米国株 -『正しいものは美しい』

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2/12【番外編】グーグルを見捨てず、買い増しする事由...

 この一週間、アルファベット(グーグル)の株価下落が止まりません。次のチャートの如く、マイクロソフトの株チャートと対比すると歴然です。特に、2/8株価のスタートライン以降が何とも顕著です。思わず、嬉しくなって自然と笑いが零れます。何故なら、株価が安ければ買い増しする投資額が少なくて済みますからラッキーです。今まで株価が高くて、手が出なかったのですから・・・。


2/12【番外編】グーグルを見捨てず、買い増しする事由...1

Microsoft(マイクロソフト)は、OpenAI社に100億ドルを出資・・・

 Microsoft(マイクロソフト)は、OpenAIに100億ドル(約1兆3000億円)を出資し、Bingの新バージョンにChatGPTよりもさらに高度なAIチャット機能を搭載すると公表しました。
 マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、その発表イベントで「検索の新時代が始まる」と述べ、「レースは今日から始まる。我々は迅速に行動する」と語った、とあります。

OpenAI社は、サンフランシスコのスタートアップ企業・・・

 OpenAIはサンフランシスコの比較的小さなスタートアップ企業で、グーグルが数年前に開拓した技術的ブレークスルーを利用してChatGPTを作り出しています。

アルファベット(グーグル)は、会話型AIサービス「Bard」を発表・・・

 アルファベット(グーグル)は、2月6日(米国時間)に、会話型AIサービス「Bard」を発表し、一部のユーザーを対象にテスト公開を始めました。しかしです・・・。
 アルファベットは、7日にChatGPTに対抗するAIチャットボット「Bard」を発表し、株価を5%近く上昇させましたが、その翌日、Bardが不正確な回答を生成したと報じられたのを受けて株価が8%急落し1000億ドルもの時価総額を失いました。
 その後も、回復基調には乗っていません。以下、関連記事を引用します。ざっと、あらすじ的にご覧になるだけでOKです。


2/12【番外編】グーグルを見捨てず、買い増しする事由...2

  Googleが対話特化型AI「LaMDA」を利用した次世代の会話型AIサービス「Bard」を2023年2月8日に発表しました。

  しかし、Bardの紹介を行うアニメーション画像で不正確な回答が得られたとして、2月8日のアメリカ株式市場で、Googleの親会社Alphabetの株価が前日から約8%下落し、時価総額にして約1200億ドル(約15兆円)を超える損失が発生しています。


Googleによって発表されたAI検索アシスタント「Bard」は検索結果のテキスト要約を生成することができます。


しかし、Bardがどのように機能するのかを示すデモで、機能の精度が疑問視されるような結果が出力されてしまいました。

  問題のアニメーション画像では、ユーザーが検索ボックスに「what new discoveries from the James Webb Space Telescope can I tell my 9 year old about?(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の新発見について、9歳の子どもに教えてあげられることはありますか?)」と入力しています。


  すると、「Your 9-year old might like these recent discoveries made by The James Webb Space Telescope(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による最近の発見を、9歳のお子さんは気に入ってくれるかもしれません)」という前置きを行い、さまざまな回答を提示しています。


  その中で、「JWST took the very first pictures of a planet outside of our own solar system. These distant worlds are called "exoplanets." Exo means "from outside."(JWSTは太陽系外の惑星を初めて撮影しました。

  このような遠くの惑星は『exoplanets(太陽系外惑星)』と呼ばれています。『exo』は『外から来た』という意味です)」という回答を提示していますが、この回答は正確ではありません。実際の太陽系外惑星の最初の写真は、2004年にチリの超大型望遠鏡によって撮影されました。


  この指摘を受けて、Alphabetの株価は前日の1株約106ドル(約1万4000円)から8%下落し、約98ドル(1万2900円)で取引を終了しています。8%の下落を受けて、Alphabetは時価総額約1200億ドル(約15兆円)以上を失ったとされています。


  一見正確な会話型AIサービスであるはずのBardによって生成された不正確な回答に対して懸念が提起されている一方で、Bardのライバルである「ChatGPT」を開発するOpenAIは「AIテクノロジーの分野には限界があり、人間の質問に対してもっともらしい響きにもかかわらず正確ではない、または無意味な回答を生成することがあります」と認めています。


  Googleの広報担当者は「今回のBardの反応によって厳格なテストプロセスの重要性が浮き彫りになりました。

  今週からのテスター向けの公開で、外部からのフィードバックと独自の内部テストを組み合わせて、Bardの回答が現実世界の情報の品質、安全性、根拠に関する高い基準を満たすように開発を行います」と述べています。(GIGAZINE 2023年02月09日 10時52分)

