3/23【番外編】何故、私は「配当・分配」にこだわるのか?
今般、Myポートフォリオを見直し、【配当金・分配金】の受け取りを主目的として保有銘柄・ETFを組み替えました。組み替えにあたっては、利益が出ている銘柄・ETFの売却も積極的に行い、利益を出して税も支払って再投資を実行、結果として「初期投資額」を大きく増加させています。
配当・分配5万ドル +α が勝負の分かれ目
現状、概ね投資額90万ドルに対して配当予定額が5万1千500ドル、ETFを含んで保有銘柄に対する配当率を5.73%まで高めています。将来的に約束されていない配当率は、仮の姿であることも多々あります。
- 配当等の予想額(年額、現地通貨) $51,535.52
- 配当等の予想額(年額、円貨) 6,226,006円
- 配当等月額(税引き、円貨) 363,184円
- ドル/円為替 : 120.81円/ドル
今回、年5万ドルの配当額・分配額を下限ラインに設定して、ここからどれ程積み上げられるかが、勝負の分かれ目と認識しています。欲をかくようですが、【10%の上積みを安全域】として、ここまでの達成を目指している最中です。
「安全域」は次の2点の騒乱を予期しての事前準備の意味合いがあります。きついですが、自分自身に10%の上積みを課しました。
- 10%増しの5万5千ドルともなれば、突発的なことや構造不況が襲い、一部企業が減配や無配に陥ったとしても、5万ドルの受領維持は堅いと考えます。
- 更に、ドル/円為替の動向にも注意が必要。生活資金としての活用ともなれば、円貨に引き戻す必要があります。今、1ドル120円台を超えていますが、10パーセント程度の『円高』の時も想定しておかなくてはいけません。
【配当】
投資家から預かった資本金を基に企業が経済活動を行い、税の支払いを終えた企業の最終利益から支給されるのが配当金です。配当額は取締役会で決定され、米国企業の場合は年間4回の支給が一般的です。
株価を配当金で割ると【配当率】が求められます。巷では高配当率の企業一覧なるものが公開されています。配当王や配当貴族の名称で呼ばれる企業が米国では数多見られます。
ポートフォリオ再構築に取り組んだ主旨
FRBの利上げ宣言・引き上げを受けて市中金利が上昇すると、いろいろな懸念事項が擡げてきますので、これらを払拭する意味でポートフォリオ再構築に取り組みました。更に、テーパーリングも予定されていますから・・・。
大まかにはグロース系の比率を下げて、ディフェンシブ系の割合を増加させたことです。米国では数十年に亘り、生きながらえて来た企業も多く存在して目移りするぐらいでした。組み替えの主旨としては、次のとおりです。
- 成長率を誇る高PER銘柄(大概は無配銘柄)を組み込んだインディックスETFは、かつての上昇が望めなくなると判断したこと。
- 飽きられて捨て置かれる危険性まで想定できるので、ポートフォリオの主なETF売却を決断したこと。
- 上記の1~2の懸念から、再投資の資金確保として「配当金・分配金の受領」に舵を切ったこと。
- 成長性より堅実性、株価上昇率より配当・分配率に重きを置いて、「長期の株式市場停滞」に備えたこと。
- 【金融防衛】の名のもとに、次の米国株の成長時期まで、受け取る配当金と分配金で生活を繋ぐ戦略に切り替えたこと。
配当金・分配金を主眼として取り組む際の留意点
今、思い付く高配当銘柄・ETFの弱点は、次のとおりです。
- 株価・ETF価格の値上がりが、さほど見込めないこと。
- 将来の減配、配当・分配の支払い停止が可能性として想起されること。
- 配当・分配を受け取る毎に、税の支払いが生じること。
今、思い付く高配当銘柄・ETFの美点は、次のとおりです。
- 配当・分配の再投資で保有株式数の増加を計れること。
- 保有銘柄を売却することなく、定期的な収入源となること。
- 配当・分配が株価下落時の安全弁として働くこと。
配当・分配率から受け取れる配当・分配額
人には社会寿命がありますから、いつまでも二足、三足の草鞋を履き続けることなどできません。昨今、話題となっている「株式による永久年金」「FIREの源泉」を実現するには、株式配当・分配を積極的に活用することが最も近道です。
試に、配当率・分配率を4%と見積もると、米国株であれば現地課税10%、国内課税20%、合わせると30%の源泉徴収税が引かれるので、実質利回りは2.8%に下がります。
- 税引き後、手取り100万円を目指す場合、1,000,000円 ÷ 2.8% = 35,714,285円が元手として必要です。
- 税引き後、手取り150万円を目指す場合、1,500,000円 ÷ 2.8% = 53,571,428円が元手として必要です。
この種の計算式では、用いる配当・分配率で結果が大きく変動します。例えば、配当率を4.5%と見積もると、「1,000,000円 ÷ 3.15%(4.5%×70%) = 31,746,031円が元手として必要になる」といった具合です。その差は何と4百万円に拡大しますから、慎重に事を進めないと【後悔先に立たず】となります。
兎にも角にも、銘柄選定が重要
