9/04【番外編】JEPI を VOO と VTI で比較・検討すると...
恒例の土日祝を利用した「番外編」を書き記します。今回は、MYポートフォリオの現主力に置いているETF「JEPI」(9/2現在、3024株・時価164,657ドルを保有)を、世間で人気が高いETF「VOO」及び「VTI」と比較・検討します。
『酢の蒟蒻』だというより先に、少しでも多くの株数を所有することに尽きますが、パフォーマンが落ちれば元の木阿弥なので・・・。なお、いつもながら、以後「私自身の備忘録」として作成しますのでご承知下さい。
お気に入りの「VOO」及び「VTI」・・・
現在、ETF「VOO」及び「VTI」は既に売却済みで保有していませんが、米国株が値下がりトレンドに入る前は『MYポートフォリオの主力ETF』に位置付けていました。
共に、平均株価に対するリアクションに優れて、経費率も極少でベストなETFです。欠点は、① ETF価格が依然として高価格帯であること、② 分配率が低いこと、です。
では、根掘り葉掘り検討していきましょう。*参考とするデータは、次のWEBサイト Bloomberg Marketsから得ています。
- jepi 銘柄 - JPMorgan Equity Premium Inco 投資信託情報 - Bloomberg Markets
- VOO 銘柄 - バンガードS&P500ETF 投資信託情報 - Bloomberg Markets
- vti 銘柄 - バンガード・トータル・ストック・マーケットETF 投資信託情報 - Bloomberg Markets
各ETFの概略
JEPI
主力にしている「JEPI」のコンセプトは、英文のままで紹介されていることが多く和訳するのが難しいですが、ザックリ申し上げると次のようなものです。
「このETFは、毎月分配金を出すことと、相対的に小さなボラティリティ(価格変動率)で株式市場のエキスポ―ジャー(価格変動リスクを受ける資産縮小)を追求します。キャピタルゲインとインカムゲインの両方を得ることを目指しています。」
- キャピタルゲインとインカムゲインの両方を追求しています。
- 資金の80%をS&P500採用銘柄の株式、残りの20%をEquity Link Note(ELN)と呼ばれる仕組み債、に投じています。ELNはS&P500のコール・オプションを売るデリバティブです。
- 20%のELNでインカムゲインを求め、80%の株式でキャピタルゲインを追求しているETFです。
- 「自己PRで、株価下落時に少々強いETF」とありますが、これは「値上がり益を少々犠牲にする」ということと同意語です。
- 経費率は0.35%です。
- 専属のマネージャ2名が、次のように公表されています。
- 過去12カ月運用の分配利回りは、10.35670%(月別データは、次のとおり)と高率で、月末締めの毎月分配が基本です。なお、ETFなので原資産を取り崩して分配を行いません。
VOO
米国籍のETF(上場投資信託)で、S&P500種指数のパフォーマンスに連動する投資成果を目指します。主に米国の大型株を保有。S&P500種指数の全構成銘柄に投資し、四半期ごとに時価総額加重平均を用いて保有銘柄のウエートを算定しリバランスします。
- S&P500種に組み込まれている銘柄へ、極少額の手数料で投資できる優れものです。
- 経費率は、何と0.03%です。
- 過去12カ月運用の分配利回りは、1.56726%(月別データは、次のとおり)です。四半期分配が基本です。なお、ETFなので原資産を取り崩して分配を行いません。
VTI
米国籍のETF(上場投資信託)で、CRSP米国総合指数のパフォーマンスに連動する投資 成果を目指します。あらゆる時価総額規模の米国株式を保有。米国株式市場全体を投資対象としています。3500以上の銘柄を保有し、時価総額ベースでウエートを算定しリバランスします。
- 全米の株式銘柄へ投資できるETFで、いわば「米国を丸呑み」できる優れものです。
- 経費率は、何と0.03%です。
- 過去12カ月運用の分配利回りは、1.54527%(月別データは、次のとおり)です。四半期分配が基本です。なお、ETFなので原資産を取り崩して分配を行いません。
3ETFが保有する上位銘柄
バンガードのWEBサイトから得たデータです。上位陣において、VOOとVTIの違いは左程ありませんが、JEPIは大きく異なっています。
3ETFにおける過去一年間のパフォーマンス(比較)
9月2日の終値株価をベースに、1年前(2021/09/03)に遡り、その日を100%として以降の株価推移を折れ線グラフ化したものです。オレンジ : JEPI、ブルー : VOO、レッド : VTI
所感(トピックス)
- 「JEPI」は市場における下落傾向が強い時、下落率が最も小さく、反して「VTI」が最も大きい傾向が伺い知れます。
- 「VOO」は市場における上昇傾向が強い時、上昇率が最も大きく、反して「JEPI」が最も小さいことが伺い知れます。
- 「JEPI」は設立から未だ年数が浅いので、対象期間を伸ばした比較検討が出来ないですが、分配率に大きな差異がある状況を鑑みれば、この程度のパフォーマンスの差は無視できるものであり、セールスポイント良好と判断します。
- 「VOO」は、保有銘柄も米国を代表する大型株で構成されているので、長年に亘ってこれ一本に絞れるETFです。
- 「VTI」は、保有銘柄が最も多く、これが最悪期の打たれ強さとなっています。そして何にも増して、このETFだけで米国株全てを所有できることが素晴らしい。
- 更に、NASDAQを代表する「QQQ」をここに加えると、この4種類だけで米株投資は事足りてしまう程です。
編集後記
この一週間、米国株の下落傾向を止めことが出来なかった「このツケ」が、9月5日の週でどのように現われるのか、興味が尽きません。ちょうどいい具合に5日が「Labor DAY」の祝日。気持ちの切り替えもし易いので、是非とも我々の有利な方向へ動いてくれれば良いのですが…。
ETF「JEPQ」も存在するが・・・
今回、ETF「JEPI」を取り上げてみました。このJEPIの親戚に「JEPQ(JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF)」と呼ばれるETFがあります。専属マネージャ3名が付いて、経費率は0.35%です。JEPIのベースはS&P500種、JEPQのベースはNASDAQ100になります。この違いが全てです。
しかし、未だ日本の証券会社では「JEPQ」の取り扱いがありません。親会社のJP Morgan Investment Management Inc.が「JEPQ」に関して、金融庁へ特定口座等への申請を行っていないからでしょう。この状態が続けば、永久に取り扱い不可が続きます。
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