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1/2 【素人の覚書】売却損益と配当にかかる税金について

 大概の証券会社では、年明けの1月4日、電子交付をされている方は取引先の証券会社から「特定口座年間取引報告書」が提供されてダウンロード可能な状況となります。そして、国税庁の確定申告WEBサイト(https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl)では、令和3年度の確定申告作成ソフトの利用が可能となり、ご自身で簡単に作成ができるようになります。損失が出ている年は税法に通じるとメリットを実感できてしまいます。

確定申告の確定申告の提出期間と期限前提出

 なお、確定申告の提出期間は、毎年2月16日~3月15日までの1か月間が原則です。2月16日・3月15日が土日祝日にあたる場合は、翌日が期限になります。しかし、これは個人事業者が対象(主に青色申告者)であり、貴方が給与所得者(源泉徴収されるサラリーマン)で、株式取り引きの申告(配当、譲渡)を主とする場合であれば、この期限前であってもOKです。

確定申告と年末調整の違い

 貴方が給与所得者(源泉徴収されるサラリーマン)なら、そしてまともな会社なら令和3年の最後の賃金支払い時に「年末調整」を行い、貴方に「令和3年源泉徴収票」を交付する筈です。令和3年の1年間を通じ税法に照らして、得た賃金に対する所得税(住民税は概ね半年遅れ)の過不足を確定します。会社がこれを行わないのなら、発行された源泉徴収票(年調未済)を基に、ご自分で国税庁の確定申告WEBサイト(【確定申告書等作成コーナー】-作成コーナートップ)で「確定申告」を行えばよいだけです。何も問題ありません。 
 税法はうまくできていて、大概の方は年末調整や確定申告を行うと支払い済みの所得税が戻ってくるようになっています。でなければ、誰も進んで税の申告などしません(この考えが間違っているんですが...)。

特定口座年間取引報告書

 証券口座を開設する時に、株式の売買で得た損益に対して「特定口座の源泉徴収あり(証券会社がその都度に税を源泉徴収する)」もしくは「特定口座の源泉徴収なし(年明け、あなた自身で税を確定する)」を選択されたはずです。大概の方は「源泉徴収あり」を選択されるのですが、ママに「なし」を選ぶ方もいらっしゃいます。但し、配当金に関してはいずれの場合であっても源泉徴収されます。1年を過ぎると、所属の証券会社が売買状況、配当支払い状況を確定して「特定口座年間取引報告書」を作成してくれるわけです。

損益通算と繰越控除という特例

 話せば長くなるので手短に済ませます。詳細はWEBで語句を検索してみて下さい。
 株式投資は売却益、配当や利子も所得として課税対象となります。FXや投資信託、債券が生み出す利益や損失もあります。これら金融商品の運用によって生じる利益・損失は互いに相殺することができるのです。これを「損益通算」と呼びます。
 次に、繰越控除ですが、赤字の確定申告をした年から3年間、この赤字額を次年以降へ繰越して、発生した利益から減額することができる制度を「繰越控除」と呼びます。例えば、令和3年に300万円の損失が発生したとします。令和4年に50万円の利益が出ても、繰越控除の効果で納税額が0円となります。そして、令和5年へ250万円を繰り越せる制度なのです。

20万円以下の利益は確定申告が不要

 『給与所得が2000万円以下で、20万円以下の利益を得た人は確定申告をしなくても良い。』という制度があります。噛み砕いて言いますと、売買差益や配当額が年間20万円以下であれば、非課税ではないですが「確定申告不要」、つまり『税の納付を求めない』という制度です(詳細は専門家に確認して下さい)。
 しかし、国は「特定口座の源泉徴収あり」で投資家が支払った税金は、何があっても返金しませんので注意しましょう(話はそれますが、数年前に発生したサッポロビール会社の発泡酒納税事件も然り...)。この場合、「特定口座の源泉徴収なし」の選択もありですが、配当は強制的に源泉徴収されているので、売買差益だけが対象となります(詳細は専門家に確認して下さい)。

株式取引にかかる税の取り扱い(バフェット氏)

 株式取引にかかる税の取り扱いは各国とも多岐に亘ります。2020年春先、新型コロナによる世界株式暴落で、バフェット氏が保有する米国航空会社株も急落、数千億円の損失を被り、さらに勇敢にも損失を確定した事件がありました。(余談ですが、バフェット氏が大損害を出してまで売却したから、米国政府が国内航空会社へ資金援助を行えたのです。保有したままであれば、賛否両論が渦巻いて流石のトランプ氏も決断できなかったでしょう。)
 その後、バフェット氏は株価が回復した他の優良保有銘柄を年内に逐次売却しました。ゴールドマンサックス株やコストコ株など、長年に亘り低株価から大事に保有していた銘柄をです。これは米国の損益通算システムを活用し、売却損益を相殺して納税額を0ドルに近づけるためです。なんともしっかり者の対応ですこと・・・。
 では、この辺で切りがありませんから、素人からの税の話は止めにします。税制のさわりだけでもかじっていただいて、興味を持っていただけたなら幸いです。


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