9/07【速報】連日の最安値更新、1ドル=144円台突入...
現在、東京外国為替市場の円相場は、対ドルで1ドル=144円台に突入するなど、24年振りの安値に沈んでいます。性根の入っていない「政府高官の談話」では止めようもなく、投機筋の好き放題が続いています。よってたかって、お祭り状態です。
松野博一官房長官の談話
7日午前、進む円安について「急速で一方的な動きが継続する場合には必要な対応を取りたい」と述べました。「最近の為替市場では急速で一方的な動きが見られ、憂慮している」とした上で、「高い緊張感を持って注視する」としました。
鈴木俊一財務相の談話
「最近の動きはやや急速で一方的な動きだ」と述べたと、共同通信が報道しています。「強い関心を持たなければならない」とも発言したようですが、気合が足りません・・・。
大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト
財務省も日銀も今の局面は明らかにドル高で、円要因ではないと言い張っているだろうとした上で、「そうであれば、為替介入も日銀自体も何か変えないと、という危機感は残念ながらない」との見方を示しました。
三菱UFJ銀行の井野鉄兵チーフアナリスト
「口先介入としては少し一歩踏み込んだが、踏み込みが甘いという評価になっているかもしれない」と指摘。為替介入の有無が焦点になっており、「表現の機微よりも、3者会合といった実際的な動きの方が重要になっている」と述べています。
その他、市場スズメのつぶやき・・・
「円安は日銀の危機的状況だとは、みられていないだろう」とし、「円相場の鍵は米金利であり、米金利の鍵はインフレだ」と断言。更に、日米金利差が拡大する可能性が高いため、「円が1ドル=150円になっても驚かない」と締めました。
円貨の年間下落率
円相場の対ドルでの年初来下落率が、変動相場制が導入された1973年以降の年間下落率との比較で、現時点で過去最大を付けています。円貨は9月7日時点で「年初来の対ドル下落率が一時20.1%」と、1979年に記録した年間下落率の19.16%を超えました。
(参考)過去の為替介入
編集後記
市場関係者の見方としては、次のようなショートトークが目に付きます。
- 春時期と比べると、円安警戒トーンが弱いので「円売り安心感」が出ている。
- 投機筋の円ショートポジションも、まだ極端には積み上がっていない状況である。
- 米金融政策はこれからが本番、現在2.5%とされている米中立金利は、今次利上げ局面の最終到達地点は4.5~4.75%まで上がる可能性がある。
- ドル・円相場は中立金利の引き上げに合わせて1ドル=150円を超えたオーバーシュートの局面に入るだろう。
- ドルがピークを付けたと宣言するには、まだ早過ぎる。
- 実質賃金が上昇するまで、日銀が金融政策に踏み込まないとした上では、1ドル=150円になる可能性もある。
電話聞き取りでもあるので、好き勝手に話しています。しかし、このような時は一概、本音トークであったりもします。
仕組債に組み込まれている「ノックアウトトリガー」の存在...
「仕組債のノックアウトトリガーが144.00円から145.00円に控えている」との報道がありました。この思惑からドル買い、円売りが強まっているとの観測が出ています。
仕組債では、事前に設定されている「ノックアウトトリガー値」を、一瞬でも超えてしまうと、その段階でTHE ENDです。
「仕組債」では、あり得ない事が起りやすい...
仕組債は、「一般的な債券」に「デリバティブ」を組み込んだ債券のことで、それぞれの仕組債に組み込まれている条件で対応が異なります。
一般的にノックアウトトリガー値を一瞬でも超えてしまうと、『お金の出し手(個人)が損をして、お金の借り手(企業)が得をする』のが仕組債の基本です。もちろん、元本割れや早期償還となる仕組債もあるでしょう・・・。
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