米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

9/07 止まらない『独歩の円安』と『米株の値下がり』...

 5日の米国祝日「Labor Day」明けの金融市場では、ドル買い・円売り(ユーロ売り)、米10年物債券売り(利回り上昇)が強く見られ、まさに、トレンドの始まりでした。

ドル買い・円売り(ユーロ売り)

 昨日、午後3時を回ったあたりから投機筋と思われる「円売り」が強力に見られました。発端はオーストラリア中銀の金利引き上げです。
 「円」には全く影響ないのですが、あの小国オーストラリアですらインフレ対策・物価高抑制のために、市中金利を引き上げて自国通貨の防衛を図っているのです。それと、オーストラリアドルが安過ぎると、不法な中国人たちが乗り込んで来ますから...。


2022/09/06-07ドル/円チャート


 このような対応などは、通貨当局の基本中の基本です。しかし、この対極に日本国・日本銀行のボジジョンがありますので、違いが大きく際立って来るのです。
 日本時間の深夜帯、我々の与かり知らぬ処で一気の円売り・ドル買いが始まり、ニューヨーク市場ではご承知のように143円台へ下落したのです。

米10年物債券売り(利回り上昇)

 強ければ0.75%、普通でも0.5%の利上げが確実視される9月。この0.25%差に命を懸ける強者どもの戦いがあります。「債券売り+ドル買い」の組み合わせ一本で勝負するのが今のトレンドです。
 もう暫くは、この線で押すことでしょうが、片隅では『0.75%なんて、とてもとても、0.50%が精一杯…』とふれまくるグループもあって、混沌としています。

2022/09/06-07の10年米債券チャート

今後の展開予測・・・

 円安に関しては、一度は145円/ドル台へタッチすることが最低条件でしょう。達成感を得た後は、その場の流れに乗るだけで「円高への急反転はない」と見ています。なお、米国長期金利の動向は海の向こうの話なので、さっぱり判りません。

日本の政策変更には、「責任者のすげ替え」が必要・・・

 今さら、日銀が運用基準とする長期金利(〜0.25%)を動かすことはできません。どうしてもこの判断基準を動かしたいなら、黒田総裁の辞任とセットになります。
 本来は、責任の所在を明確にする必要があるので、『クビ』に相当します。しかし、情に厚い日本では「解任(クビ)は、場に馴染まない」ので、やはり「自発的な辞任」となることでしょう。


政府の財政赤字を骨抜きにするためにも...

 官僚はしたたかなので「そうは問屋が卸さない」のが明白です。よって、このまま誰も責任を取らず、貯まりまくった財政赤字を骨抜きにする(通貨価値を毀損させる)ためにも、ズルズルと【円の一人独歩安】を継続させます。黒田氏一人に責任を押し付けて・・・。

好き勝手に、「住民税非課税世帯に5万円給付」...

 日本でも物価高が10月以降に必ずやって来ますので、自民党政権は公明党・支持者を「よいしょ」するためにも、『住民税非課税世帯に5万円給付』を必ずやり遂げます。衆愚政治とはそのようなものです。

9月7日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は続落、前営業日の2日に比べて173ドル14セント(0.6%)安の3万1145ドル30セントで終えています。ナスダック総合株価指数は7日続落、前営業日に比べ比85.956ポイント(0.7%)安の1万1544.909で終了しました。



 米連邦準備理事会(FRB)を含む世界の主要中央銀行による積極利上げへの警戒感が相場の重荷だった。米長期金利が3カ月ぶりの水準に上昇、長期金利上昇時に売られやすいハイテク株を中心に下げました。

8月の非製造業景況感指数

 8月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が56.9と市場予想(55.5)を上回りました。これで、米景気の足元の底堅さが再確認され、FRBの金融引き締めが長期化するとの観測が改めて意識されています。好調な米国の経済指標が発表されると、米国株価が下がるのです。訳わかんないですが、これが現実なのです。

今週、欧州中央銀行(ECB)とカナダ銀行が金利引き上げ...

 世界の他の主要中銀も相次ぎ利上げに動いています。6日はオーストラリア準備銀行が0.5%の利上げを決めています。今週は、欧州中央銀行(ECB)とカナダ銀行も利上げを決めると見られています。

MYポートフォリオ

 本日付で、新たなETF「GLX Russell 2000 カバードコール ETF(RYLD)」をポートフォリオへ追加し、100株超を新規購入しました。暫くは、ポートフォリオ内で買い増しを続ける予定にしています。

Russell 2000とは?

 ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している銘柄のうち、時価総額が上位1001位から3000位までの銘柄の「浮動株調整後の時価総額加重平均型の株価指数」です。米国の小型株ファンドのほとんどがベンチマークとして採用しています。

Russell 2000 カバードコール ETF(RYLD)とは?

 正式名称 Global X Russell 2000 Covered Call ETF で、米国に上場する企業の時価総額上位1,001〜3,000位で構成されるRussell2000指数にカバード・コールという戦略を用いて運用されているETFです。毎月分配型で経費率0.60%、年間の分配予定利率は14%を超えています。更に今、52週最安値を更新中です。


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編集後記

 静岡県で、3歳の園児が「締め切った送迎バス内に放置」され、熱中症による死亡が発表されました。昨年に続くあってはならない、不幸な人的事故です。

再び、最悪の事故が起こった!!

 どのような「作業マニュアル」でも、過誤があれば次の工程で必ず露見する、次の工程へ引き継がない工夫が施されています。組織として運営されていた当該幼稚園も、当然、作業マニュアルが導入されていたことでしょう。しかし、再び最悪の事故が起こった!!

蟻の一穴天下の破れ(ありのいっけつてんかのやぶれ)

 「作業マニュアル」にも『蟻の一穴』が生じることがあります。どんなに巨大な組織でも、些細な事が原因で、組織全体を揺るがすような深刻・致命的な事態に至る場合があるのです。その原因の元は決まって【作業者がマニュアルを遵守しない】ことに行き着きます。

「宮大工に手順書(マニュアル)はいらない」と言い放った元上司...

 私事ですが、平成10年頃に社内で統一手順書作成のプロジェクトが立ち上がり、某帝大医学部卒の元上司は形式ばった議論の渦の中でブチ切れ、『技を極めた宮大工に、手順書(マニュアル)はいらない』と言い放って、干されてしまったことを思い出しました。
 手順書(マニュアル)は、個人商店には不要でも、組織運営では必須です。今回、送迎バスに同乗していた方の年齢に対してとやかく言うつもりはないですが、「宮大工etc...」と言い放った元上司と何故かダブったもので・・・。

弱り目に祟り目


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