米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

1/7 米金利が下落、米株は上昇! ドル/円は急落から急騰へ...

 株式市場オープン前に発表された『2022年12月の米雇用統計』で「賃金インフレの減速」が確認されました。このデータを見る限り、FRBが高水準の政策金利を長く維持するとの警戒が和らぐのです。

5週ぶりの株価上昇・・・

 これを受けて、S&P500種株価指数は昨年11月以来の大幅高となり、週間ベースでは1.5%上昇。ハイテク銘柄中心のナスダック100指数も同0.9%値上がり。両指数ともに週間で5週ぶりの上昇となっています。

12月の米雇用統計

 12月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比22万3千人増と市場予想(20万人増)を上回りました。一方、平均時給は前月比0.3%増と、市場予想(0.4%増)を下回りました。更に、2022年11月分が下方修正されています。これで、賃金インフレがようやく和らぎつつある、との見方が広がったのです。


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FRBによる「金融引き締めの長期化への懸念」が和らぐ・・・

 こうなると、お決まりの「株式の幅広い銘柄に買いが優勢」となって、売り方の買戻しが大幅に行われました。
 バーデンス・キャピタル・アドバイザーズのメーガン・ホーンマン最高投資責任者(CIO)は「賃金の伸びが鈍化して、インフレ面では良いニュースだ。労働参加率は再び上昇し、雇用もまだ創出されている。これは経済にとってある意味ウィン・ウィンだ。ただ一方で、ISM非製造業は本当に軟調で広範囲にわたって弱かった」と指摘。「このため、ここ数十年で最も積極的なFRBの引き締めサイクルが終わりに近づいているとの見方が広がり、株高につながった」と述べています。

12月の非製造業景況感指数

 午前、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した『2022年12月の非製造業景況感指数』は、49.6と前月(56.5)から低下し、市場予想(55.1)も下回りました。好・不況の境目とされる「50」を下回ったのは、2020年5月以来になります。

「早期のFRBの金融引き締め減速や利下げにつながる」との思惑・・・

 手前勝手な解釈がまかり通るのが市場ですから、「経済指標の弱含み」は「早期のFRBによる金融引き締め減速や利下げにつながる」との見方が優勢になって、金利低下・株高を誘いました。市場では下げ続ける『鬱憤も溜まっていた』こともあって、一気に買い戻しが進んだのです。

米長期金利は、一時3.5%台半ばへ急降下。円高が出現・・・

 これらデータ類の公表を受けて、米長期金利は一時3.5%台半ばと前日終値(3.72%)から大幅に低下しています。一方、ドル・円は大きく「円高」へ傾倒(132円割れ寸前)しています。結果、株式の相対的な割高感が和らぎ、幅広い銘柄が買われています。ドル安による多国籍企業の収支改善の期待も高まり、ダウ平均やナスダック総合株価指数も反発で応えました。

1月7日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は反発し、前日比700ドル53セント(2.1%)高の3万3630ドル61セントで終えています。ナスダック総合株価指数も反発、前日比264.053ポイント(2.6%)高の1万0569.294で終えました。


原油価格

 原油相場は週間ベースでは8.1%下落、1カ月ぶりの大幅安でした。サウジアラビアがアジアと欧州向けの原油価格を引き下げ、短期的な需要見通しを懸念している様子が示唆された模様です。中国が新型コロナウイルス感染拡大の抑制に手間取っていることも相場の重しとなっています。
 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物2月限は、10セント(0.1%)高の1バレル=73.77ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は12セント下げて、78.57ドルで終了しました。

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編集後記

 この土日の2日間で、アナリスト達は躍起となって「利上げスケジュールの見直し」に関して、裏付けを探しまくることでしょう。世間では「米国の景気後退論」が勢いづき始めているので、タイミング的にはGOODな機会でした。
 これで、米国株式市場は『転換』するのか? 幾分なりとも、利上げに影響を与えるであろうことなら、今日の市場の爆上げは、今後の記録に残ります。