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12/15【番外編】投資家は、パウエル議長見解に『半信半疑』?...

 米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.5%引き上げを決めてからも、米国10年物債券の利回りが上昇せず、ドル・円為替もほぼ平行線をたどっている状況です。これって変です、当然、日米金利差が拡大するので「ドル高、円安」にならなきゃ?・・・。
 何か変な感触を感じていたんですが、本日、ブルムバーグ紙に次のような記事が掲載されていたので、思わず膝を叩いてしまいました。


12/15【番外編】投資家は、パウエル議長見解に『半信半疑』?...1

  • 「当局がタカ派姿勢を強めていること」を市場は信じていない。
  • 「市場は自分たちが聞きたいことだけをえり好み」している。

  パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の記者会見で、インフレ退治のための利上げ継続の必要性を強調した。だが2023年についてのウォール街の投資家の展望は議長のものとは異なる様子だ。


  パウエル議長は45分間に及んだ会見で、物価上昇圧力緩和の兆候や、失業率悪化とリセッション(景気後退)入りを巡る懸念が高まる状況の中で、米金融当局がインフレ抑制の闘いで手を緩めるのではないかとの見方を一掃することに努めた。


  議長は「まだやるべきことが幾分残っている」とした上で、「任務を完了するまで現在の軌道を維持する」と話した。金融当局は0.5ポイント利上げを決めるとともに、最新の四半期経済予測で来年の追加利上げ見通しを示した。


  米金融当局が物価抑制に引き続き強い態度で臨むメッセージを発したと受け止められ、債券相場はいったん下落した。その後、景気悪化を受けて当局が来年には姿勢を転換し、最終的には利下げに踏み切るのではないかとの市場の観測を背景に、相場は上昇に転じた。


  スティーフル・ニコラウスのチーフエコノミスト、リンジー・ピエグザ氏は「従来予想よりも高い水準に金利を引き上げて、そこに維持するというタカ派姿勢を、金融当局が強めているのを市場は信じていない」と指摘。「インフレは当局の予想よりもはるかに望ましい道筋にあると、市場が考えているのは明らかだ」と語った。


  パウエル議長は金融当局としてインフレ率を2%の目標に押し下げる決意を確認するとともに、投資家がどのように考えるとしても、「インフレ率が持続的な形で鈍化していると確信する」まで、利下げを検討することはないとし、「それにはしばらくかかる」と明言した。


  議長はインフレ率がピークに達した可能性を示す最近の兆候を歓迎しつつも、「極度にタイト」と表現した労働市場や、賃金上昇が企業の労働コストとインフレを押し上げる圧力につながる点に焦点を定めた。「全く痛みを伴わずに物価安定を取り戻す方法があればよいが、それはない」とも述べた。


  リチャード・バーンスタイン・アドバイザーズの債券ディレクター、マイケル・コントプロス氏は14日の議長会見と市場の動きに関し、「市場は自分たちが聞きたいことだけをえり好みしている」と分析。

 「議長発言は基本的に『一般に予想されているよりも高い水準に金利を引き上げ、そこに長く据え置く。それを知ってリスクを買いたいというのなら、自己責任だ』という趣旨だ」と解説した。


  ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニアグローバル市場ストラテジスト、サミーア・サマナ氏も、リスク資産の上昇が続けば、金融当局は予想よりも高く利上げして、そこに維持することを余儀なくされる可能性があると話す。

 実際、パウエル議長自身も「当局のピーク金利予想が、さらに高くならないと確信を持って言うことはできない、と警告」した。(ブルムバーグ 2022年12月15日 15:24 JST)

編集後記

 「株式動向」に比べて、「ドル・円の為替動向」をドン・ピッタリと的中させるのは、ホント難しいものです。今回のFOMCで米国の利上げは120%確実な状況でした。
 すると誰が考えても、FOMC後には日米金利差が拡大するので、「ドル高・円安」方向に為替が動くのが間違いないとして、レバレッジを効かせて「ドル高・円安」に賭けていた投資家が多数いらっしゃった事でしょう。
 が、しかし、今も1円程度の円安状態のままウロウロしている結果になっています。更に、今夜のNY市場で債券買いが強まれば、「ドル高・円安」が反転することも十分あり得るのです。アナ恐ろしや・・・。


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