米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

11/02 「雇用指標」が堅調で、高PER銘柄への売りが続く...

 『風が吹けば桶屋が儲かる』の例え話と同様、『雇用指標が堅調で、高PER銘柄への売りが続く』が、易々と成り立ってしまうことにビックリします。
 11月1日発表の9月の雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人件数が前月比で2カ月ぶりに増加、市場予想を大幅に上回った模様です。米国の雇用状況は「求人件数が失業者数を大幅に上回る」状態が続いており、人員確保のため賃金上昇が止まることなく続いています。

巡り回って・・・

 そうなると、インフレの鎮火を伺わせる兆しもなく、11月FOMCで大幅な金利引き上げが実施されます。金利引き上げは株式市場への逆風、特に高PER銘柄にとっては株価を買い上げる指標である「PER」が、金利引き上げと同時に数年先の算出数値が上がるので、高PER銘柄へ売りが勢いを増して来るのです。

これで、11月の金利引き上げ幅は0.75%で決定?・・・

 この結果、現在開催中の連邦公開市場委員会(FOMC)において、今回も0.75%の金利引き上げ幅となることが確実視されています。投資家の焦点は、FOMC終了後のパウエル議長の記者会見の中身・内容です。次の2点が注目されています。

  1. 次回(12月)FOMCにおける「金利引き上げ幅」の動向
  2. 次年度における金利引き上げ「終着点」の動向

雇用動態調査(JOLTS)発表後、長期金利が下げ止まる

 市場が開く前、未明にかけて下げ続けていた米長期金利は、JOLTS発表後に下げ止まり上昇を始めました。この結果、金利上昇時に売られやすい高PER(株価収益率)銘柄である、GAFAM等のハイテク株が一斉に下げています。

ドル・円為替動向...

 米長期金利が4%台を再び超えて来ると、ドル・円為替も148円台に下がって、いつのまにやら定位置に戻っています。為替市場では、「岸田文雄首相が発表した新たな財政措置が、現行の金融政策設定と相まって、ドル・円は再び150円を試すことになるだろう。」との声が強まってます。

WTI原油先物価格は堅調...

 原油先物価格は1バレル88ドル台をキープ。原油関連の株式銘柄も堅調のまま終了しました。中国がゼロコロナ政策を段階的に緩和する用意をしているとの臆測が広がり、原油は世界的な株高傾向と歩調を合わせています。ドルの軟化傾向も、ドル建てで取引される商品の投資妙味を高めた模様です。

今後は、中国のコロナ政策次第...

 「中国のコロナ政策が変わる可能性は、それが本物であれ臆測であれ、原油相場にボラティリティーをもたらす」とCIBCプライベート・ウェルス・マネジメントのレベッカ・バビン氏は指摘しています。
 しかしながら「中国のコロナ政策が変わりつつあると投資家が本当に考えているならば、相場上昇はもっと大幅になっているはずだ」と注意を促した。

原油の現物市場は、非常に逼迫(ひっぱく)した状態・・・

 国際エネルギーフォーラム(IEF)の事務局長は、「原油には2つの市場があると指摘し、現物市場は非常に逼迫(ひっぱく)している。」と述べました。
 一方、「先物市場は経済の悪材料やひどいリセッション(景気後退)を織り込んでいる」と述べました。このような傾向は、ロシアのウクライナ侵攻時から続いている原油市場の特徴です。

11月8日(火曜日)は、米国中間選挙の投票日・・・

 これら経済動向を有権者が直に受けながら、民主党か共和党の候補者へ1票を投じるのです。各地域における選挙結果が米国議会の上院と下院の勢力図を動かし、2年後に控えた次期大統領選を念頭に置きながら、刻一刻と時間が経過していくことになります。なお、余談ながら、トランプ前大統領に指名されたパウエル議長はれっきとした「共和党員」です。

11月2日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は続落し、前日比79ドル75セント(0.2%)安の3万2653ドル20セントで終えています。ナスダック総合株価指数も続落、前日比97.300ポイント(0.9%)安の1万0890.846で終了しています。


FRBのタカ派姿勢が続く見通し・・・

 午前に発表された「9月の米雇用指標」が堅調で、米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢が続くとの観測が相場の重荷となった模様です。もっとも、2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル議長の記者会見を見極めたい投資家も多く、「議長会見の内容が目先の株式相場を大きく左右する」との声が大半で、積極的な売買は見送られています。

MYポートフォリオ

 毎月払いの分配ETFとして夙に著名な「JPモルガン エクイティ プレミアム ETF」と「JPM NDAQ エクイティプレミア インカム ETF」の10月分配の権利取りが、10月31日に終了しました。11月1日が権利落ち日、11月4日が分配金支払い日です。

ますます好調、13%超の分配率を誇る高分配ETF・・・

 本日公表された10月の分配金は、次のとおり過去最高額となっています。13%超の分配率を誇る高分配ETFです。

  • 「JPモルガン エクイティ プレミアム ETF」は、1株当たり0.60627ドル(税込)
  • 「JPM NDAQ エクイティプレミア インカム ETF」は、1株当たり0.68125ドル(税込)

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編集後記

 10月29日の夜、韓国・ソウルの繁華街「梨泰院(イテウォン)」で起こった雑踏事故では、1日午前11時までに156人が死亡、うち101人が女性、55人が男性と公表されています。

「外傷性窒息」が死因となることが多い...

 日本救急救命学会理事の喜熨斗(きのし)氏は、今回のような事故では、体を強く圧迫されて死に至る「外傷性窒息」が死因となることが多いと指摘する。この場合、呼吸ができなくなったり、体内の血液が心臓に戻りにくくなったりし、顔色が土気色になるなどの症状が出るという。「動物実験では、体重の5倍の重さを胸部に受け続けると10分ほど、3倍でも60分ほどで死に至る」。一般的に女性は男性と比べて体重が軽いことから、雑踏事故の際に影響を受けやすいという。


10月29日の夜、韓国・ソウルの繁華街「梨泰院(イテウォン)」で起こった雑踏事故

建物と間(はざま)で空間を確保し、圧力をかわしつつ...

 私の乏しい経験で申し上げると、将棋倒し等の圧迫から我が命を守るには、これらに近づかない事ですが、入り込んで抜け出すのが難しくなった時は、雑踏の端側に身を寄せながら「建物と間で空間を確保し圧力をかわしつつ、最寄りの路地から逃げ出す事」が大事です。


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