米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

6/17 金利を引き上げれば、株式市場の下落は必然・・・

 今日のNY株式市場の下落は、特に驚くには値しません。昨日、0.75%の金利引き上げを決めたので、株式市場は至極当然の反応を示しただけです。何故なら、この世の中の出来事は全て『金利で決まっている』からに他なりません。
 市中金利が上がると、リスクを負う投資家が借りている資金の金利負担が増すだけではなく、株式市場にあるオプション類や先物価格の「スプレッド(相場の値段の開き、価格差、金利差)」にも大きな影響を与えます。

金利引き上げ = 投資家利益の減少

 金利が引き上げられると、このスプレッドの開きが大きくなり、リスクを取る投資家にとっては取り引きに要する費用負担が増すのです(但し、金利増の恩恵を受ける投資家も存在します)。このように、至る処に影響を及ぼしているのが【金利】と呼ばれるものです。

金利引き上げ分は誰の利益へ?

 引き上げられた金利の利益分は、お金の出し手に転がり込みます。昔流に言うと【貸元】が独り占めするのです。但し、金利引き上げによって、取り引きが低調になるとお金の回りが悪くなるので、総利益は減少するのが常です。我々の最も身近な貸元は銀行、証券会社です。特に銀行はマネー創造の源で、『無から有を創造することで、利益を得る企業集団』と定義できます。

何事も元凶から断たないとダメ

 株式の下落を止めるには、金利の引き上げを停止することです。物価を抑制するために金利を引き上げているので、物価高騰の「元凶」を根絶やしにしないと、この悪循環は止めようがありません。考えられる「元凶」の最たるものは、ロシアのウクライナ侵攻に伴って西側諸国がロシアに課した【経済制裁】そのものです。これが周り回って、西側陣営を苦しめているのです。

経済制裁を続けると、価値観が大きく変わる

 【経済制裁】を解除しない事には物価の平穏化もなく、金利引き上げが延々と続きます。唯一、逃れる術としては『意図的に、世界不況を招くこと』ぐらいです。まぁ、不況突入を無視して金利の引き上げに突き進むと、世界の株式市場では【マネー縮小による大暴落】が自然発生的に起り、世の中の価値観が一変することでしょう。

世界大恐慌で幕が開き、世界大戦で幕を閉じる...

 【最悪のシナリオ】これはあたかも、1929年10月、ニューヨークで発生した『世界大恐慌』の再来です。そして、第三次世界大戦勃発で既存物を破壊し尽くして世界の景気はようやく戻るのですが、我々の金融資産は吹き飛び、電子機器の音信は途絶え、地下資源と食料、そして人口を有する特定国が支配する地球へと変わっていることでしょう。

6月17日トピックス

 ダウ工業株30種平均は大幅に反落し、前日比741ドル46セント(2.4%)安の2万9927ドル07セントで終了しました。2020年12月以来の安値です。FRBが0.75%の利上げを決めたことで、景気後退の警戒が強まり、幅広い銘柄が売られた模様です。

3大株価指数はもちろん下落...

 ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落、前日比453.056ポイント(4.1%)安の1万0646.099で終えました。S&P500種株価指数も反落し、終値は前日比123.22ポイント(3.3%)安の3666.77でした。共に年初来安値を更新しています。朝方発表の5月の住宅着工件数が前月比14.4%減と、大幅に落ち込んだのも景気懸念を招いた一因と思われます。


何と、欧州も金利を引き上げ!!

 16日はスイスと英国の中央銀行が相次ぎ利上げを発表し、来月には欧州中央銀行(ECB)も利上げを決める見通しで、欧米中銀の金融引き締めが世界景気を冷やすとの見方が台頭しています。絶対的なエネルギー不足の時に市中金利を引き上げると、どのように社会が応答するのか、今や「欧州連合(EU)は壮大な実験場」になってしまいました。北海油田を有する英国の高笑いが聞こえて来ます。

大自然も金利引き上げに便乗して、暴れまくっているが如くです。

米住宅ローン金利、5.78%に急上昇

 米住宅ローン金利が13年余ぶりの高水準に達した模様です。連邦準備制度理事会(FRB)のインフレ対策が個人生活の要の住宅ローン分野にも波及しています。連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は16日、30年物固定金利が5.78%と2008年11月以来の高水準に上昇したことを明らかにしました。
 フレディマックが先週公表した平均住宅ローン金利の5.23%から跳ね上がり、今年初めごろの3.11%を大きく上回る水準に達しています。更に、6%以上の見積もりを出した金融機関も、今週から出始めています。こりゃ、秋の中間選挙で民主党は大苦戦必至でしょうね。

MYポートフォリオ

 本日付でポートフォリオ全体の評価益が吹っ飛び、新型コロナパニック時以降、久々のマイナス圏へ突入しています。ダウ平均3万円前後が分水嶺と見ていたので、概ね正しい評価でした。ダウ平均値が52週最高値 36,952.65ドルから、20%近く下がるとさすがに厳しいですね。

下落スピードが想定より早い

 今や、株価下落が本格的に始まったようです。このような時を想定して、年始からポートフォリオの組み替えを実施して、配当金・分配金の受領をメインに据えたのですが、下落スピードが想定していたより早いので驚いています。

安値になった銘柄は有り難いが…

 粛々と「タダで得た配当金・分配金の再投資」で、安値となった銘柄を買い増し続けるしか進む道はありません。当該株式が毀損していない限り、何事も安値となるのは実のところ気持ちいいものなのです・・・。


編集後記

 円相場が一時的に1ドル=131円台半まで急騰したとの報道があります。「急速な金融の引き締めでアメリカの景気が減速することへの警戒などからドルが売られ、円を買い戻す動きが強まりました。」とメディアでは解説されていますが、真相は「円キャリートレードの巻き戻し(解消)」であろうとみています。

円キャリートレードの巻き戻し(解消)

 金利の低い通貨(円貨)を借り、高金利通貨(ドル貨)で取引することを「円キャリートレード」と呼びますが、投資環境がガラリと変貌(株式の大幅な下落等)すると、この円キャリートレードの解消(解約)が進みます。と、なると今度は、高金利通貨(ドル貨)を売って、低い通貨(円貨)を買う取り引きが盛んにおこなわれます。

世界の株式市場暴落は、ロシアの望むところ...

 西側諸国の経済が変調を来たし、株式市場が不安定化するということ自体、ロシアにとっては『西側が仕掛けた経済制裁が間違っている』証しであると、双方の国民へアピールできるので、腹の底から微笑んでいることでしょう。

このままでは、西側諸国、特に日本が耐え切れなくなる...

 東西の我慢比べとなりそうな雰囲気ですが、ロシア国民は「窮乏生活に慣れっこ」と聞き及んでいます。しかし、欧米日の人々、特に日本人にとっては高金利、物価高、高税率、掛け金の高料率などは、ここ30年程経験がなく、コロナ禍の収入減と希薄化が進んだ社会情勢とで『ドエライこと』になりそうな予感がします。

消費税廃止、季節ごと1人10万円給付...

 支持政党ではない「れいわ新選組」ですが、掲げた選挙スローガンは「近未来の日本の現状を見ているよう」で気持ち悪くなります。消費税廃止は10%の物価引下げ効果があり、季節ごと1人10万円給付は、上がらない給与収入の補填に繋がります。カギは「資金をどこから持ってくるのか」に尽きます。


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