数多くの銘柄の中でも、全く配当金を支給しない優良企業もありますし、積極的に株主還元と銘打って気前よく支給する老舗企業もあります。いずれの企業の株式を保有するのかは投資家、あなたの裁量権に任されています。
- 米国株、取引終盤の上昇は「真の転換点」か「弱気相場での反発」か - Bloomberg
- 株式投資はインフレヘッジ手段-米国株上昇の新たな解釈に - Bloomberg
- 世界の債券相場、約2.6兆ドル失う-高値から11%安で過去最大の下落 - Bloomberg
永続する企業が、生涯に亘って我々に利益をもたらす
結論から申し上げると、『長い年月に亘って、コツコツと年ごとに増配を積み上げてくれる企業が、我々投資家にとって最も価値ある企業』となります。配当は毎年度一定額支給がベターですがベストではなく、毎年度増額するのがベストであり、優良企業なのです。何故なら、企業の成長あってこその株式投資ですから...。
配当王と配当貴族が我々を迎えてくれる
米国社会では、50年以上に亘り増配を連続して行っている企業を【配当王】、25年以上に亘り増配を連続して行っている企業を【配当貴族】と呼んでいます。以下、それぞれの上位20企業を載せますので参考にして下さい。全ての企業名はWEBで検索すればすぐにヒットします。*下線のある企業はMyポートフォリオの保有銘柄です。
【配当王】
- AWR アメリカン・ステイツ・ウォーター 67年連続(以下、同様)
- DOV ドーバー 66年
- NWN ノースウェスト・ナチュラル・ガス 65年
- PH パーカー・ハネフィン 65年
- GPC ジェニュイン・パーツ 65年
- PG プロクター・アンド・ギャンブル 65年
- EMR エマソン・エレクトリック 64年
- MMM スリーエム 63年
- CINF シンシナティ・ファイナンシャル 61年
- LANC ランカスター・コロニー 59年
- KO コカ・コーラ 59年
- LOW ロウズ 59年
- JNJ ジョンソン&ジョンソン 59年
- ITW イリノイ・ツール・ワークス 58年
- NDSN ノードソン 58年
- CL コルゲート・パルモリーブ 58年
- HRL ホーメル・フーズ 55年
- ABM エービーエム・インダストリーズ 54年
- TGT ターゲット 54年
- SJW エスジェイダブリュー・グループ 54年
【配当貴族】
- TNC テナントカンパニー 49年(以下、同様)
- KMB キンバリー・クラーク 49年
- BDX ベクトン・ディッキンソン 49年
- PEP ペプシコ 49年
- NUE ニューコア 48年
- SPGI S&Pグローバル 48年
- WMT ウォルマート・ストアズ 48年
- TCS コンテイナー・ストア・グループ 47年
- ED コンソリデーテッド・エジソン 47年
- RPM アールピーエム・インターナショナル 47年
- ADM アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド 46年
- MCD マクドナルド 46年
- MGEE エムジーイー・エナジー 46年
- ADP オートマティック・データ・プロセッシング 46年
- WBA ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス 46年
- UBSI ユナイテッド・バンクシェアーズ 46年
- RLI アールエルアイ 46年
- CSL カーライル 45年
- MDT メドトロニック 44年
- CLX クロロックス 44年
これら企業は、迷った時の強い味方となる...
銘柄選択に迷いが生じた時には、是非とも参考にしても間違いはありません。一口に50年と言うは易しですが、2世代、3世代に亘り、遥か彼方の長い月日がこれら企業を支えてきたのです。確率論からして、今後とも泡と共に消え去ること等、想定できません。
編集後記
今回は敢えて「ETF」を取り上げませんでしたが、昨今、分配金支払いに特化したETFが次々と日本の証券会社で取り扱いが可能になり、毎月払いで分配率が10%を超える猛者も現れて来ています。
ザックリと申し上げれば、ETFの値上がりを犠牲にしてでも、運営した結果で得た資金を投資家へ分配することだけに特化したETFです。例えば、コールオプション取引のカバードコールを用いたものが一般的ですが、よくもまぁ、考えつくものだと感心しています。もちろん、投資会社のプロ集団が運営を行うのですから「反対方向へのヘッジ対応」も兼ね備えています。
証券会社や投資会社が【売り方】*として創設した「コール・オプションとプット・オプション」。運営如何に拘わらず、実直に行うだけで確実に利益を得る仕組みとなっていることが判ります。*個人投資家が「売り方」として参加するのも自由です。
次は、Myポートフォリオで保有する銘柄を取り上げて、続く話を進めていければと考えています。では...。
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