7/31 インサイダー取り引き、「虫の目」「鳥の目」「魚の目」「コウモリの目」
29日、配車サービスの滴滴(ディディ)グローバルADRの株価が「株式非公開化を検討している」との一部報道を受けて急伸しました。ウォッチしている方ならご存じの事でしよう。終値で11%高。一時20%急伸する場面もありました。
非公開化を検討というダウ・ジョーンズ通信の報道に対し、滴滴はソーシャルメディア「微博(ウェイボ)」の公式アカウント上で内容を否定しています。滴滴(ディディ)は6月30日にNY市場へ上場(IPO)したばかりです。
「虫の目」「鳥の目」「魚の目」「コウモリの目」
- 「虫の目(複眼)」とは、「近づいて360℃の角度から」物事を見る意味です。
- 「鳥の目」とは、「高い位置から」全体を見る意味です。
- 「魚の目」とは、「潮の満ち引き等を頭に入れて」流れを見る意味です。
- 「コウモリの目」とは、「視点や発想を逆の立場で」物事を見る意味です。
「インサイダー取り引き」とは
日米の場合、会社関係者(内部者)が、株価に影響を及ぼす未公表の情報を利用して、自社株等を売買することを言います。会社関係者の範疇には、許認可権を持っている政府関係者(公務員等)も該当します。ここで「日米の場合」と但し書きにしたのは、中国では不明だからです。
配車サービスの滴滴(ディディ)グローバルADRの場合
中国政府が、NY市場への上場前に事を荒立てないで、IPO後に「中国共産党当局の一部反対を押し切って上場を進めた報復措置」を行わなければいけなかったのか、です。「中国人民の個人情報が米国に漏れることを恐れた」等は後解釈で付け足しの言い訳です。要は、IPOで稼いだマネーを中国政府が分捕る(横取りする)ためだ。との噂が流れています。
公開後の株価が上に行こうが下を這いずりまくろうが、中国政府は知ったこっちゃありません。欧米の投資家が欲の皮を突っ張ってマネーを出したのですから、かっぱらうだけです。
中国資本の民間教育機関へ口先介入
これに味を占めた気奴らは、次はNY市場に上場している「中国資本の民間教育機関」に目を付けました。『資本主義に毒されるのは許されることではなく、非営利団体に移行するべし』の考えを政府の一部局から発せさせたのです。
ハイテク系だけではなく、「産業界全般に規制の枠を嵌める気がある」との疑惑が欧米に広がり、一気呵成に当該企業ADRだけではなく、他の中国資本企業ADRが暴落したのは記憶に新しいところです。回り巡って、上海市場や香港市場までこの嵐の渦に引っ張り込まれました。ここまでが第一幕です。そうそう、序幕としては「アリババへ3000億円を超える制裁金事件」があります。
誰が一番得をしたのか
真っ当に考えると、得をしたのは中国ADR株や本土中国株を空売りしていた者たち、そして、滴滴(ディディ)社の資本家です。資本家は、単に株数を記載してある紙切れ(株券)を刷って、数十倍のマネーをIPOで懐に入れたのですから...。もちろん、損をしたのは株券を買わされた投資家です。「ソフトバンクの評価損が4000億円以上発生」の報道もありましたし...。
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