米国株 -『正しいものは美しい』

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5/4 執拗に「金利を引き上げる」米国、何もしないニッポン...

 2023年5月3日、米国の連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策を決める会合(FOMC)を開き、銀行破綻が相次ぐなかでも「0.25%の利上げを決定した」と発表しました。去年3月、ゼロ金利政策を解除して以降、FRBの利上げは10回連続となります。よくぞ、ここまで引き上げた!

これが、最後の「利上げ?」の可能性が強い...

 発表後の記者会見の席上で、パウエルFRB議長は「次回会合で利上げを一時停止する可能性もある」という認識もやんわりと示しました。これで『市場をなだめる算段』なのでしょうが、逆に会見内容がタカ派姿勢と解釈されて平均株価が下落するなど散々でした。


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インフレ抑制(景気悪化を厭わず)を最優先に・・・

 FRBは5月2日と3日、今年3回目の金融政策を決める会合(FOMC)を開きました。声明では相次いだ銀行破綻について「アメリカの銀行システムは健全だ」とした上で、「信用収縮が経済活動や雇用、インフレに影響を与えるだろうが、その程度は不確実だ」と指摘しています。しかし、市場は額面どおりに受け取っていません^^。


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次回のFOMC(6月13-14日)では、「金利の据え置き」を決議?

 一方、声明からは「今後も追加の金融引き締めが適切だと予想している」という文言がなくなり、次回の会合で利上げを一時停止することを示唆したものとみられています。
 この判断は今後の経済指標次第だとした上で、次回のFOMC会合で『利上げを一時停止する可能性もある』という認識を暗に示しています。

単なる、言葉遊びですが・・・

 責任ある方の発言には、慎重な言葉選びが欠かせません。例えば、次回のFOMCでは、大別すると次の5種類程の言葉(処置)から金融政策が選ばれることでしょう。細分化すると、もっと多様な表現(処置)もあると思いますが...。

  1. ① 利上げ停止
  2. ② 利上げ見送り
  3. ③ 利上げ一時停止
  4. ④ 金利据え置き
  5. ⑤ 金利水準を維持

年内に、一回の利下げも…

 引き下げは年内で実行確定ですが、回数や時期は不明です。秋以降、少なくとも一回の利下げ0.25%を実行して、米国は2024年の大統領選へ突入すると見ています。ダウ平均が4万ドル突破するか否か、2024年は大きな節目です。

地銀破綻、次は「パックウエスト・バンコープ」との報道...

 パックウエスト・バンコープ(PACW)に破綻懸念が強まり、「戦略的選択肢を検討」との報道が速報で流れました。これ、何のことやら「言葉明瞭なれど意味不明」です。よりによって、この日でなくてもいいのに・・・。強烈な鞘当てです。

  米地銀パックウェスト・バンコープは身売りを含めた一連の「戦略的選択肢を検討」していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。同業3行の破綻を受けて、パックウェストの経営が危ぶまれている。

  カリフォルニア州ビバリーヒルズに本社を置くパックウェストは、金融アドバイザーと協力し、会社分割あるいは増資も検討していると関係者らは匿名を条件に話した。(ブルムバーグ 2023年5月4日 6:01 JST)

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 株式市場終了後、破綻懸念の報道が広まったので、時間外取引では同銀行の株価は▼58.10%下落しています。もう、北斗の拳ではないですが、既に同行は詰んでいます。
 更に、この報道を受けた金融市場では、『債券買い(金利低下)、ドル売り円買い』が強く、リスク回避で反応して、ドル円は再び135円割れとなり、134円半ば下落幅を広げています。
 下段は、昨日付のブルムバーク報道です。昨日あたりから、パックウエスト・バンコープは狙われていたんですね・・・明日は、ウエスタン・アライアンス・バンコープでしょうか...? ここまで行くと、大騒動です!

  2日の米株式市場で地銀株が下落。パックウエスト・バンコープが一時42%安、ウエスタン・アライアンス・バンコープが一時27%安となり、他の銀行株にも売りが広がった。


  KBW銀行指数は一時5.6%安と、3月13日以来の大幅安。ウェルズ・ファーゴやシティグループ、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、ゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレー、JPモルガン・チェースの大手6行も安い。(ブルムバーグ 2023年5月3日 4:41 JST)

ウエスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)の株価も時間外で急落...

 ウエスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)の株価も、次のように市場閉鎖後の時間外取引で急落(▼22.62%)しています。何も知らない方も多いでしょうね。


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預金者が預金引き出しを止めれば、騒動は落ち着く...

 とにかく、今回の地銀騒動は、SNSを媒介主体にした「預金の引き出し」による信用不安ですから、リーマン投資銀行が倒産した時のような金融危機(銀行融資の危機)とは根本的に異なります。
 極論すれば、「預金者が預金引き出しを止めれば」、この騒動は落ち着くのです。金融当局は『預金は全額保護される』と言い切っているのですから・・・。

編集後記

 この利上げタイミングのこの時に、FRB議長の記者会見が終わるや否や、地銀パックウエスト・バンコープの「破綻報道」が流れるとは、さすがは米国です。万が一、日本でこんなことをマスコミがやったなら、記者クラブから追放(退所)され、情報が与えて貰えず『おまんまの食い上げ』となること間違いないでしょう。
 今や、「次に破綻する(させる)先は何処だ?」が、ヘッジファンド達の挨拶言葉になっているとのことです。まさに、SNS全盛期、マネーゲーム最先端に位置しています。


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