米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

4/16 止まるところを忘れた『円安』。126円台で推移…

  • 「1ドル=130円も視野に入る」
  • 「原油価格がさらに上がれば年間でも、経常赤字になる」
  • 「仕入れへの影響が非常に大きい。消費者心理は大きく変化している」

 との怨嗟の声が産業界から聞こえ始めました。しかし、日銀の黒田東彦総裁は「円安は日本経済にプラス」と苔の生えた声明を繰り返すのみです。
 ロイター通信は日本時間13日午後、「黒田日銀総裁は、緩和政策を誓う。輸入物価上昇の経済への打撃を懸念」と世界に配信しました。『誓う』という漢字をワザワザ充てている程、引くに引けない状況に陥っています。

ドル資産保有者の高笑い

 同じ株式保有であっても「円建て日本株」と「ドル建て米国株」とでは、月とスッポンの差が生じています。株価の上昇度が違うことはもちろんのこと、価格を構成する通貨体制が「ドル高、円安」となった今、円貨に引き戻すとタプル効果に近い資産増となって跳ね返っています。一言、これは日銀総裁のご英断のお陰です。

何も知らぬは、ドルを持たざる者のみ...

 具体例を見ていきましょう。現在、年始から3カ月と少し経過しています。昨年12月31日のドル/円終値が115.08円/ドルでしたから、今(126.45円)では11円強の「ドル高、円安」が出現しています。
 一例として、昨年12/31時点で、貴方が円からドルへ10万ドルを替えたとします。計算式10万ドル×115.08円 =1150万8千円が、10万ドル×126.45円 = 1264万5千円に今や姿形を変えて、保有しているだけで113万7千円の増加になっています。年利換算では概ね40%、これが円安効果です。あれもこれも、日銀総裁のご配慮の賜物です。

金利の引き上げが急務

 このブログでは、日本国内の金利を引き上げて為替を安定化させるのが先決であり、市中金利を引き上げても「赤字企業」以外は誰も新規融資など受けたくはなく、真っ当な企業は潤沢な資金を既に持っています。このあたりで、債務超過となっているゾンビ企業の整理・淘汰を是非とも断行すべき。と何度も申し上げています。
 それよりも、預金者の銀行預け入れ金利が少しでも上がれば、消費へお金も回り易く、値上げ耐性も維持・拡大されます。7千~8千万円の高額住宅ローンを組み「いつ核ミサイルが飛んでくるかもしれない」首都圏マンションを購入する、最も恩恵を受けている無謀な個人も減ることでしょう。行きつく先は正常な金利水準に戻すことで、マンション・地価の高騰、職人賃金の上昇も止まります。

CTA系、グローバルマクロ系のヘッジファンド参入

 円安を仕掛けているのは海外の投機集団で、次の事由などで正にやりたい放題です。日本の個人FX投資家は、初期段階の逆張り投資で見込みを大きく外して大損を計上、今や休止状態になっています。
 130円に一旦タッチすると、下落は取り敢えず止まることでしょう。次は、逆つるべ落としが始まり、125円台へ戻って来る予感がしています。

  1. 日銀は「永遠のハト派」と舐められている事
  2. 円安覚悟で「連続指し値オペ」という名の金利抑え込み策を講じている事
  3. 米国はウクライナ戦争とインフレ対応に余儀なくされて、構っていられない事
  4. 米国はロシア・中国に対して日米の内輪もめを避けるため、言動を控えている事

5月~6月米連邦公開市場委員会で0.5%幅の連続利上げ?

 この傾向は少なくとも「5月末頃までは続く」と見ています。130円台が出現するとなると、円換算値で保有するドル建て株式資産額が大きく増加するので、保有株式を一旦売却して円貨に換えることを「本気モード」で検討し始めなくてはいけなくなって来ます。

株価の上げ下げが吹き飛ぶ...

