米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

5/31 短期投資家達は、こぞって「ハイテク株」へ逃げ込む...

 バイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長が27日、連邦政府の債務上限問題を巡って合意に至りました(今回の合意で、債務上限の効力は2025年1月まで停止する。合意案は31日にも下院で採決される見通し)。


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短期の投機資金が蠢く...

 依然、議会採決を控えていますが、米長期金利が急速に低下し、相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株へ、短期の投機資金が向かったようです。月替わりの6月半ばには、FOMCでの利上げも想定されているので「いざ、勝負!」・・・。

世界経済は、思いのほか悪化中・・・

 昨日、日経新聞は「景気減速にシグナル 銅2割安・米金利逆転・海運値崩れ」の特集記事を公開しました。

 市場で世界景気の減速を示唆するシグナルがともっている。中国の経済回復期待が鈍り、銅をはじめ主要商品が今年の高値から2〜3割下落した。


 米国では債券市場で景気悪化のサインとされる長短金利差の逆転が42年ぶりの長さを記録し、低迷する海運運賃は欧米の消費の弱さを反映する。


 米債務上限問題の進展など、先行きの楽観材料はあるものの、3つのシグナルは市場の根強い景気懸念を映し出す。(日経 2023年5月30日 19:47)

 銅が今年の高値から2割安、亜鉛が3割安、アルミニウムが2割安となって、値崩れが目立っています。特に、銅の使途先は幅広く、インフラや自動車、家電製品など裾野の広い産業で使用されています。そして、銅価格は企業景気・動向を「事前診断」するように先行します。

世界の銅需要の6割を占める中国経済の不振が続く...

 この原因は世界の銅需要の6割を占める中国経済の不振です。中国では建築用銅電線が銅の主要な消費先なのですが、しかし、1〜4月の不動産開発投資は前年同期比6.2%減少となっていて、依然として回復の兆しが見えないのです。


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中国のマンションの空き室が400万戸を突破?...

 新型コロナウイルス禍後の経済回復で投資が伸びると見込まれていましたが、銀行融資を含む「不動産開発会社の資金繰りが不安定」のため、新たな開発投資が低迷しているからに他なりません。中国では、マンションの空き室が400万戸超とも噂されていて、先行きがメチャ不透明です。ひょっとして、既に『詰んでいる』かも知れません・・・。

米国の逆イールドカーブ、226日間も続く....

 期間が短い米国債の利回りが、期間の長い米国債の利回りを上回る状態を「逆イールド」と呼びます。これは「景気後退のサイン点灯」とされています。
 満期まで2年の国債と10年の国債を比べると、逆イールドの状態が5月26日時点で226日間続いているのです。これは1981年以来、42年ぶりの珍現象です。


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 (中略)満期まで3カ月と10年の国債を比べると、5月上旬に利回り差が一時マイナス1.9%と42年ぶりのマイナス幅に広がった。

 この利回り差から米ニューヨーク連銀が算出する米国の景気後退確率は68%と、リーマン・ショックやIT(情報技術)バブルの直前を上回る。

 背景には米連邦準備理事会(FRB)によるインフレを抑え込むための金融引き締めが、景気を下押しするとの懸念がある。


 4月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比4.4%上昇で市場予想を上回るなど、インフレの粘着性が明らかになっている。FRBによる利上げ継続の思惑が強まり、逆イールドの長期化につながっている。(中略)

(日経 2023年5月30日 19:47)

コンテナ船市況、低迷が続く...

  • 欧米の小売りで積み上がった過剰在庫。
  • バルチック海運指数は、5月26日時点で年初来高値から約3割下回る。

 このようにみると、中国経済の弱さが露呈しています。これを覆い隠すように、米国株式市場では、AIを再び強く取り上げて半導体セクターをイチオシとして推奨するなど、大挙してハイテク株へ殺到しています。AIで収益を稼ぎ出せるのか、定かではありません。市場は、NEWワードとして「生産性」を取り上げ始めています。


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5月31日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は反落、3連休前の前週末と比べ50ドル56セント(0.2%)安の3万3042ドル78セントで終えました。バイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長が27日、ようやく「連邦政府の債務上限問題を巡って合意」に至ったのです。


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FRBは引き続き利上げの構えを示す...

 ただ、市場の一部には議会の承認を巡って慎重な見方も残り、ダウ平均の重荷となっています。造反の兆しが強く出ていて、予断を許さない状況です。更に、FRBは米利上げにご執心なので、「利上げが続けば景気を冷やす」との観測も、景気敏感株や消費関連株への売りにつながった模様です。

MYポートフォリオ

 ディフェンシブ銘柄、高配当銘柄もまとまって売られる状況です。短期志向の投資家達は、こぞってハイテク銘柄へ殺到(AIラリー)、半導体株と派生株を買いまくっているようです。短期で潰れるか、長く花開くのか、誰も分かりません・・・。


編集後記

 報道によると、財務省の神田財務官は5月30日、為替市場で円安が進んでいることを受け、「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要。過度な変動は好ましくない」、「為替市場の動向をしっかり注視し、必要があれば適切に対応していく考えに変わりはない」との認識を示した。


 財務省と金融庁、日本銀行は30日午後、国際金融資本市場に関する情報交換会合を行った。3者会合の開催は、今年2回目で3月以来となる。この時は経営破綻をきっかけに金融システム不安が高まっていた。


 神田財務官は、「足元の金融市場では、米国の債務上限問題や金融セクターの問題といったリスク要因が指摘されている」、「金融・為替市場の動向やわが国経済への影響を十分に注視する必要があるとの認識を政府・日本銀行と共有した」と述べた。


 市場参加者の間からは「三者会合が開かれたタイミングは1ドル=140円を超えた後であり、彼らが特定の相場水準を強く意識しているわけではないとしても、1ドル=140円を超えて円安が進行することを懸念している可能性は高い」との声が聞かれている。


 また、一部の市場参加者は「米6月利上げ観測が再燃しており、日米金融政策の方向性の違いが鮮明であること、日経平均が強い動きを見せていることから、リスク選好的な円売りは続く可能性がある」と指摘している。


 神田財務官は「140円といった個別レベルに対して特にコメントすることはない」、「会合の開催自体に円安けん制の意図は全くない」と述べたが、「必要があれば、あらゆるオプションを否定しない」との見方も伝えている。(2023年05月31日 4時51分 Powered by フィスコ)

 140円台を「円安の下限」としたかの会合です。米国の利上げに引きずり込まれると、日本の物価にも飛び火しかねないので「牽制」に他なりません。

使用予定の途切れた「私の投資資金」

 私事で恐縮ですが、大枚のいる買い物(不動産)をした後なので、MYポートフォリオ構成も乱れています。当面、差し迫った資金需要もないので『気楽な暮らしを満喫』します。


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