2/4『案の定、一日天下で終わる!』だから言ったじゃない...
去年12月~今年1月にかけて「数万人のIT系リストラ」が発表された米国労働市場でしたが、こんなのは見かけ上、氷山の一角であって『インフレを構成する米国の根雪は、悲しいかな、正に鉄板』の如くです。
FRBが賃金引き下げを主導する日・・・
イタチごっこのように、次のような循環が見られます。要は、説得力のある「何らかの事情」が何なのか?です。
- 『離職者が何らかの事情で求職活動を止めている』→
- 『有効求人倍率が下がらず、常に人手不足』→
- 『企業が競って時給を引き上げる』→
- 『米雇用統計等でインフレデータが上昇する』→
- 『金利が引き上げられる』→
- 『企業がレイオフを行い、低成長に備える』
そして、暗にFRBによる金利引き上げの行き着く先は「米国企業で働く労働者の賃下げ」であることが、徐々に明らかになって来ました。諸悪であるインフレの根源は『際限のない賃金水準の上昇にある』ということ。ここにFRBは、ターゲットを絞っています。
経済躍動に米国版レイオフは必要悪であること・・・
莫大に儲けている超優良企業が赤字の垂れ流しでもないのに、何万人という社員を競うようにしてレイオフする。これに対して政府高官や何処の誰からも非難の声すら上がらない。寧ろ「採用と解雇、これが米国の強みである」と賞賛される始末です。
- サマーズ氏、米景気「急停止」のリスク指摘-雇用者数の大幅増を受け - Bloomberg
- FRB、3月に0.25%利上げへ 米雇用統計受け=モルガンS | ロイター
- 株式投資家は「先送りされた大災厄」に向かっている-BofA - Bloomberg
1月の米雇用統計・・・
朝方発表の「1月の米雇用統計」では、雇用者数が市場予想を大幅に上回って増えていて、労働市場の需給逼迫が改めて確認されました。こうなると『ウォール街でちゃぶ台返し』が起こるのは必然で、前日上昇した銘柄が売られる展開へと進んだのです。
- 米雇用者数、予想大きく上回る51.7万人増-失業率53年ぶり低水準 - Bloomberg
- 米金利先物、金利5%超え予想 雇用統計後 利下げ予想時期後ずれ | ロイター
- 米金利5.1%へ、必要なら一段の行動の用意=SF連銀総裁 | ロイター
非農業部門雇用者数が、前月比51万7000人増・・・
景気動向を最も映すと言われる「非農業部門雇用者数」が、何と前月比51万7000人増でした。この数字は驚異的ですが、アナリスト達が算出した対予測比も重要です。
- 前月は、26万人増(速報値22万3000人増)に上方修正
- 対予測比18万7千人増加
- 失業率は3.4%(53年ぶりの水準に低下)
長期金利が急上昇、全面的にドル高・・・
1月の雇用統計を受けて、米長期金利は3.5%台に急上昇(前日終値は3.39%)し、ドルは全面高に転じて一気に「ドル高」へ。いつもの如く「相対的な高PER(株価収益率)が意識されたハイテク銘柄」を中心に、株式市場では売り圧力が高まりました。
一旦、買い戻された株式が再び売られる・・・
この結果、「労働需給は明らかに引き締まっており、3月と5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、引き続き利上げが続く。」(CIBCエコノミクス)との見方が大勢になり、昨日に買い戻された株式が売られています。暫くは軟調な展開が続くかも・・・。
非製造業景況感指数は55.2、関係者は動向を藪睨み・・・
1月の米サプライマネジメント協会(ISM)が纏めた「非製造業景況感指数」値はそ55.2と、好不況の分かれ目である50を上回ったこともあり、寄り付き直後、米経済の底堅さに着目して、左程強い売りが見られませんでした。
米国の景気後退は避けられるとみた株買いも強く、下値は堅かったです。これなど、市場オープン直後の『動向を藪睨み』していたに違いありません。マスコミが騒ぐほど、投資家は一方向一辺倒ではありません^^。
想定どおり、GAFAM決算もイマイチ・・・
皆誰もが今回、GAFAMが好調な決算数値を発表できるとは思っていなかった筈です。何故なら、メタ、アマゾン、アルファベットの株価が、昨年末にかけて一時90ドルを下回って推移していたのがその論拠です。
少なくとも、直近の四半期決算報告で「失速」するのが分かり切っていたから、「売り推奨」となる位に当該株式が売られていたのです。日々の取り引き高が1億株にも達する程、活況な取り引きが続いていました。今更、ガタガタ言う方が可笑しいです。あれこれ考え過ぎるのは取り越し苦労、直ぐにこれら株価は戻ります^^。アマゾン株とアルファベット株が95ドルを下回れば【買い】です。
アマゾンとアルファベットの株価は下落、アップルは上昇・・・
前日の夕方発表で、決算が振るわなかったネット通販のアマゾン・ドット・コムが8%安、ネット検索のアルファベットは3%安と下げが目立っています。但し、高い利益率を維持したスマートフォンのアップルは2%上昇しています。
下がった!売られた!と言っても、以前と比べると下値は、俄然切り上がって来ています。今、これら銘柄を決して手放してはいけません^^。
2月4日のトピックス
ダウ工業株30種平均は続落、前日比127ドル93セント(0.4%)安の3万3926ドル01セントで終えています。ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落して、前日比193.863ポイント(1.6%)安の1万2006.955で終了しました。
ナスダックは週間で385.245ポイント(3.3%)高と堅調で、5週連続で上昇しています。5週連続は2021年11月以来の連続上昇記録となるそうです。ダウ平均は上がり過ぎで、チト危険です^^。
MYポートフォリオ
「週またぎ」となるので、保有株の整理売りを混ぜながら売買しました。急遽、金利高となったので原油先物が売られているだけです。これに連れて、原油銘柄の株価が軟調になっていたので、ブラジルADRの原油銘柄を少し買い増しています。先物価格の上げ・下げ、動・静に惑わされてはいけません。エネルギーは依然として『生活の核』です。
編集後記
タイミングよく週末金曜日に株価急落。土日で頭を冷やして、身支度を整えて出直しです。株価急落があっても、「美味しい価格帯へ下落して来ない」銘柄が多いので、楽しくはないです。ちょこちょこと「隅っこで株式の売り合い」を行って、お茶を濁しているだけですし・・・。では、週末をお楽しみ下さい。
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