10/12 世界は米国主導で、脱グローバル化・閉鎖化へ向かう...
今ほど『半導体に逆風』が吹き荒れている時はありません。つい数カ月前には「半導体不足」が叫ばれていたのが嘘のようです。
需要は激減の様相を示す・・・
メモリーチップブームが止まり、ここ数カ月の価格下落を受け、サムスン電子やマイクロン・テクノロジーをはじめとする「半導体メモリーの世界大手」は厳しい業績見通しを発表しています。スマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)、データサーバーに搭載されるメモリーチップは、半導体業界の健全性を示すバロメーターです。
コロナ禍に好調だった需要は急速に衰えています。その根底には、米国主導で脱グローバル化・閉鎖化へ向かう、大きな流れが見え隠れしています。
想定外の不況風が吹いて来た...
これら企業の利益は、既に引き下げられていた予想額にすら届かない状況にあります。また、「供給過剰の悪化」を懸念して「生産能力を縮小する」と明らかにしているメーカーもあるぐらいです。
このことから、企業幹部や業界アナリスト達は価格の底入れ、あるいは下落が落ちつきを取り戻すのは、早くて来年半ば以降になるとみています。しかし、この時期は、JPモルガンCEOによると「米国経済の不況入り」時期と重なっているので、『しばらく、半導体業界の底入れはない』と見ておいた方がベターです。
急な企業業績の悪化が顕著...
企業業績の悪化も目立っています。米マイクロン・テクノロジーが9月末に発表した2022年6月~8月期決算は営業利益が前年同期比で49%減と大幅減益。AMDも6日に、2022年7月~9月期の売上高を従来の67億ドル程度から56億ドルに下方修正しました。
兎にも角にも、金利の引き上げに敏感過ぎる...
噂には聞いていましたが、ここまで金利の引き上げに弱いとは、ビックリ仰天!
但し、中長期的な需要が見込める製品に強い銘柄には株価に底堅さも見えます。例えば、 自動車向けのパワー半導体に強みを持つ米オン・セミコンダクターは21年末から9%安、日本のルネサスエレクトロニクスは13%安に止まっています。それでも結構、株価を下げているのに変わりはありませんが・・・。
更に、米バイデン政権が習近平共産党へ(最先端技術で)宣戦布告...
ロシアを絡めた安全保障をめぐる「米国と中国の対立」が、懸念材料として急浮上して来ています。米バイデン政権は7日、突然に半導体の先端技術の輸出に関する規制強化を発表しました。
スーパーコンピューターなどに必要な「先端半導体や半導体製造装置」を、中国に輸出する場合に『許可制を導入』し、懸念があれば『輸出を認めない方針』です。
今や、製造委託企業を巻き込んで大混乱の様相...
この措置によって、半導体技術の流通が一段と制限される可能性が高まっています。受託生産を手掛ける中国の中芯国際集成電路製造(SMIC)の株価は11日までの2日間で8%超下落、台湾のTSMCも11日に8%超下落、日本の東京エレクトロンも5%超下げる等、『規制強化の余波を懸念』した株売りが世界市場で広がっています。
注目は、13日のTSMC(台湾積体電路製造)の決算説明会...
TSMC社は、世界最大の半導体受託製造会社なだけに「来年度の設備投資を抑えるなどの方針を打ち出せば、世界中の半導体関連銘柄がもう一段の値下がりを演じる。」と、投資家は身構えています。
半導体銘柄の売りは、景気後退が迫るシグナルなのか?
産業のコメと言われて久しい半導体ですが、家電や自動車、通信機器をはじめ経済・社会の隅々まで浸透しています。その市況や株価の動向は、個人消費や企業の設備投資の動向をいち早く映す『景気の鏡』とも言われていることが、ここまで注目される所以なのです。
10月12日のトピックス
ダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに小幅に反発、前日比36ドル31セント高の2万9239ドル19セントで終えました。ナスダック総合株価指数も5日続落し、前日比115.91ポイント安の1万0426.19で終了しています。ナスダック総合株価指数は、連日で年初来安値を更新する低落です。
明日以降、物価指標の発表が相次ぐ・・・
12日以降、重要な物価指標の発表が続くので、投資家は様子見姿勢を強めていました。但し、短期的な戻り期待の買いを巻き込んで、ダウ平均は400ドルあまり上昇する場面もありましたが、『鬼の霍乱(おにのかくらん)』に終わり、取引終了に近づくに連れて、再び売りが強まった模様です。買い方への味方が、全く不在です。
ドル/円為替は、146円手前で足踏み...
WTI原油先物は、90ドル割れ...
フランスのパリでは、3/4のガソリンスタンドが給油(ガソリン)不足で開店休業との記事を読みました。なんだか、日本では伝え聞けない内容で、お国柄もあるのか、今のところ仏国の民は淡々としているようです。
MYポートフォリオ
全くの私事により、止むを得ず一般口座で保有していた「AT&T」3210株を全て売却しました。特定口座から一般口座へ払い出された「AT&T」3210株です。詳細は又、後日でも・・・。
編集後記
改めて「半導体銘柄」をピックアップしてみると、株価低迷に沈んでいるのに驚きます。頭の片隅には、昨年同時期の「半導体不足」がこびり付いているのです。
新車を諦めて、中古車を選択せざるを得ず...
私事で恐縮ですが、ちょうど昨年の今頃、トヨタ製シェンタハイブリッド車の新車手配がディーラー店で叶わず、遠方から回送費を負担してまで、我が家は高年式の同型中古車を購入したこともあって、「半導体品薄を忌々しく」思っていました。
ところが、お気に入りの「インテル(INTC)株の急落」に直面して、ここから辿っていくと、半導体企業の株価低迷が【出るわ、出るわ】で仰天です。1年前、半導体不足が解消するのは数年程かかると、報道されていたような気がしているんですが・・・。
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