米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

10/23【番外編】必然的に『ドル高・円安』は、再加速する...

 日本銀行は、為替トレーダーや投機家どもを出し抜いた形で、日本時間10月21日(金)午後11時45分過ぎ頃に、『円買い・ドル売り』をNY市場で実行したようです。
 「ようです」と申し上げたのは、日銀が公的に「為替介入を行いました」とのアナウンスを行っていないので、「推測の域をでない」からです。


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151円台から144円台へ...

 32年ぶりの円安水準を記録した後に介入が始まり、一時期144円台へ急騰したようですが、すぐさま146円-147円と崩れ始めて、日本時間の10月22日(土)の午前7時頃には、次のチャートの如く147円71銭で取引終了を迎えています。

バイデン米大統領は、咆える・・・

日本の若者は、次のバイデン米大統領の言葉を決して忘れてはいけません。老壮世代は1980年代の米国の惨状を知っているので、今の『功罪は巡るめく』とある面納得できますが、若い方は世界で米国がこれほど嫌われるのか、感覚的に理解できると思います。
 15日、G20の直後にバイデン米大統領は「ドル高を容認」するとともに、「(他国の通貨安の)問題は、他国の経済成長や健全な政策の欠如だ」と述べたのです。

債券市場では90%以上が米ドル建て...

 世界の債券市場では90%以上が「米ドル建て」で発行されていますから、ドル貨がどれ程変動しようとも「米国人、米国企業への影響は皆無」で、全て債券発行企業や発行元国家に圧し掛かっています。もはや、破産寸前の新興国もあって、「原油購入はロシア産とする。」と米国へ喧嘩を売る国も現れる始末です。


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この介入で、円安が止まった訳ではない・・・

 話を基に戻すと、円貨が下落する基本的な構図は何も変化していないので、次週以降もジリジリと円貨はドルに対して下がりまくります。ここで日本政府(日銀)が、どのように無茶苦茶なことを行っているのかを、まとめて置きましょう。

  • 日本国債10年物金利を0.25%以内とするために、日銀が既発の10年物債券を買いまくり、その結果、円紙幣を刷り続けて市中へ流し込んでいる。このため、事実上、日本の10年物債券市場が機能せず、長期金利は、0.25%に止まっている。
  • 日本株市場を活性化させて、時価評価額を増加させるために、日経平均ベースのETFやトピックスベースのETFを買いまくり、その結果、円紙幣を刷り続けて市中へ流し込んでいる。10年足らずで日銀の保有残高は国内ETF市場全体の約8割を占め、国内株式市場の約7%相当にまで膨張している。出口戦略(売却計画)は無い。


莫大な、日銀による「国債購入とETF購入」が放置されている...

 日銀のWEBページでは、営業毎旬報告内容が掲載されています。次のリストは直近のデータです。最新版は、営業毎旬報告 : 日本銀行 Bank of Japanからどうぞ。
 単位は千円です。国債総額は547兆円弱、ETF総額は37兆円弱、といった感じです。
 国債は一応満期がありますから、新規購入を止めることで逐次保有残高が減り続けます。問題は、株式ETFと株式(3.7兆円弱)、不動産ETFリート(6.6兆円弱)の保有物です。これら株式系の計は47.3兆円弱という途方もない将来の不良債権です。


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4「金銭の信託(信託財産株式)」とは、信託銀行を通じて金融機関から買入れた株式などである。
5「金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)」とは、信託銀行を通じて買入れた指数連動型上場投資信託受益権などである。
6「金銭の信託(信託財産不動産投資信託)」とは、信託銀行を通じて買入れた不動産投資法人投資口などである。

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地雷となりそうな「年別のETF購入」状況は、次のとおり...

