米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

1/22【番外編】しばらくは、ナスダック市場の騰勢が続く?

 2023年の株式市場では、『間違いなく景気後退がやって来る...』と声高く、各方面から言われている割には、数週間程度ですが力強く推移しています。バフェット氏が『しかし、経済の状況は株式市場が上昇するか、下落するかを教えてくれるものではない』と「株主への手紙」で触れているとおり、株価の上げ下げは予測できない領域です。
 2008年以降14年間で、S&P500がマイナスとなった年は2022年を含めて2度しかなく、プラスとなった期間は86%です。このように米国株は日本株と異なり、下げの後は上げに転じることが圧倒的に多いのです。

米国株式市場における3大株価指数の動向・・・

  • 先週の米国市場(2023/1/17~2023/1/20)では、ダウ平均が 2.70%減、S&P500 が 0.64%減と共に下回りましたが、ナスダック総合だけは金利が低下する思惑もあって0.55%高と引き続き続伸しています。
  • 先々週の米国市場(2023/1/9~2023/1/13)では、ダウ平均が 2.0%高、S&P500 が 2.67%高、ナスダック総合も4.82%高と3大株価指数共に大幅に続伸しました。
  • (総括)今年に入り米国市場(2023/1/3~2023/1/20)では、ダウ平均が 0.69%高、S&P500 が 3.47%高、ナスダック総合は6.44%高と共に続伸を維持しています。

1/22【番外編】しばらくは、ナスダック市場の騰勢が続く?-1

ナスダック総合指数の回復が顕著・・・

 現状では、昨年 1 年間で 33.1%安と下落率が最も大きい「ナスダック総合指数」が、「ダウ平均と S&P500」の各指数をアウトパフォームしています。
 これは、至極当然のことで、株価の回復期によく見られる現象です。もっとも、ダウ平均値などは、この金利高の状況で3万3千ドル台を維持していること自体が摩訶不思議であって、私などに言わせると「世界七不思議の範疇に入る代物」ですから・・・。
 ナスダック総合指数の主役は『GAFAM銘柄』です。5社の株価が回復傾向の一端を示すだけでも、一気呵成に同指数が戻る(株価上昇)のです。

FRBの金利操作のおさらい・・・

 2022年初頭、過去最高値を更新した米国株式市場は、新型コロナ禍の真っただ中、FRBの金融緩和の2年にも及ぶ長期継続、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻などの地政学リスクの高まりもあって『インフレの昂進』が止まりませんでした。
 更に、FRBが「インフレは短期収束する」と読み誤ったこともあって、抑制のため積極的な利上げを続けたことが相場に大きく圧し掛かり、みるみるうちに米国株式市場の平均株価が下がったのです。

FRBの金利引き下げ・引き上げ動向

 FRBは新型コロナウイルス禍に対応するため、2020年3月に2度に亘る「緊急利下げ」を行い、政策金利(フェデラル・ファンドレート=FF金利)の誘導目標を ゼロ金利に近い 0.00-0.25%に引き下げました。
 約2年後、ロシアのウクライナ侵攻による「エネルギー価格の高騰」や「サプライチェーン問題」などによる【物価上昇を抑制する】ため、2022年 3月に 0.25%の利上げを実施すると、5月に 0.50%、6月、7月、9月、11月には何と『4回連続で、0.75%の大幅利上げ』を立て続けに行いました。これなど、常軌を逸しています!

変動金利で借金している個人など、ひとたまりもない...

 昨年12月では利上げ幅を0.50%に縮小しましたが、2022年3月まで 0.00-0.25%だった FF 金利誘導目標を、ものの9カ月間で「4.25-4.50%」へ大幅に上昇させたのです。『人を殺すにゃ刃物は要らぬ。金利の上げ下げで「お陀仏さま」よ...』です。


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米10年債利回りが急上昇...

 FRB の積極的な政策金利の引き上げで、米国10年債利回りは 2021年末の 1.50%台から 2022年10月には 4.23%台まで急上昇、ハイテク銘柄中心のナスダック総合は 2022年の1年間で、何と33.1%安と4年ぶりの超絶な反落となりました。

米国でインフレ上昇の「ピン先」が、緩み始めた?

 新年になって、12月の各種データが公表されています。物価騰勢が止まった訳ではないのですが、伸び率をベースに眺めると「伸びしろが徐々に落ち着き始めている」事実が証されてきたことで、債券市場では、10年物債券の金利上昇が止まるだけではなく、低下し始めました。

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通貨(ドル)高の解消と『ナスダック総合指数』の騰勢

 こうなると、外為市場でドル売り・欧日通貨高が一気苛性に現われます。通貨(ドル)高の解消、これ自体に関して米国多国籍企業にとっては朗報ですから、俄然として株式市場は『色めき立って』来ました。
 今や、2022年に売られまくった優良銘柄の買戻しが急速に進み出し、大きく反落していた『ナスダック総合指数』の騰勢がジリジリと強まっています。その反動もあって、昨年秋頃~末頃から騰勢であった「ディフェンシブ銘柄」等の下げが目立っています。

編集後記

 時価総額の巨大な銘柄であるGAFAM銘柄各社の株価は、ここ数日間だけでも右肩上がりを端的に示しています。例えば、アマゾン株が数日間上昇して、他のGAFAM銘柄の株安状態が目立って来ると、買い上げる銘柄が「そこへ」ポンと移ります。
 皆さん方もご覧になった経験があるように、右・左のバランスを取りながら、あっという間に手が届きにくいところへ、株価が駆け上がってしまうのです。これなど、世界中から資本が集まる米国市場特有の現象としかコメントできません。
 このような傾向が強いのは、ナスダック総合指数よりナスダック100指数だし、同100指数よりGAFAM銘柄だと、信じている私などは変わり者ですか?


参考・引用
https://mxp3.monex.co.jp/pc/pdfroot/public/report/0503/2023/01/17/analysis_20230117.pdf


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