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2/21 【番外編】年金の繰り上げ受給(支給)を検討してみる...

 *この頁は、『2/20 【番外】配当金・分配金の増加推移の記録... 』の続編となります。


 お分かりのように、分配金等の受領と年金受給をセットで手にすると、世間を騒がしている老後問題など何処かへ完全に吹き飛んでしまいます。ここで、日本の年金(国民年金と厚生年金)について、少しだけ紹介して終わりとします。

年金の繰上げ受給

 厚生年金と国民年金をセットで、60歳から【繰り上げ受給】できることはご存じかと思います。真っ当な受給は65歳からですが、受給資格が整い、本人が希望すれば、これら年金を繰り上げて受け取ることができます。
 但し、年間の給与・事業収入等の多寡によって、繰り上げ支給が制限される、あるいは停止となることがあります。収入区分毎に分離課税の選択ができるなら、これを選択しておけばフリーになることも…。
 なお、厚生年金と国民年金の支給に関する詳細は、最寄りの年金事務所(旧社会保険事務所)へ問い合わせると教えてくれます。住民税に関しては市町村の市民税担当課、国税に関しては最寄りの税務署へ問い合わせることです。独りよがりは危険です。必ず、確認の上にも確認して進みましょう。

繰上げ受給の損益分岐点の年齢

 繰り上げを行う場合、最も気になることは損得分岐点でしょう。これには、次のサイトが参考になります。ザックリと一覧表にすると、次のとおりです。年金受給開始後、20年が一応の分岐点です。

  • 受給開始年齢 / 損益分岐年齢
  • 60歳 / 80歳未満
  • 61歳 / 81歳未満
  • 62歳 / 82歳未満
  • 63歳 / 83歳未満
  • 64歳 / 84歳未満

健康に自信があれば、繰り下げ受給も...

 健康に自信があって、極力、税金と社会保険料を支払いたくない方は【〜70歳までの繰り下げ受給】も選択できます。この制度は高利率で元金が大幅に増えますが、この場合でも増加するのは自分年金だけで、死亡した場合の遺族年金支給の基礎ベースは、65歳時の基本額がベースになります。

繰上げ受給の減額率と損益分岐点の計算例

 繰上げ受給:0.4%×繰上げた月数年金が一生減額(2022年4月以降に適用。但し、昭和37年4月2日以後生まれの人が対象で、これ以前の方は0.5%となります。事由は厚生年金特別支給の「適用がある、なし」の年代と思われます)され続けます。将来、年金額の増減改定があった時でも、この減額率が適用されてしまいます。

  • 例)65歳→60歳に繰上げ受給
  • 12ヶ月×5年=60 0.4%×60=24%減額
  • 国民年金額(2021年度)満額 780,900×(-24%)=593,484円
  • 5年繰上げ受給すると上記の金額になります。

結論

 変な言い方ですが、繰り上げ受給後、20年未満の生存しか自信がない方なら受給すれば【お得】です。死んでしまうと、自分年金は消滅して、遺族年金に切り替わるので・・・。少しでも身体が動きやすい若くて健康な時にこそ、お金を使う楽しみがあるし…。ここんとこは判断が難しいです。
 なお、余談ながら、繰り上げ受給していた方の遺族へ渡る遺族年金は、減額されることはありません。65歳時の基本額がベースになります。

編集後記

 今、巷で話題になっているのは、敢えて【住民税非課税世帯】となるために、年金の繰り上げ受給を選択する猛者がいるとのことです。株式配当・分配、株式譲渡から得る利益を「特定口座の源泉あり」+「分離課税」で納税を済ませ、確定申告を一切行わず、市町村へ回る株関連の収入情報を非公開にします。これはこれで合法なのです。
 将来に亘って緻密な計算が必要ですが、ご承知のように「住民税非課税世帯」になると何かと便宜が図られます。一例としては、月々の国民保険料や介護保険料が低額で済んだり、医療費の自己負担額が大幅に引き下げられるメリットがあります。言わば、「年金収入を表の顔、配当金等収入を裏の顔」として暮らしていくという事なのでしょう。これはこれで一つの考え方なので、他人がどうのこうのとコメントできません・・・。

2/21 【番外編】年金の繰り上げ受給(支給)を検討してみる...