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結果、概ね6百兆円の緩和拡張策(円通貨の増発)を実施中・・・

 日銀が金融緩和で購入済みの国債、株式の投資額は、合わせると594.3兆円になります。これ程膨大な円通貨が市中へ出回っているのです。『金は天下の回りもの』と言いますが、我々の豊かさの証にもならず、収入増につながるものではなく、暮らしを破壊する「インフレの芽」として、今や脅威になりつつあります。

もはや、緩和拡張策(円通貨の増発)を止められない・・・

 問題なのは、日本政府・日本銀行が今だ実行中の「緩和拡張策(円通貨の増発)」を止められない事です。世界の趨勢から大きく外れて『一人我が道を行く』が如く、泰然として歩んでいます。ご承知のように、米国はFRBが鬼の形相で「過去に実施した金融緩和策を巻き戻し」ていますし、欧州も同様に縮小に向かっています。

マネした英国首相は、辞任に追い込まれた...

 唯一、英国のトラス新首相は日本を「炭鉱のカナリア」として、英国において「再度の緩和策を実行する」と表明した途端、英国債の金利上昇とポンド通貨の下落を止められず、挙句の果てに同女史は「首相辞任」へ追い込まれました。

海外投機家は、日本を破綻させて潰すことに狙いを定めている...

 しかし、逆の見方をすると、英国は歴史のある仲間の欧米国なので、ハゲタカ投機家は手を差し伸べて事前に救済したのです。東アジア・極東の没する国「日本」に関しては、彼ら欧米トレーダーは依然として高みの見物に徹していて、虎視眈々と『破綻させて潰すこと』に狙いを定めています。売り仕込みは、終わっているやも知れません・・・。

そのターニングポイントは?

 そのターニングポイント(分岐点)は、日銀による国債買い入れとETF購入の緩和総額が、日本人による「円貨の貯蓄額」を超えた時、具体的には底をついた時だと見ています。
 昨今、情勢判断ができる方々は、円貨からドル貨への「ドル転」を急速に進め、さっさと逃げ始めているので、その到達は意外と早いかもしれません。
 既に、日本は海外貿易で稼げなくなって、2022年4月~9月の貿易赤字は11兆円を突破しています。この事実は重過ぎます・・・。

その時・・・

 ここまでお付き合いしていただいた方なら、もうお判りでしょうが、日本政府・日本銀行は金融緩和の拡張策(円通貨の増発)を、最早止められないので、為替介入しても今以上に『ドル高・円安』が出現します。
 何度でも繰り返します。円安を止めるためには最低限として国内金利を引き上げなければいけません。米国は更に金利を引き上げると宣言しています。この事実を手元に引き寄せて考えて下さい。

米ドルと日本円は、今や4%近くの金利差...

 現在、米ドルと日本円は、4%近くの金利差があります。「円貨」の金利が低過ぎるのです。誰が好き好んで「0.25%の10年金利」が付いている円貨を保有しますか?
 万が一、金利を引き上げると日本国債の価格が暴落、通貨暴落ともなれば日本株も暴落、この結果、凄まじく猛烈な『ドル高・円安』が出現します。その時には、為替介入するだけのドル貨保有も乏しく、投機筋に見下されて【万事休す】です。

貧乏国へ陥る「負のスパイラル」が続く・・・

 究極のところ、自民党・財務省は、日本国民へ今にもまして増税を仕掛けるでしょう。得た税金で国防予算・ウクライナ支援を増額します。増額した予算で、米国から役に立たない(旧式)武器を購入しては、近隣諸国の中国・北朝鮮へ圧力を掛けます。
 頭に血が上った彼の国々は、益々軍事予算を増額させる。この堂々巡りで、米国は世界の富を自国へトレースするのです。結果、日本国は貧乏国へ陥る「負のスパイラル」が続くのです・・・。

編集後記

 悲観論を中心にして話を進めました。『事実は小説よりも奇なり』の言葉もありますから、待ち構える難関をうまく切り抜け出来ることができるやも知れません。何せ、タイミングよく神風が吹くニッポンですから・・・。


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 しかし、昨今の歴史の教科書では、「元寇は台風によって全滅したのではない」との記載が主流...。との報道記事を読みました。

 不謹慎ですが、あの時代、神風特攻隊に尊い命を捧げていただいた方々は、2度の元寇襲来を防いだのは「カミカゼ」であると信じ、操縦桿を握り敵艦へ突入されたと思います。今や、その事実を軽く否定する調査結果が現われるとは・・・。


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