米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

7/20 債券利回り3%で、「買いそびれ、乗り遅れ」を警戒?...

 ブルムバーグでは、米国10年物債券利回り3%付近になると、投資家から「債券買いが入る」との記事(米国債で「乗り遅れ恐怖症」の買い、10年物利回り3%に抑制)が掲載されていました。その事由は以下のとおりです。

  • 米国が景気後退する懸念が強くあり、そのような利回り(3%超)が過去のものになることを、投資家達が恐れている。言い換えると『米FRBは3%超へ、10年物債券利回りを引き上げる(債券価格は下落)ことが出来ない。』ということになります。

 ブログ読者の方々の思いは、いかがでしょうか? 詰まる所【インフレ亢進は見掛け倒し】で、「これ以上のインフレは来ない方へ、資金を賭けること」に他ならないのです。

プロは、「儲け」より「損を少なくする」対策を選択している...?

 年率3%超のインフレ率ともなれば、「3%以下の10年物債券」を購入すれば貨幣価値を毀損することになり逆ザヤです。それでも「紙幣のまま保有する」よりは、資産減価率が小さくなる、少なくなるという、何とも消極的な対応をプロが取ることになります。

早や、6カ月前とは投資環境が一変した...?

 ここまで恐れる投資家達、一過性の動きであるのか定かではないですが、従来と異なり『FRBには逆らうな』一辺倒ではなくて、『FRBも行き過ぎがある』的な考え方が徐々に広がっていることなのでしょう。このような端々の動きを眺めるにつけ、取り巻く投資環境が6カ月前とガラッと変わってしまったと感じています。

対ウクライナに変化の兆しが現われる...?

 ロシア・ウクライナ紛争が終結、あるいは停戦に向けて第一歩を踏み出し始めると、株式市場を取り巻く環境が激変します。今、「終結、停戦」に向けて最大の支障は「ゼレンスキー大統領の存在」であることは論を待ちません。
 ここで、脳裏をよぎるのは「ゼレンスキー氏、検事総長と保安局長官を解任 職員がロシア加担か」の報道記事です。解任自体は事実なのでしょうが、その解任理由です。ウクライナの深層問題として「そろそろ・・・」的な動きが出て来ても普通ですし、既にウクライナは国家として「詰んで」いるので、このままでは、死者の増加が...破壊の蔓延が...延々と続くことに他なりません。それを阻止したいと考えるのが国家官僚の性であり、エリート層である検事総長、保安局長官であったと捉えることができます。そして、太鼓持ちからチクリがあって解任された・・・。
 極論すれば、ウクライナで動き始めている『ゼレンスキー大統領外し』一派の排除です。そして、この騒動の『後追い記事』が全く広がらず終わりそう。いゃ~魔訶不思議です。

最後は「自国可愛さ」と「金の話」に帰着する...

 ここに述べられている驚愕のコメントは、次のようなものです。ウクライナは、堂々とロシアのガスプロム社から「天然ガス通過料」を得ているのです。これじゃ、ドイツ等の欧州諸国が腹の底で憤慨するのが分かります。

  1. 天然ガス供給に際して、ロシアが戦争状態にあるウクライナ経由を減らして、ノルドストリームに供給をシフトしている。
  2. これは、ガスプロム社からのパイプライン通過料(ガス輸送量に基づき算定される)が主要な収入源となっているウクライナ政府にとっては、由々しき事態である。ウクライナ経由の輸送量は供給可能量の7分の1と過去最低水準にまで減少している。
  3. 「喉から手が出る」ほどカネがほしいウクライナ政府は、自国のパイプライン通過料をより多く手に入れるため、ノルドストリームの安定操業を妨害した可能性は排除できない。
  4. 7月上旬に公表されたドイツ世論調査によれば、ドイツ国民の47%が「ウクライナに東部と南部の領土を譲歩させることで紛争を終結し、対ロ制裁を解除する必要がある」と回答している。
  5. 欧州連合(EU)全体の世論調査で、約6割が「ウクライナの民主主義を守るためにコストを払いたくない」と回答している(7月11日付ZeroHedge)。

...であれば、今後は【買い戻し】+【仕込み直し】が勢いを増して来る...?

 S&P500種は、過去最高値を記録した2022年1月から概ね20%下落して、一つの節目を記録しています。「もう、これで十分では?」と考えて、仕込み直しで動いているプロの投資家もいるやも知れません。
 ここ数日間の米国市場を眺める限り、このように解釈できるケースも垣間見られます。そして、上記の『ウクライナを取り巻く環境の変化』による【売り方の買い戻し】+【仕込み直し】ではないかと、思案させる動きも感じるのです。

7月20日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は反発、前日比754ドル44セント(2.4%)高の3万1827ドル05セントで終了。ナスダック総合株価指数も反発して、前日比353.100ポイント(3.1%)高の1万1713.148で終えています。私などは、役割を終えたと酷評されていた「動画配信のネットフリックスが6%高」で終えたことに驚いています。これなど、巻き戻しの最たるものです。


日経新聞が論じるNY市場爆上げの背景

  • インフレ加速を背景に米連邦準備理事会(FRB)の急激な利上げが米景気を冷やすとの警戒感が後退して、景気敏感株やハイテク株など幅広い銘柄に短期的な戻りを見込んだ買いが入った模様。
  • 相場が上昇基調に転じる中で、流れに乗り遅れまいとする投資家の買いが強まった。
  • 相場の底入れ期待が高まり、中長期的な上昇基調に転じる可能性もないわけではない。運用成績で負けられない機関投資家が買いを入れざるをえなかったのではないか。
  • 主要企業の4~6月期の決算発表シーズンに入っているが、売上高や1株利益などが市場予想を上回る例が多い。4~6月期決算は想定よりも底堅くなるとの見方が意識された。

MYポートフォリオ

ここまで米国株が爆上げすると、時価総額も急増します。


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編集後記

 昨日、世界の債券価値が半年で2300兆円減との報道を紹介しましたが、米国株に関しても弱気相場入り後に時価総額が何と最大15兆ドル(約2070兆円)を失っているとの報道も続いてブルムバーグ紙からありました。
 実現利益額ではなく評価額ですから、皆が皆、現金化すれば、瞬間に吹き飛ぶ類のものです。しかし、失った額の70%近くは担保としては有効なものでしたから、やはりダメージが相当あると思います。

弱り目に祟り目


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