米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

10/27 「米金利低下」+「ドル安(円高)」+「米株続伸」...

 昨日発表された「10月の消費者信頼感指数」が前月から大幅に低下(102.5、▼5.3)したことで、売り込まれていた米10年物国債が買い戻されて大きく利回りが低下しました。
 こうなると、買われていたドルに強い売り圧力が掛かかって「ドル安・円高」へ転換、1ドル146円台が出現しています。

カナダの利上げ幅が市場の予想を下回る...

 隣国カナダの利上げ幅(中央銀行が政策金利を0.5%)が、市場予想を下回ったことをきっかけに、アメリカの利上げのペースも減速するとの見方が広がりました。この結果、金利安とドル安のダブル効果で、ダウ平均は辛うじて4営業日連続の上伸となりました。暫くは、この流れが続くものと見ています。

久し振りの円安が出現・・・

 このためドルを売って円を買い戻す動きが強まり、円相場は一時、1ドル=146円台前半まで値上がりしています。
 市場には「アメリカの長期金利が下落傾向にあることや、政府・日銀による市場介入への警戒感が根強いこともあって、このところの急速な円安にひとまず歯止めがかかっている。」との声が上がっています。


10/27 「米金利低下」+「ドル安(円高)」+「米株続伸」...

ハイテク銘柄は決算不調、株価調整で下落...

 金利高の影響か、GAFAMを含む米国ハイテク系企業の第3四半期(7月-9月)が想定以下の利益水準であったため、昨日の市場終了後の時間外取引から株価調整が始まり、本日も寄り付きから大きく売られていました。
 決算内容が市場の期待に届かなかったグーグルの親会社アルファベットとマイクロソフトが大幅安、「マクロ経済環境の悪化の影響は主力企業にも及んでいる」との懸念から、他の主力ハイテク株にも売りが波及した。

主力ハイテク株にも冬が到来?

話題が乏しい中、ハイテク系への売りに市場が傾く・・・

 米国金利が低下すれば一目散に買い進まれる「GAFA等のハイテク系、ナスダック銘柄」は、今日は一転して寄り付きから売り対象となっています。

 業績悪化を懸念した売りが巨大ハイテク株にも広がり、GAFAM(アルファベット、アップル、メタプラットフォームズ、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)が総じて売られました。これ程の売りは、なかなか、見られない光景です。

 市場では、「ハイテク系銘柄の売り」+「決算好調銘柄の買い」が終始見られました。『踊り場的な動き』と捉えられているので、暫く続くやも知れません。

10月27日のトピックス

 ダウ工業株30種平均はほぼ横ばいとなり、前日比2ドル37セント高の3万1839ドル11セントで終えました。ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落、前日比228.12ポイント安の1万0970.99で終えています。


 マイクロソフトは10~12月期の売上高見通しが失望売りを招いた。前年同期比1~3%増の523億5000万~533億5000万ドルと予想し、7~9月期(11%増)から急減速する。


 パソコン市場の悪化やドル高が重荷となる。パソコンメーカー向けの「ウィンドウズ」の販売額は7~9月期の15%減に続き、10~12月期は30%を超える減少になるという。26日の株価は約8%下げた。


 市場では「マイクロソフトもマクロ経済環境悪化の影響を受けることが示され、幅広いソフトウエア企業に対する投資家の新たな懸念を誘うだろう」(カウエン)との指摘があった。

 ただ「伸びが減速しているのは景気動向を受けやすい部分」(ゴールドマン・サックス)で、長期的な成長テーマに変化はないとの見方が目立った。

 

 景気が悪化しても企業のデジタル化の流れ自体は続くため、企業向け事業やクラウド関連では一定の伸びが期待されることが背景にある。(日経新聞 2022年10月27日 7:50)

ハイテク系多国籍企業への売り

 業績悪化を警戒した売りが主力ハイテク株に出ています。米長期金利の低下を好感した買いと、四半期決算内容が減算となったことの売りが交錯して、米国市場は伸び悩んで終えています。

MYポートフォリオ

 WTI原油先物価格が88ドル台へ急騰したことで、原油関連銘柄の株価が総じて上昇。ポートフォリオ全体の勢い上向き、評価額が大きく増加しています。ハイテク系銘柄の急落で、グーグル株11株を新規買いしています。

 アルファベット株は9%安に沈んだ。2022年7~9月期決算で売上高と1株利益がともに市場予想を下回った。景気減速や競争激化で主力の広告事業が3%増と伸び悩んだ。


 動画投稿サイト「ユーチューブ」向けは2%減と、四半期売上高の開示を始めた19年10~12月期以降で初めて減少した。ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)は「ドル高の逆風が強まっており、10~12月期は影響がさらに大きくなる」との見通しも示した。


 決算を受け、目先はマクロ環境の悪化を背景に広告事業の懸念を示すアナリストが多かった。ドイツ銀行は「特にユーチューブへの広告出稿には不確実性がある」とみる。


 ジェフリーズは「ドル高に加え、企業が広告支出を減らす動きが10~12月期に一段と強まる」と予想。

 レイモンド・ジェームスは、広告事業の悪化懸念を示しつつ、景気が改善すれば長期的には伸びの持ち直しやクラウドの成長が業績を支えると指摘した。(日経新聞 2022年10月27日 7:50)

「米金利低下」+「ドル安(円高)」+「米株続伸」...2

「米金利低下」+「ドル安(円高)」+「米株続伸」...3

「米金利低下」+「ドル安(円高)」+「米株続伸」...4

「米金利低下」+「ドル安(円高)」+「米株続伸」...5

編集後記

 株式市場では、当該銘柄の経済成長が何にも増して評価されます。米国企業は年4回の決算スケジュールが組まれています。その都度、株価変動が激しくなります。

  • 対前年度比がマイナスとなる場合。
  • 市場アナリスト予測値と大きく差が生じた場合。
  • 次期四半期の見通しがマイナスとなる場合。

 これらが生じた時は特に変動幅が顕著ですが、暫くすると『落ち着くところ』に落ち着きます。カナダ中央銀行が景気に気配りして、利上げに一定の配慮をしたとのニュースもあって株式市場には朗報となったようです。

GAFAMへも売り圧力 = ここが買い時?

 超ハイテク企業の四半期決算で前年同月比がマイナスとなったことが、「売り圧力」を強めています。しかし、毎期毎に利益更新を続けることはできないので、今年はダメでも来年凌駕すればOKなのです。すると、来年同月は確実に株価が高騰します。このように優良銘柄の株価は堂々巡りで上昇へ向かうのです。

 大手2社(マイクロソフト、グーグル)を巡るアナリスト評価における共通点は、業績予想の下方修正に伴う目標株価の引き下げが相次いでも、投資判断は「買い」で据え置かれたことだ。

 ドル高と景気悪化による広告やパソコン市場の弱含みが業績を押し下げるが「一時的なもので、長期的な成長は懸念していない」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声が聞かれた。2社ともに「下げ局面では買いの好機」との見方もあった。(日経新聞 2022年10月27日 7:50)

 今週は、27日にかけて「アップル「や「アマゾン・ドット・コム」を含む巨大ハイテク株の決算発表が続くため、目先は決算が取引材料となります。


10/27 「米金利低下」+「ドル安(円高)」+「米株続伸」...6