米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

10/25『利上げペースが緩む』との観測気球が上り始める...

 週を跨いでも、ここ一週間の市場における話題は「米連邦準備理事会(FRB)は、年内に利上げペースを緩める」との見方が幅を効かせていることに尽きます。

報道記事を「金科玉条」として崇め奉る...

 先週末、米紙のウォール・ストリート・ジャーナルは、「FRBが11月初旬に開催される金融政策会合で、0.75%の大幅利上げを決めると同時に、その後の利上げ幅縮小の可否について議論する可能性がある。」と報道したことを、株式市場ではあたかも『金科玉条』のお告げのように取り扱い、せっせと買い戻しを急いでいるのです。この話の担保は、何も存在しません。

次回、米国FOMC(連邦公開市場委員会)は11月1日・2日に開催...

 市中金利の引き上げの是非を決める「米国FOMC(連邦公開市場委員会)」は、11月1日・2日に開催予定となっています。
 既に、11月と12月の利上げに関しては市場で織り込み済みです。11月FOMCで「2023年に関する金利動向を示唆する発言」があればOK、何も言及がない時、あったとしても片言隻句であれば、米国株は大きく売られることでしょう。11月2日(水)には、自ずと結果が分かります、もう直ぐです。

まずは、米上場の中国企業ADR株が急落・・・

  • 電子商取引大手のアリババ・グループ・ホールディング、
  • JDドットコム(京東商城)、
  • 検索エンジン大手の百度(バイドゥ)が14─17%安。
  • iシェアーズMSCI中国ETF(上場投資信託)は10%急落。

 共に1日の下げ幅としては、過去最大となりました。これら株式取引の出来高も半端なく積み上がっています。安値が出現したからといって安易に手を出すと、大火傷するかもしれません。

中国から、資金引き上げが始まった?・・・

 中国の習近平総書記率いる新たな指導部が、民間部門の成長を犠牲にしても「イデオロギー的政策を優先する」のではないか、との強い懸念が広がったことから【総売り状態】となりました。米国市場での株式売却だけではなく、中国本土の株式市場からも然りですし、9月には中国の債券市場から14億ドル(約2千億円)が流出したとの報道もあります。


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共産国トップの3期続投(異例)は、投資環境から逸脱?・・・

 共産国トップが異例の3期続投すれば、腐敗の浸透も強くなって潜在成長率の低下懸念の高まり、不動産バブル崩壊及び米中の緊張高まり、台湾侵攻の現実化などです。
 インフラ投資積み増しなどによる共産党政権の景気対策は、主要投資家の懸念を緩和するには至らず、中国からの資金流出はさらに増加する恐れが高まっています。米国のワシントン・ポスト紙は「中国共産党は、習近平氏に無限の支配を手渡した」と指摘しています。更に、「権力を強固にした習近平氏による企業利益の国有化に対して、反対の声はほとんど出ないだろう」との声も市場から聞かれます。

10月25日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は続伸、前週末比417ドル06セント(1.3%)高の3万1499ドル62セントで終えています。ナスダック総合株価指数も同じく続伸して、前週末比92.896ポイント(0.9%)高の1万0952.612で終了しました。


英国、ぐるりと回って元の位置・・・

 英国でスナク元財務相が次期首相に就任する見通しとなりました。これで、「英国の財政運営が安定する」との見方から、欧州株式相場が軒並み上昇したことが、投資家心理の改善につながった模様です。年金基金の原資が数十兆円程を溶かしたので、これが大きい代償でした。

MYポートフォリオ

 何を思ったのか、ブラジルの食肉企業「BRF ADR(BRFS)」と、米国の冷凍食品プレーヤー「ノマド・フーズ(NOMD)」を買い始めました。コツコツ投資の始まりです。共に無配株なので少量保有となります。


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編集後記

 日本時間の24日午前、為替介入が行われた模様ですが、一瞬の間、円が高騰しただけで何のことはない「元の木阿弥」に戻っています。今年、2度目の介入と見られていますが、1度目と比べると戻りが早過ぎます。次、3回目は超スピードで戻るか、介入開始値よりも安くなったりして・・・。これじゃ、目も当てられませんね。成果の乏しい為替介入に見えますが、事実は真逆、そうはどっこいです。

莫大な為替差益が、日本へ転がり込む...

 今回の『ドル売り、円買いの為替介入』は、滅茶苦茶、日銀へ利益が転がり込むのです。何故なら、保有するドル紙幣は米国債券として保有していますから、これを一旦売却(米国政府へ)して現金化(ドル紙幣)します。

 そして、例えば、1ドルを148円で売却したとします。この時、日銀が支払いで手にしている1ドル紙幣の元の価値は何円なのでしょうか? という話なのです。数年前のドル/円の値なら1ドル=110円位でしょうか。これが今回は1ドル=148円程になるのです。
為替差益が莫大に発生、日銀から財務省へ転がり込みます。


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