3/10 米銀の信用問題が懸念され、銀行株・保険株は総売りへ...
銀行株が金融株、保険株を伴って平均株価の下げを主導しました。増資と有価証券の売却に伴う損失を突然に表明した「SVBファイナンシャル
成長企業向けに銀行業を営むSVBファイナンシャル<SIVB>が大幅安。12億5000万ドルの増資を発表した。同銀はまた、210億ドルの有価証券の売却で第1四半期に約18億ドルの税引き後の損失が発生することも明らかにした。
アナリストは、「バランスシートの再構築と資本増強により純利息収入が増加し、自己資本比率が上昇する。しかし、同銀のエコシステムは長期金利上昇や顧客の予想以上の現金消失の増加により、依然として厳しい状況にあることも明らかにしている」と述べている。(みんかぶ 23/3/10)
更に、SVBに関して、次のようなショッキングな記事も散見されます。もはや、一行で存続が可能なのか、発行債券に値段が付くのか...? 何かと考え過ぎてしまいます。
(中略)債券の損失は、銀行が保有している間は評価損失にすぎませんが、一旦売却されると、銀行の株主資本を永久に破滅させます。
Losses on bonds are only paper losses while a bank holds them, but once they are sold, the bank has permanently destroyed shareholder equity.
現在、ポートフォリオ損失は15億ドルを超えており、SVBの株式価値のほぼすべてを一掃するのに十分な額となっています。
Currently, losses in that portfolio exceed $15 billion, enough to wipe out almost all of SVB's equity.
これら全ての理由から、SVBは現在、12億5000万ドルの普通株式、プライベートエクイティ会社のゼネラルアトランティックからの5億ドルの私募、および5億ドルの強制転換優先株式を含む22億5000万ドルの新規資本を調達したいと考えています。
Because of all this, SVB now wants to raise $2.25 billion of fresh capital, which includes $1.25 billion of common stock, a $500 million private placement from the private equity firm General Atlantic, and $500 million of mandatory convertible preferred stock.
キャッシュバーンと預金残高が安定していることがより確実になるまで、株式から離れることをお勧めします。
I would recommend staying away from the stock until it is more certain that client cash burn and deposit balances have stabilized.
3月10日のトピックス
ダウ工業株30種平均は3日続落となりました。パターン的には上げる日なのですが、前日比543ドル安の3万2254ドルで終え、およそ4カ月ぶり安値に沈んでいます。ダウ平均株価の値下がりは3日連続で、下落幅は1100ドルを超えています。
ナスダック総合株価指数も反落し、前日比237.650ポイント(2.1%)安の1万1338.355で終えました。
『飛び込んて来たハエの如く』『毒を食らわば皿まで』・・・
朝方発表の雇用指標の悪化で、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げへの過度な警戒が和らぎ、高く始まったものの長続きしませんでした。
成長企業(シリコンバレー)向けの融資を手掛ける地銀の「SVBファイナンシャル・グループの経営懸念」も公になり、「傘下銀行の清算を決めたシルバーゲート・キャピタル」も大幅安へと続き、金利上昇で神経質になっているところに飛び込んて来たハエの如く、うっとうしい金融銘柄が下げを主導しました。
『毒を食らわば皿まで』の譬えもあることから、ここに大手銀行・保険株を巻き込んで、株式市場が全面安へと大きく傾き、投資家心理をモーレツに冷やしたのです。
(中略)SVBは米カリフォルニア州に本社を置き、シリコンバレーの成長企業向けに金融サービスを展開している。8日には資金調達と保有有価証券の売却を発表。
突然、財務体質の強化に向けて動いたことが「次の危機につながるかもしれないと市場を不安にさせた」(ボケ・キャピタルのフォレスト氏)とし、9日は株価が60%安と半値以下に暴落した。
(中略)折しも8日には暗号資産(仮想通貨)関連企業との取引が多い米シルバーゲート・キャピタルが傘下銀行を自主精算する意向を発表していた。9日には同社の株価が42%安と急落しており、独自のビジネスモデルを展開する金融機関に対する市場の疑いの目は厳しくなりやすかったのかもしれない。一部金融機関の問題にすぎないとの見方もあるが、金融株安は他にも波及し、米銀大手のJPモルガン・チェースも5%超下落した。(日経新聞 2023年3月10日 7:20)
2年物国債の利回り、前日比0.2%低い4.87%・・・
なお、金融政策の影響を受けやすい2年物国債の利回りは、何とか前日比0.2%低い4.87%で終えています。10年債が2年債の利回りを下回る「逆イールド」の幅は0.97%と前日(1.08%)から縮小しました。
明日発表、「2月の米雇用統計」を控えて・・・
ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想では、10日発表予定の「2月の米雇用統計」で、非農業部門の雇用者数は前月比22万5千人増、失業率は3.4%とのことです。
なお、市場スズメの間では、「インフレ再燃を示すデータが相次いでいることや7日にパウエル議長が議会証言で利上げペースを速める可能性に言及したことで、FRBは0.5%の利上げに傾くだろう」と見ています。
MYポートフォリオ
3日間のダウ平均の下落幅が1千ドル超となつたことで、個人投資家の大明神「ウォーレン・バフェット氏」率いる「バークシャー・ハザウェル株」25株を新規買いしています。なかなか300ドルを下回らない同株でしたが、今日306ドル付近まで値下がったことで決断しました。
編集後記
真っ逆さまの金融株。後日、反転して株価を戻す可能性もありますが、我々のような素人投資家は近寄らない事が賢明です。まっとうな企業の株価(値嵩株)が何の前触れもなく、対前日終値から60%超の下落へ転がり落ちるのですから、生息する世界が異なります。
それよりも、こんなことを全く知らずに、食事などを楽しんでいる「同株保有の個人投資家」が、米国には沢山いらっしゃることでしょう。お気の毒です...。
両行とも見事な右肩下がり株価チャート
下図のチャートは、「SVBファイナンシャル」の1年間の株価推移です。今日は週末の金曜日ですから、かったるい「資本の増資」どころではないのでは? 他の金融機関に対する預金者の取り付け騒ぎなど、大丈夫でしょうか?
下図のチャートは、「シルバーゲート・キャピタル
しかしまぁ、話が大きく伝わって直近になればなる程に、ハゲタカ達が猛然と集まって来ているのが、「取引出来高の増加」で見て取れます。
古今東西、ほんの些細なことで金融不安、銀行への疑心暗鬼が芽生えて増大し、更に「尾ひれ」がついて事態収拾が付き難くなるものです。債券・株式投資とは豈に恐ろしや!
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