米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

7/15 買い疲れの米市場、UNH株がダウ平均下落を止めた...

 3大株指数の内、ダウ工業株30種平均だけが前日終値を上回って終了。ナスダック総合株価指数やS&P500種株価指数は下落して終わりました。
 昨日、7月の利上げが最後となる観測気球が高く高く上げられて、皆が見上げる中で「ひとまず、買い上げた米国株」「一旦、売り株の買戻し清算」の両輪が米株を高値へ押し上げたのです。案の定、今日はところ変わって、ドル高へ転換し始め、再び長期金利も低下(利回り上昇)して、米株と原油先物も連れ安となりました。


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ようやく、決算相場に突入した米株市場・・・

 朝方発表の2023年4~6月期決算が好調だった「ヘルスケア株」や「金融株」を両輪として買いが広がり、ダウ平均を強く押し上げました。特に、ここ2日程売り対象となっていた値嵩株の「医療保険のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)」は7%高で終え、何と1銘柄でダウ平均を210ドルあまり押し上げています。
 決算内容としては売上高と1株利益が市場予想を上回り、通期の1株利益見通しを上方修正したことが好感されています。買い疲れもあって、下がる筈であったダウ工業株30種平均を、この(UNH)が支えたのです。

今週は経済指標発表が続き、買い疲れの極致となっていた・・・

 今週は、「6月の米消費者物価指数(CPI)」や「米地区連銀経済報告(ベージュブック)」、「6月の米卸売物価指数(PPI)」等の経済指標の発表が相次ぎ、7月FOMCに対する洞察や年内の利上げ動向に神経をすり減らして株取引を行った投資家が多数いたことでしょう。14日の金曜日で一旦これも終了して、土日の2日間は快い熟睡期間となります。

7月の消費者態度指数

 ミシガン大学が朝発表した「7月の消費者態度指数」が72.6と、市場予想(65.5)を上回り、2021年9月以来、1年10カ月ぶりの高水準となったことも「株買い」に向かわせました。何もかも、株買い扇動者にとっては好循環な環境となっています。しかし、買い疲れがピーク達したのも今日の特徴です。

7月15日のトピックス

  • ダウ工業株30種平均は5日続伸、前日比113ドル89セント(0.3%)高の3万4509ドル03セントと、昨年11月下旬以来およそ7カ月半ぶりの高値で終えました。ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)の株買戻しが支えた結果です。
  • ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落しています。前日比24.867ポイント(0.2%)安の1万4113.703で終えています。

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ハリウッド俳優組合がストへ突入・・・

 米国の俳優ら16万人が加入する米俳優組合(SAG─AFTRA)は14日、待遇改善や人工知能(AI)利用の規制などを求めストライキに入った。

 米国では全米脚本家組合(WGA)が5月2日からストを続けており、両組合が同時にストを決行するのは63年ぶり。規模が数十億ドルの米エンターテインメント界は新たな打撃を受けることになる。


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 この根底にあるのは、「AI」の登場であり、「CG」の技術進歩、そして「ストリーミング配信時代」の本格な到来によるものです。
 技術の粋を集めたハリウッド、待遇に差異が大きいこの職場であっても、集団交渉しか解決する糸口を見つけられなかった今回のストライキ。まさに、何処の職場でも見られる「技能労働者の悲劇と将来不安」に基づくものです。

MYポートフォリオ

 13日と14日の2日間、16株を買い込んだ値嵩株である「医療保険のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)」が、朝方の決算発表後に大きく株価を上伸(株価480.17ドル、+32.42ドル、+7.24%)させました。
 取引高は通常の3倍強である1千100万株へ膨らみ、ポートフォリオ上で100ドル程の評価マイナス額を400ドル超の評価プラス額に転換させました。下図は、本日の(UNH)株チャートです。


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 ここ数日間だけでも、(UNH)株は概ね1000万株超が売り込まれていたので、「踏み上げを喰らった売り方」は、慌てて買戻し・損切りさせられたことでしょう。


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編集後記

 将棋の最年少7冠、藤井聡太王位(竜王・名人・叡王・棋王・王将・棋聖=20)が佐々木大地七段(28)の挑戦を受ける、「伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦7番勝負第2局」が13、14の両日、有馬温泉(神戸市北区)の老舗旅館「中の坊瑞苑(ずいえん)」で行われ、後手の藤井が98手で勝ち、開幕2連勝とした。王位4連覇まであと2勝とした。

 ここ数カ月、藤井聡太7冠の将棋をみていると、一気呵成に王将を詰ます従来の攻撃的な将棋ではなく、盤上にジリジリと覆いかぶさるように「挑戦者の指す対応手を徐々に消し去る」手法を、取り始めているように思えてなりません。
 つまり、一度も『王手されていない』のにも拘わらず、『挑戦者が投了する敗戦』となったケースもありました。この場合など、敗者は考慮時間を残していることも多く、もはや打つ手のない状況へと追い込まれているのです。「20歳にして、既に刮目して相手を負かす手法」と云えば、チト言い過ぎですが...。


 今週もお疲れさまでした。ひと時の楽しい土日連休をお楽しみ下さいませ・・・。


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