米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

7/29 米国の利上げによる「不況風」が、株価上昇を後押しする...

 一気に134円台の円高へ趣旨換えしたのかと思いきや、米10年物債券利回りも急落して2.7%割れとなり、更に下がる(債券買い)気配を見せています。これが昨日からの米国市場で発生している「為替と債券市場」の動向です。

真逆の展開、金融市場には魔物が潜んでいる...

 昨日、FRB議長が会見を開いて「0.75%の利上げ」を表明しました。「『金利を引き上げると米国の責任者が表明した』にも拘わらず、米国の市中金利(10年物債券利回り)が一足飛びに低下する」など、何と日常生活と乖離した出来事なのでしょう。このような魔訶不可思議なことが起るので、金融市場には魔物が潜んでいると言われるのです。

金利は物事の基本、上がればブレーキの役目となる...

 何度も申し上げるように、【金利は物事の基本】ですから、ここを少しでも上げ下げするだけでマネーの動きが大きく変動します。「お金を借りている人」や「お金を貸している人」だけが影響を受けるのではありません。
 例えば、金融市場でレバレッジを組み込んだオプション取引の手数料でさえ、金利が引き上げられると取引手数料が値上がりします。すると、総体的にこれら取引が縮小するは必定ですから、取引額や取引件数が減少し、市場全体が縮小し始めるのです。オプション取引だけに焦点を当てても、一事が万事です。

利上げ宣言後、逆に市中金利が低下すると『株式市場は勢いづく』...

 ここまでで「利上げ宣言後、逆に市中金利が低下し始めると、株式市場は勢いづく」ことが判っていただけたでしょうか?
 市中金利が低下し始めた根拠としては、FRBが想定している金利水準まで金利が上昇すると、「お金を借りて経済活動に勤しむ企業や経営者が減り、米国経済界には不況風が蔓延するであろう。」というスペシャリストの見込みが強く現れ、故にお金の借り手が減って実質金利が低下します。市場では「FRBが思う程に金利引き上げが出来ず、逆に低下傾向を見せるであろう」との分析が強くなっているのです。

7月29日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は続伸、前日比329ドル27セント高の3万2526ドル86セント(速報値)で終えています。ナスダック総合株価指数も続伸して、前日比130.170ポイント高の1万2162.593(速報値)で終了しています。



 朝方発表された2022年4月~6月期の米実質国内総生産(GDP)が、【2四半期連続のマイナス成長】となったことで、景気悪化で米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待が強まり、幅広い銘柄が買われた。

これぞ「合成の誤謬」の一種か...?

 米国経済が6カ月、四半期決算2期連続してマイナス成長となったとのデータが示されました。すると、目ざとい投資家は株式を売却して債券買い(利回り低下)に走ります。これ「石橋を叩く投資家なら正しい行い」です。事の成り行きを眺め、彼は満足感に浸ってからぐっすりと寝入ります。

 一人、二人と徐々にこのような株売り投資家が増え始め「株価が下落」、債券買いが進み「利回り低下」が現われて来ます。すると、利回り低下(金利低下)を見た投資家は、「これは株価上昇へ波及するに違いない」と考えて、先回りして株式購入に動きます。
 これも「教科書どおりの正しい行い」です。そして、株式が上昇し始めると「債券が売られ(利回り上昇)」て株式に資金が向かいますので、翌日、目ざとい投資家が目覚めた時に見る光景は、何と前夜と『真逆な展開』になっているのです。

MYポートフォリオ

 「PBR ペトロレオ ブラジレイロ ADR」はブラジルの石油会社で、原油、NGL、天然ガスの採掘、開発、生産、精製、輸送、販売を展開しています。ここの会社から3カ月連続で配当が支払われました。現株価に対して配当率は優に30%越えです。この推移で行くと、3~4年で支払配当額が購入額を追い抜いてしまいそうな勢いを感じますが・・・。


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編集後記

 トランプ前大統領を巡る動きが活発化して来ました。秋の米中間選挙では、何が何でも民主党に勝たせたい、米国のみならず世界のマスメディアは「トランプ前大統領」で、一儲けを企んでいるようです。


バイデン氏とトランプ氏

弱り目に祟り目

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