メタのGalactica(ギャラクティカ)は、公開停止へ追い込まれる・・・

 メタは2022年11月に科学的な質問に答えられるAIの「Galactica(ギャラクティカ)」を公開しましたが、デタラメな内容や人種差別的な回答文が生成されて炎上、わずか2日間で公開中止に追い込まれています。
 これなど、ホンの数カ月前の話なのです。「人間が書いたかのような文章を生成できる人工知能(AI)「巨大言語モデル」の社会実装はまだ難しい。」との結論が、業界人や大手マスコミの認識でした。

2/12【番外編】グーグルを見捨てず、買い増しする事由...3

嘗て、グーグルはGoogle Duplex(デュプレックス)のデモ版を公開...

 グーグルは、自社技術の粋を集めた「会話AIのパワー」を世に示したのは、2018年5月のGoogle I/Oの基調講演でした。この時のデモで、会話AIである「Google Duplex(デュプレックス)」が合成音声を使って、レストランや美容院に実際に電話を掛け、店員と自然な会話をしてサービスの予約をしてみせました。しかし、参加者からの評価は芳しくなかったようです。
 このGoogle Duplexは店員と会話する際、相づちを即座に打ったり「うーん」といった音声を発したりして、人間であるかのように振る舞ったらしく、これが「AIが人間(=店員)をだますものだ」として、倫理に反するものだと批判されたのです。以降、AI倫理はグーグルにとって重い課題となったようです。

忌避(タブー)から寛容に姿勢を変える・・・

 つい2~3カ月前まで、人工知能AIがデタラメな文章を出力するのは「タブー」とされていました。しかし、ChatGPTの公開・登場以降は、人々(特に、プログラマー技術者やマスコミ従事者)は人工知能AIの過ちに「突然にして寛容」になりました。そして、グーグルが開発した基礎技術である「チャットボットAI」が、一気に社会に受け入れられようとしています。

ものの見事に『寛容へ転換』は、全くの偶然なのか?

 2022年11月頃からメタを皮切りにした『数万人単位のレイオフ』がテック企業から続々と発表され、人材と資金が業界にバラまかれることになったのが、ここ数カ月の事です。関係者にとって、宝の山が目の前に忽然と現れたのも同然です。

  • OpenAIのライバルとなるAIスタートアップのAnrthropicに3億ドル(約390億円)から4億ドル(約520億円)を投資したと報じられていますし、
  • マイクロソフトは、OpenAIに100億ドル(約1兆3000億円)を出資したと発表しています。

 これらを境にして、業界全体が「AIチャット」待望感を前面に押し出し、ものの見事に『寛容へ転換』するのは、全くの偶然なのか・・・?

メタバースに代わるものとして

 メタが推進、資金投下している「メタバース」は、一部の業界・関係者が歓喜して、輪を拡げる涙ぐましい努力にも拘らず低迷、これからの開発部隊、開発資金も先細ることが判明しています。これに代わるものとしても、「AIチャット」への期待が大きいのでしょう。
 我、ここに『米国流、業界発展の源泉を見た』と言い切れそう?…


2/12【番外編】グーグルを見捨てず、買い増しする事由...5

ChatGPTも元をただせば、発展途上中?・・・

 デタラメな内容を出力する恐れがあるのはChatGPTもメタのGalacticaも、程度の差はあれど同じなのです。
 メタのAI研究責任者であるヤン・ルカン氏は米メディアに対して「ChatGPTは、特に革命的ではない」「同様の技術は、米グーグルやメタだけでなく、複数のスタートアップ企業も有している」などと発言、ChatGPTを過度に持ち上げることに対して警鐘を鳴らしている。

  Bard のライバルであるChatGPTに「グーグルはなぜ、AI開発で遅れをとったのか」と聞いてみると、下記のような答えだった。


 「グーグルはAI開発で遅れをとっていません。今でもこの分野のリーディングカンパニーであり、AIの研究開発に投資し、多大な貢献をし続けています。近年、OpenAIなどの他社やBaidu(バイドゥ)、Tencent(テンセント)、Alibaba(アリババ)などの中国のテック企業がAI分野の強力なプレイヤーとして台頭してきましたが、グーグルは依然としてこの分野の著名なプレイヤーであり、リーダーです」


  ・・・歴史を振り返れば、グーグルは2004年の230億ドルのIPOから2カ月に、時価総額でYahoo(ヤフー)を抜いていた。

  同社の躍進とヤフーの衰退のエピソードは、大企業が既存の製品を優先することによって、市場での優位性を失うという理論の「イノベーションのジレンマ」の典型例とされている。(フォーブス ジャパン 2/11 9:00配信)

