米国株 -『正しいものは美しい』

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1/30【番外編】次回FOMCは、0.25%の利上げ幅に?落ち着く...

 なんと早いもので、年明けの第一回連邦公開市場委員会(FOMC、1/31-2/1)がすぐそこに迫って来ています。FOMCは、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決める会合のことです。

FRBとは

 FRBとは、米連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)の略称で、米国の中央銀行です。金融政策の実施を通して、米国の雇用の最大化、物価の安定化、適切な長期金利水準の維持を実現し、その結果として米国経済を活性化することを目標としています。
 FRBは独立した政府機関であり14年任期の理事7人、これら理事の中から議長・副議長が4年任期で務めるシステムです。米国大統領が、議長・副議長・理事を上院の助言と同意に基づいて任命します。FRBは米国民と米国議会に対して説明責任を負います。

FOMCとは

 FOMCとは、米連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)の略称で、FRBの理事7名と各地区の連邦準備銀行総裁5名の合計12名で行う金融政策決定会合です。議長はFRB議長、副議長はニューヨーク連邦準備銀行総裁が担当するシステムで、2023年の開催スケジュールは、次のように公開されています。
  FOMCの発表は、サマータイム(夏時間)の期間中は日本時間の午前3時頃、冬時間は日本時間の午前4時頃が目安となります。少し早起きが必要です・・・。


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連邦準備銀行とは

 連邦準備銀行 (Federal Reserve Banks) は、市中銀行の監督と規制など、公開市場操作以外の連邦準備制度の業務を行います。連邦準備券(ドル紙幣)の発行を行うのも主要な仕事です。
 れっきとした民間会社で、連邦銀行(連銀)と呼ばれることもあります。以下の12地区に分割されて、米国金融を牛耳っています。このうち第2地区のニューヨーク連邦準備銀行が全体の要となっています。


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決定される金利水準が、株式市場や債券市場に与える影響度

 年間8回開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で決定される金利水準は、米国全土のみならず世界中に影響を及ぼします。これは、FOMCで決められる金利の引き上げ・引き下げが、株式や為替と密接な関係があるからです。

市場予想との差異があればある程、影響度が大きい・・・

 FOMCの金融政策が発表される数日前から、市場関係者が「どのくらいの数字が発表されるか」を予想した数値データが市場へ出回ります。マスメディアが競って我々に伝えてくれますから、自然と耳に入って来るのです。投資をしている場合、市場予想を事前に確認しておくことが最も重要です。

前もって予測値を把握する・・・

 大口投資家が注目しているのは「数値の大小」ではなく、「対市場予想値との比較差異」です。仮に、バカデカい数値が発表された場合でも、これが市場予想値と一致していれば、株式市場や為替市場は無反応となるケースがあります。FOMCに限らず、重要指標が発表される前に市場予想値を確認・把握して、発表された数値データと比較しましょう。

株式市場に与える影響

 教科書的には、次のように説明されています。要は、『金利上昇』となれば、投資した企業から受け取れる利益が減る(利益が金利支払いに流れる)ので株主から忌み嫌われ、株式が売られて債券が買われます。『金利下落』の場合は、全く反対の流れとなるのです。

 金利が下がると、企業の資金借り入れコストが下がります。すると、積極的に設備投資を行う企業が増えて景気が良くなり、株価が上昇しやすくなります。

 反対に、金利が上がると資金借り入れコストが上昇して不景気になり、株価が下落するという仕組みです。

 例え、0.25%程度の上げ下げであっても大きな影響力を持ちます。但し、株価は概ね6カ月先の経済動向を読み解く』と言われるように、金利動向の上げ・下げが行われても、市場経済の末端へ浸透するまでに時間がかかることや、不景気風が強くなると「政府の財政支出」の出動もあって、『市中マネーの増加・増量の期待感』で株価が想定外の動きをすることもあります。
 すると、ここで言えることは、市中に流通している「マネー分捕り合戦の糧として『株式』が捉えられている」という事です。

為替市場に与える影響

 教科書的には、次のように説明されています。
 外国為替の取り引きは『海外貿易の実需と投資・投機』の両面があります。外国通貨を紙幣で保有する現金取引は別ですが、預金や借り入れを介して、金利を支払って外国為替取引を行う場合は、『利息・金利の受け取り、支払い』が生殺与奪の基になるのです。

 外国為替は日々瞬間的に変動するものですが、「各国の金利差」が大きな要因の一つです。金利が高い通貨を持っていれば多くの利息を得られるため、金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を購入する動きが活発になるのです。

 例えば、FOMCで金利の引き上げが発表された場合、米ドル預金の利息が増えるので、他通貨を売って米ドルを購入する投資・投機が増加、為替レートがドル高になるケースが多いのです。

 為替市場にとって、FOMCは非常に大きなイベントであり、政策が発表される瞬間、為替レートが日本円で1円以上の大きな値動きをすることも珍しくありません。

 例えば、担保を差し出して証拠金の10倍程度の「円を売って、米ドルを買う」為替取引を行う場合、円は実質的に金利負担が0(ゼロ)ですが、米ドルは金利引き上げが続いているので結構な利息が付きます。
 すると、日米金利差が拡大すればする程に「円を売って、米ドルを買う」取り引きが増加するのは自然の流れです。『金利高の通貨は通貨高となり、金利安の通貨は通貨安となる』と言われる所以です。
 日本の銀行で、低金利で円貨を借り入れて米ドルに両替し、米国債券で利息運営する「キャリートレード」が重宝されるのが、お分かりいただけますか?

編集後記

 古来より、資金の出し手は『個人』であって、資金の借り手は『法人や政府』であることは万国共通のことです。一時的に貯め込まれた資産は、最後には特定個人の懐へ流れ込むのであって、決して法人や国家に眠ったままではありません。
 この「借り手の元」に流れ込んだ『資金・資本』を手繰り寄せて、どのようにして我が物にするべきかの算段を巡らすのが「法人役員や政府高官」の真の姿なのです。そして、これら対極に位置して、彼ら・彼女らの不正行為を監視するのが「株主や議員」に課せられた責務なのです。
 株式取引も外国為替も「マネー分捕り合戦」の最たるもの であり、米国政府が『為替操作国の烙印』を押したがる理由もここにあります。

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