました。主演はATF捜査官役のデンゼル・ワシントン。
ATFのダグ・カーリンは、「スノーホワイト」と名付けられた監視システムにより記録された「4日と6時間前」の映像を見せられ、この監視システムを利用して(複雑な仕掛けを用いて)過去に戻り、問題を解決するというストーリーです。なお、この装置を作動させるには莫大な電力が必要で、その都度、都市部周辺が大停電になる設定でした。
最先端半導体製造に死角、途上国一国を上回る電力消費量...
報道によると、最新型のEUV露光装置の消費電力は、一世代前製品の10倍もの電力が必要となる事態になっています。これは環境に大きな負荷となり、最悪、これからは自前の発電所建設なしでは、半導体業界の電力需要を満たせない事態を想定しなくてはいけません。企業誘致に際して、十分な根回しが必要になります。
(中略)極端紫外線(EUV)露光装置の運転には大量の電力を要することから、半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の電力消費は近々、人口2100万人のスリランカ全体の消費量を上回る見通しだ。(中略)
台湾中央大学の梁教授は半導体メーカーが自前の発電所を建設しない限り、台湾は電力を半導体業界に回す余裕がなくなるだろうと指摘した。
半導体業界の伸び率は、電力設備のそれとは大きな相違がありますから、何もしなければ、問題はさらに悪化します。詰まる所、「半導体の需要増加に伴い、主要メーカーが半導体製造体制を強化すればする程、生産地域の電力事情がよりタイトになって来る」という事に繋がるのです。このことでフト、映画『デジャヴ』を思い出したのです・・・。
カルフォルニア州では、ガソリンエンジン車の新規登録禁止の動き...
ガソリンからEVへと、自動車業界もこれからの変化が大きく、カルフォルニア州ではガソリンエンジン車の新規登録禁止の動きもあります。地下資源の価格高騰から、一時下火になっていた「原子力発電」の復活・増設の動き、【原子力再活用】の機運がドイツや日本を含めて起こっています。世界各国で【電力危機が現実】のものとなりそうです・・・。
編集後記
26日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はジャクソンホール会合で、次のような主旨の講演を行いました。僅か8分40秒ほどです。その影響は、米国株式市場へ最も顕著に現われ、ダウ平均が1千ドル超の下落となったことは、皆さん周知の事実です。
「インフレ率が低下していると確信するにはほど遠い」との考えを示した上で、「(インフレ抑制を)やり遂げるまで(引き締めを)やり続けなければならない」と訴えました。
FRBの急速な利上げが、停滞気味の米国景気を一段と落ち込ませる懸念については、「家計や企業に痛みをもたらす」としながらも、「物価安定を取り戻せなければ、もっと大きな痛みを伴う」との考えを示しました。
この言動だけを見る限り、パウエル議長は有権者から選挙で選ばれた議員以上に国民生活への権限を有している、と誰が見てもそう判断することでしょう。
しかし、その結果に関して選挙民の厳しい選別を受けることもなく、更に、選挙民がFRBの政策・立案に少なからず影響を与える事すらできないシステムになっています。
このような「世間から隔離された環境下」にあるため、金融業界で飯を食っている者達は、FRBが放つ言動のホンの一片でさえ逃すまいと躍起になっているのです。
連邦準備制度理事会
14年任期の理事7人によって構成され、理事の中から議長・副議長が4年の任期で任命される。議長・副議長・理事は、大統領が上院の助言と同意に基づいて任命する。
金融政策の策定と実施を任務としており、また連邦準備制度の活動の最終責任を負う。大統領に対して、政府機関中最も強い独立性を有する。
弱り目に祟り目
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