 次の私のポートフォリオでは、1円の円安で概ね100万円の評価益が生じますから、居ながらにして手持ち現預金が増え続けるのです。こうなりゃ、米国市場での株価の上げ下げなど吹っ飛びます。

配当金・分配金へシフト

 今年に入って、「値上がり益重視」から「配当金・分配金の受け取り重視」にポートフォリオ構成を組み替えたことで、今や5万9千5百ドル近い配当金・分配金(年間、税込み)を受け取れるようになりました。そして、昨今の円安効果でとてつもなく手持ち資産が増え続けているのです。次週には、6万ドル突破となる計画を遂行中です。


日本株の動向

 従前から「円安になれば日本株が上昇」すると見られていましたが、ここ数カ月はその動きが止まっているかのようです。それだけ「日本経済が弱って来ている」ので、投資先としては不向きなのでしょう。

生き残りは、メガバンクとメガ損保

 ドル資産を売却して「高配当の日本株へ投資先を移すこと」も面白いかなと...。日本株の中で最後まで生き残るのは、『人員と店舗削減を急激に進めているメガバンク』と『保険好きな日本人を取り込んでいるメガ損保』の両雄と睨んでいます。あぁ、平均寿命が延びていることで『生保』も仲間に入れましょう。これら企業は円安効果もあって海外保有資産が膨張しています。今も、これからも...。
 贅沢な悩みは尽きませんが、労働適齢人口が減少する、高度化された日本のような社会では、金融セクター以外、世界で覇を競える企業が生き残る道は厳しそうです。

新型コロナの逆襲が始まる?

 最も不気味な動きは【新型コロナ】でしょう。今や、肺をやられる重症者が減ったことで「単なる風邪扱い」報道に靡いています。しかし、中国のロックダウン対応を見ても判るように、彼ら中国人は感染拡大阻止へ真剣に取り組んでいます。

何故、今更この時期に…

 日本でこの種の中国の対応を見聞きする度に、『何故、今更この時期に…』『やり過ぎなのでは…』の疑問点が湧き出てきます。新型コロナの本家本元であり、何より名誉を重んじる中国が、2年前の感染者根絶策を再び持ち出して、社会活動を停止させているのです。
 米国ファイザー社から治療薬を購入するなど、脇目も振らず、人目を憚らず、猛進する中国の姿を見せられると、「我々日本は、何かを忘れているのではないだろうか? 知らない何かがあるのではないか?」と自問自答する始末です。考え過ぎならよいのですが、これから解禁本番に向かう日本。何とも不気味です。

目を見開くリンク集

編集後記

4/15夜半からの米国市場は休場、3連休となります。一足早く、ゆっくり休んで下さい。

未来予測

 私のお気に入りの1人である、未来予測のプロフェッショナル【鈴木 貴博 (すずき たかひろ)】氏の記事を紹介します。次の項目が先の大戦前の世相に似通っているとの懸念を挙げられています。興味ある方はどうぞ…。

  1. イギリスのチェンバレン首相という理想主義者がドイツの世界侵攻を抑えるキーマンになっているという状況が、ロシアの侵攻に対峙するアメリカのバイデン大統領の態度と類似している
  2. 「欧州情勢は複雑怪奇」とまで言われたドイツにとっての抜け道が、ロシアにも残されている
  3. アジアで当時日本が欧米各国から受けていた制裁内容が、現在のロシア制裁と酷似している

 次に、主要マスコミに飽きられた『新型コロナ』に関する、これから日本で懸念される事柄についての記事を紹介します。興味ある方はどうぞ…。

  1. コロナ禍でみんながマスク、手洗い、消毒、公共の場では黙るといった新しい生活様式を始めた結果、インフルエンザの流行は、ほぼほぼゼロになりました。
  2. 一方で、2022年のオミクロン株の流行は、インフルエンザがゼロになるような環境でも440万人の患者を出し1万人の死者を出しているのです。
  3. では今、現在進行形で起きているように「オミクロン株はそれほど危険ではない」と考える人たちが増加すると何が起きるのでしょうか? これから起きることは、2022年の日本経済の「どんより化」です。

4/16 止まるところを忘れた『円安』。126円台で推移…