9/08【思う処】日本流の『あらゆる措置を排除せず』は、世界に通用せず...
8日の午後、財務省で「臨時の会合」が開かれ、財務省の神田財務官、金融庁の中島長官、日銀の内田理事らが出席しました。
外国為替市場では、およそ24年ぶりのドル高/円安水準が続く中、対応を協議した模様です。終了後、財務省の神田財務官は「あらゆる措置を排除しない」と述べ、急速に円安が進む市場の動きを【強く牽制】しました。
144円台下落は為替投機ではなく、当然の成り行き・・・
外国為替市場では、およそ24年ぶりの円安水準が続いています。米国では、これから大幅な利上げを行うというのは「見方ではなく、決定事項」なので、常に日米の金利差が俎上に上り、円相場が1ドル=144円台後半へ下落したのです。何も、円を売りまくる投機筋による暴挙ではありません。
為替介入の効果なければ、万事休す・・・
会合は今年の6月以来、およそ3か月ぶりに開かれ、市場の動向と今後の対応策について意見を交わした模様です。その結果会見の内容が『あらゆる措置を排除しない』なのです。こんな曖昧な発言は【口先介入】としても世界に通用しません。
円買いの主体が現われるデメリットが生ずる?
「あらゆる措置」には為替介入も含まれていると思いますが、実施すれば「金利の付かないマイナス金利の円貨を高値で買う主体」が突如として現れるので、為替市場では「財務省の円買い介入」を逆に待ち望んでいるやもしれません。
その結果、万が一、円安進行の逆効果ともなれば当該財務官の出世も消え去り、諸外国へ出向となることでしょう。よって、効果を高めるには少なくとも、米国と歩調を併せて「ドル売り、円買い」を行うべきですが、米国がやすやすと乗って来るかどうか?・・・。
他通貨も安値に...
年初から昨日まで、対ドルで円は20%弱売られている他、スウェーデンクローナとポンドも14%超弱含んでいる。ドルがほぼ全面高なことで、『為替介入』で円安を止めるのは難しい....。
今こそ、日銀保有のETFを一部売却するチャンス・・・
思い切って円貨を上げるには、今こそ「日銀保有のETFを一部売却する」ことを提案します。国債売却で金融市場から円資金を吸い上げるので、日本株は当然下りますが、円高に反転する可能性も高く、少なくとも140円台から滑り落ちるでしょう。何にも増して、出口戦略を投資家に示せるわけですから、退任が近い黒田氏にとっても好都合です・・・。
米国から横やりが入ることは一切ない...
これなどは、米国から横やりが入ることは一切ないですし、出口戦略の開始なので相当にインパクトがありますから、これから「ドル買い/円売り」を仕掛け難くなります。
金融政策の健全化に向かう道筋を市場に示せるので、滅茶苦茶プラス面が多いです。この混乱時期のドサクサに紛れてやるべきです。黒田総裁がタッグを組んだ安倍氏は、既に鬼籍に入りました。アベノミクスの雄は最早、貴方しか残っていません。意を決して・・・。
日本国債の売却は、どうなの?...
ここまで日銀が日本国債を買い上げてしまったなら、どうもこうもないでしょう。国債は最長10年という償還期限があるので、償還期限まで保有し続けるしか方策がありません。今ここで途中売却に動くのなら、最初から日銀で国債を購入などしない筈です。
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