米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

2/28 【考察】いよいよ、幕が切って落とされる日がやって来た…

 世界が新型コロナ禍で混迷している中、ロシア・プーチン大統領がウクライナへの侵攻を行い、世界情勢が混沌としています。国同士の争いには不幸な死がついて回り、既存物の破壊だけに止まらず、我々の思考をも変えてしまいます。

米国国防総省高官の談

 日経新聞によれば、同高官は「第二次世界大戦以来、このような形の国家対国家の戦争を見たことがない。我々の予想している展開になれば、多くの血が流れる。今後、長期間にわたり欧州の安全保障に重大な影響を与えるだろう」と語ったとあります。
 国際社会はロシアの侵攻と攻撃を止めさせるべく、さまざまな制裁をロシアに科しました。一例を挙げると、次のようなものです。

ロシアへの経済制裁

  • ロシアの一部の銀行を国際金融の決済網から排除する。
  • ロシア金融機関が海外に保有する資産を凍結する。
  • ロシア政府による新規ソブリン債の発行を禁止する。
  • ロシア企業への半導体輸出を規制する。
  • ロシア航空機の領空通過を禁止する。

土日の間に、各国からこのような制裁が次々と発表されています。

国際金融決済「SWIFT」からの排除

 発表された制裁の中でも、ロシアに最もダメージを与えると思われるのは、国際金融決済「SWIFT」からの排除です。これによって、ロシアは世界のドル体制社会から経済的に締め出されます。ロシア通貨ルーブルは売られて、いずれは【ルーブル通貨危機】が発生するのは間違いなく、長引くほどに世界経済は【混沌】とした闇へ落ちていくのは必定です。FRB議長もそれを憂慮する議会証言を行っています。
 と、このようにWEB報道では述べられていますが、読み解くカギとなるのは「ロシアの一部の銀行」という表現のくだりです。

ロシアの一部の銀行とは?

真っ先に思い付く解釈として、このように私は感じました。

  • 欧米にとって、ロシアと切っても切れない取り引きに関しては、「ロシアの一部の銀行以外の他の銀行」を通して行う。
  • 「一部の銀行を除外する」とは、除外する銀行の方が少ないことに他ならない。

 これは、ロシアと事前協議したものなのか、翻って「欧米のいいとこどり」にロシアが反発するのか、いずれにしても興味が尽きません。まさに、大国同士の腹の探り合いです。

尤も憂慮されるのは、ロシアの地下資源貿易

 世界の国々にとって対ロシア貿易で最も懸念されるのは、豊富なロシアの地下資源の原油、天然ガス、希少鉱物などです。ブルムバーグによると、バイデン大統領はロシア原油を制裁対象にしないと、次の如く述べたようです。

 ロシア産原油を標的にした制裁はプーチン大統領ではなく米国の消費者の痛手となるため、バイデン米政権はそのような制裁は行わない方針だ。米国務省の当局者が25日、明らかにした。(ロイター 2022年2月26日 4:35 JST)

原油取引だけを除外することが可能なのか?

 ロシアへ渡る決済資金に対して「タガをはめた」制裁を行うにもかかわらず、『特定商品の取り引きは除外する』とは、どの様に具体的な運営をするのか見てみたいと思うのは、私だけでしょうか? いつも言うように、お金には色が付いていませんから...。

結局は、原油と天然ガス価格が高騰する

 確実に言えることは、「原油と天然ガスの価格が高騰していく」ということです。今までの半分の量を供給するだけでも通常利益が転がり込み、産出量を減らせば減らすほど利益が上がり、敵対する消費国へダメージを与えることができます。暫くは、産油国優位となるは目に見えています。

「ロシア産天然ガス」のブーメラン

 欧州諸国へ跳ね返って来る最大の難敵は【ロシア産天然ガス】です。フランスのロシア産天然ガスの依存度は2021年時点で24%なのに対して、ドイツは49%、イタリアは46%と高く、ガス料金は高騰すること必須です。そして、今のところ代替えはありません。
 ちなみに、イタリアでは一般家庭の2カ月のガス代が、今や日本円で平均12万円を超えるとの報道を目にしました。ここから更に高騰するのですから、これは凄すぎます...。


我々個人投資は、どうすべきか?

混乱時こそが仕込むチャンス

 「失っても構わない資金など無い」のは自明の理ですが、混乱時こそが仕込むチャンスだという事は頭に入れておくべきです。近いところでは「2020年3月頃の新型コロナ禍騒動」があります。
 あの時、目を塞いで米国株を仕込んだ方は「以降に資産が爆上げ」したことでしょう。大きなリスクを取ったからこそ得た利益です。煽る訳ではないですが、儲けたいなら、数年ぶりのチャンスが到来したということ。動くことで「儲け」より「損」をしたくないなら、暫くは市場から遠ざかることです。

忘れていけない事は「一番利益を得る者は誰なのか」

 ここらで、最も大事な処世訓「一番利益を得る者は誰なのか」を紹介して、幕開けとなる激動の序曲紹介を終わりたいと思います。これからも、ウクライナ騒動と投資をテーマに持説を述べますので、興味ある方はチョクチョク覗いて下さい。

ロシアのウクライナ侵攻で一番利益を得る者は誰だ?

 ことの本質を見極めるには、ウォーレン・バフェット氏も言うが如く「自分で考える事」です。そのために、ものの見方を多様化することが大事ですから、主要メディアと意見を異にする主張にも耳を傾けてみましょう。次の報道をご紹介します。

編集後記

 あと、数時間後には東京株式市場が開きます。激動の土日が過ぎて週初めの本格的な金融市場の開幕です。一般的に、戦時・騒乱時は、戦場から離れれば離れる程、利益が転がり込むと言われています。古くは、第一次世界大戦時の日本であり、米国でした。国土が戦場とならずに産業が興隆して儲け一辺倒に邁進したのです。
 この例を紐解くと、今回のロシア・ウクライナ情勢はウクライナ一国に留まる限り、日本に影響が少なく、米国には多大な利益が転がり込む算段になります。もちろん、今、押し黙っている中国、インドも然りです。
 日中帯の日本市場、夕刻時間帯の欧州市場、夜間帯の米国市場と、今日一日は目が離せない、不謹慎ですが【今後の趨勢を決める一日】となることは間違いないでしょう。


2/28 いよいよ、幕が切って落とされる日がやって来た…