  ChatGPTを巡る状況は、2006年ごろのパブリッククラウド、1997年ごろのLinux(リナックス、基本ソフト)、95年ごろのインターネット、82年ごろのパソコンを取り巻く状況をほうふつとさせる。

  いずれも登場当初は「コンシューマー向けのおもちゃ」とされ、信頼できないと見なされていた。

  ルカン氏がどれだけ警告しようとも、ChatGPTやその後継の勢いは止まらないだろう。歴史は繰り返されるのが常だからだ。(日経新聞 2023年2月10日 5:00)

 今般、テック企業のレイオフで大量のプログラマーがフリーな世界へ放たれました。守秘義務の壁は高いでしょうが、『一泡吹かせてやる』勢いが、彼奴等を駆り立てているのは事実でしょう。更に、資金投下が背中を押しているとしたなら…。ここに人工知能AIに対する態度豹変が絡んでいると踏んでいます。何とも米国ビジネス社会は「怖い鬼の住処」です。

  米国大手テック企業で2022年11月ごろからレイオフの嵐が吹き荒れている。その数、いわゆる「GAFAM」だけで約5万人(米Apple=アップルのみ大規模なレイオフを実施していない)。

  米エンジニア採用サービスのTrueup(トゥルーアップ)によれば、2022年に米国のテック企業で24万1176人のレイオフがあった。2023年になってもその嵐は止まず、2023年1月だけですでに10万7840人に上る。

グーグル検索が影響を受ける(収益源)のは、あっても先の話・・・

 私にとって、アルファベット(グーグル)は、底が割れない・深淵な先が覗けない企業に属します。気に入っている企業だから同社の株式を買って保有する。株価が下がっても手放さず、買い増しを続ける...。安値で売ってくれる投資家がいるなら、喜んで受け入れる。

  ・・・グーグルはこれまで、巨大言語モデルや生成AIの技術を論文で発表する一方で、それらの技術を製品やサービスに搭載するのは消極的だった。同社がそうした方針を一変させた背景には、創業者であるラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏の復活があったと米紙ニューヨーク・タイムズが1月20日(米国時間)に報じている。

  両氏は19年にグーグルの親会社である米アルファベットの常勤役員を退任しているが、22年の暮れに開催された最高幹部による会議に参加。この会議で生成AIを搭載した製品を23年に投入する方針が決められたのだという。(日経新聞 2023年2月10日 5:00)

  ・・・もしチャットボットAIが「Google検索」に置き換われば、グーグルの広告ビジネスが大打撃を受ける恐れがある。チャットボットAIの場合、質問への回答ページで情報探索が終了するため、キーワード広告のリンクをクリックする人が激減する可能性があるからだ。

  チャットボットAIの市場投入は、グーグルにとって非常にリスクが大きい。会社の議決権を支配する創業者でなければ、決断できなかったということだろう。(日経新聞 2023年2月10日 5:00)

編集後記

 株式投資の原則は『企業に惚れるな!』ですが…。一歩も二歩も引いて事に臨み、冷静沈着にしてデータ分析を行い、亀裂が大きくなる前に、早め早めの対処を為す。しかし、1~2社ぐらい、座右の銘からズレる投資があってもいいじゃないですか。

これなど、新型コロナワクチン騒動に類似・・・

 弱毒化した細菌やウィルスを健康体の人体へ注入する医療がワクチンの基になっています。これに対して猛烈に忌避する方も大勢いて、喧々諤々の議論が交わされ、結論が今でも出ていないのが現状です。
 しかし、今回の新型コロナのワクチン開発では米国政府を始め、各国政府の後押しもあって「口うるさいマズごみ」も同調、ファイザー社等を先陣にRNA操作でワクチン製造を成し遂げ、同ワクチン投与が世界で進みました。ある面、今回の対話型AI騒動は『倫理に反する概念を奥に引っ込めて、進軍ラッパを鳴らす』ような、今回の新型コロナワクチン騒動に似ている感じがしてなりません。掘り下げると、裏事情がザクザクと出てきそうな…。

「ケンカは相手の土俵で行うな、ひっぱり込め❗️」・・・

 古今東西、避けられない対決であれば受けて立つのが王道です。そして、何ごとも「相手の土俵で行うな(闘うな)」というのも定理です。更に、同時並行で相手の急所へ攻め込むことも兵法で常道ですから、グーグルは「パソコンOS」と「Office」の対抗品で攻勢をかけることでしょう。今般、棲み分けを超えて、マイクロソフトが攻め入って来たのです。先に仕掛けたのは奴らだ(ランボー)・・・。


2/12【番外編】グーグルを見捨てず、買い増しする事由...4