米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

2/2 FRBが引き上げ幅を縮小し、0.25%の利上げを決定....

 連邦準備制度理事会(FRB)は2月1日まで開いた会合で、0.25%の利上げを決めました。前回の去年12月に続いて2回連続で利上げ幅を縮小しました。次は停止時期がクローズアップされます。

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政策金利の誘導目標を4.50-4.75%に・・・

 政策金利フェデラルファンドFF金利の誘導目標を0.25%引き上げ、4.50-4.75%に決定されました。パウエル議長は声明内で「インフレは幾らか緩和されているも、依然として高い」とし、「2%の物価目標に向けて、インフレを抑えこむために利上げ継続が適切」と改めて追加利上げを示唆しています。言質を取られないよう気を使っています...。


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 今後、FRBが政策金利を

  1. 『どこまで引き上げるのか』
  2. 『その到達点と』
  3. 『どれぐらいの期間』
  4. 『その金利を維持するのか』

が、大きな焦点となります。

 声明では「物価上昇は多少和らいだが依然として高いままだ」との文言を盛り込み、インフレがいくぶん落ち着く兆しが出ているという認識を示しました。


 会合後の記者会見で、FRBのパウエル議長は「過去3か月の月ごとの物価上昇に関するデータは低下していることを示している。この傾向は歓迎すべきことだが一方で、インフレが持続的に低下傾向にあることを確証するには、さらに証拠が必要だ」と述べました。


 また「急速な引き締めの効果は、これまでのところ完全には感じられていない。われわれはまだやるべきことがある。物価の安定は経済の基盤を維持するうえでFRBの使命だ」と述べました。


 去年は11月の会合まで4回連続で0.75%という異例の大幅な利上げを決めた後、12月の会合では0.5%と、利上げ幅の縮小に踏み切っていました。(NHK 2023年2月2日 5時48分)

直後はドル高、その後はドル急落(円高)へと動く・・・

 発表直後、ドル買いが強まり「円安」が見られましたが、FRBが利上げ幅を縮小したことで、債券買いが強まり、米10年債の利回りが低下(利回り3.4%割れ)、これを受けて外為市場で円高が進行(ドル急落)、円相場は一時、1ドル=128円台前半へと値上がりしています。

「松明の光」が見え始めたので、株式市場は「株高の反応」を示す・・・

 債券市場の金利低下を歓迎した動き(先行き見通しが朧気に見え始めたこと)が、株式市場で随所に見られました。ようやく「松明の光」が、あたりを照らし始めたのです。
 金利引き上げて売り対象となっていた「高PER銘柄」の買戻しが顕著となり、ナスダック総合指数及びS&P500株価指数の上昇が強く現れています。ダウ平均値に関してはトントンで終了しています。

2月1日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比6ドル92セント(0.02%)高の3万4092ドル96セントで終えています。ナスダック総合株価指数は続伸、前日比231.768ポイント(2.0%)高の1万1816.320で終了。ほぼ、5カ月ぶりの高値引けでした。


議長会見内容と株伸長・・・

 0.5%の利上げが発表されたのち、ダウ平均は500ドル超の下げとなりましたが、パウエル議長の会見途中から平均株価が上がり始めています。
 要は『利上げ停止は近く、深刻な景気悪化を招かずにインフレを抑制できるのでは?』『FRBが金融引き締めの手を緩めることで、ソフトランディング(軟着陸)を期待できる...』との考えを強めたからに他なりません。それは、次の箇所を覗くと理解できます。

  1. これまでの金融引き締めの効果で「昨年の米経済の伸びは大幅に減速した」との認識を示したこと。
  2. 質疑応答の中で、「初めてディスインフレーション(インフレ沈静化)のプロセスが始まったといえる」と述べたこと。
  3. 珍しく、市場から「議長会見内容は、インフレに対してハト派的だ」との受け止められたこと。

MYポートフォリオ

 午前4時の金利引き上げ会見以降、好感した買いが入ると踏んでいたので、米国現地時間の午前中から、下値の指値でコツコツと買い集めていました。

「ABEV アムベブ ADR」と「APPS デジタル タービン」の新規買い・・・

 「ABEV アムベブ ADR」は、ブラジルの大手飲料メーカー。ビール、生ビール、ソフトドリンク、その他の非アルコール飲料、麦芽、食品などを製造・販売しています。本社所在地はサンパウロです。株価が下がって来たので再保有です。
 「APPS デジタル タービン」モバイルコンテンツソリューションを提供する米国の会社です。無線通信事業者やOEMメーカー向けに、モバイルアプリケーション管理の「DTイグナイト」、ユーザー体験と発見の「DT IQ」、コンテンツ管理ソリューション「DTコンテンツ・マネージメント」、モバイル決済「DTペイ」などの製品を提供します。


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編集後記

 0.25%の利上げが行われる決定を表明した後、まるで「利下げが行われるが如き」の反応が各市場に現われました。

  • 債券市場では、『利上げテンポが緩やかになって年内の利下げが想起できるようになってきた』ことから、一転して債券の利回りが低下したこと。
  • 外国為替市場では、金利引き上げを好感したドル買いが強まり「ドル高」となるも、米債券利回りの低下が生じると、日米金利差が逆に縮小となったことで、一転してドル安・円高となったこと。
  • 米株式市場では、発表直後はダウ平均が500ドル超値下がりとなったものの、パウエル議長会見で『反タカ派、ソフト的な考え』を示したことから、一転して年内利下げを見込んだ株買いが強まったこと。

 なお、米国における金融当局が誘導する政策金利の水準は、0.25%引き上がって4.50%-4.75%になった事実は不変です。

メタ株の決算速報

 次の記事タイトルを見る限り、良かったのか悪かったのか…。メタ株に対する『親・反』姿勢の立ち位置で論調も変わってしまいます^^。メタ株、市場終了後、時間外取引で株価急騰です。

  • 株価 :  183.99 ドル、+30.88 ドル増 (+20.16%)、After hours: 07:59PM EST

 慌てた売り方の狼狽買い戻しが、ここまで株価を急騰させたようです。嘗て、メタ株はヘッジファンドのお気に入りでしたが、今や同ファンドの『売り推奨銘柄』に成り下がっていたので…。メタ株、株価52週最高値が300ドル超の銘柄ですから…。