米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

8/13 インフレを追いかけ始めた?「米国株」...

 コロナ禍でサプライチェーンが寸断された中、エネルギー価格上昇に端を発した「高インフレ時代の幕開け」が始まりました。
 直ぐにはインフレ収束めどが立たない中で、懐疑的な株価戻りを続けている米国株。株価上昇への肯定派と拒否派が入り混じり、今日までの所では肯定派が勢いよく先陣を切ったような印象を周りに与えています。

米国では、約40年ぶりの物価上昇率...

 今や、米国では約40年ぶりとなった『高水準な物価上昇率』や月間データで示される『高い雇用率』と『上昇をみせる人件費の伸び率』が、【インフレ亢進】を裏打ちしています。インフレが進むと金利引き上げでこれに対抗するので、経済減速を加速させると「教科書」にはありますが、一部アナリスト達は既に「米国経済の活況はこれらを超えて来た」と解釈し始めたのです。

米国経済の2本柱は「安定した雇用状況と低インフレ」...

 「米国では安定した雇用状況」と「概ね2%内に収まる低インフレ」の2本柱を骨格に据えて、経済政策・金融政策が行われています。米FRBは早期に低インフレへ戻すべく、月々の会合で、矢継ぎ早に市中金利の引き上げを決めています。

矢継ぎ早の金利引き上げ...

 7月の利上げ(0.75%)による誘導目標は「2・25%~2・50%」とし、現在、金融債券市場での10年債券利回りは約2.86%付近で推移しています。
 今後も9月に引き上げが想定されているのですが、この引き上げ幅が前回より▼0.25%低い0.5%で収まるのか? それとも、3回連続で0.75%となるのか? あるいは通常の0.25%で落ち着くのか? 市場では喧々諤々の議論がなされ一喜一憂、その都度「強気派と弱気派」が入り混じって、金融市場・株式市場を大きく揺らすのです。

されど、米国株は上昇し始めた...

 一部アナリストは、要約すると次のようにブルームバーグインタビューに答えています。

  • 「私は米株式相場の強気派ではないが、8月10日の株価反発は米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、それを阻止するまで続く可能性がある。」
  • 「市場はリスクを軽視している。それを思い出させるにはきっかけが必要で、それをパウエルFRB議長が発する必要がある。」
  • 「パウエル議長が話すまで相場の反発は続き得る。勢いで遠くまで行く可能性すらある。私は反発が続く可能性を信じていないが、更に上昇するのかと問われれば、答えは『イエス』だ。」

 言い得て妙であり、今市場で起きている「摩訶不思議な株価上昇の動意」を説明づける一助となるものでしょう。要は民間金融機関の出資で構成されたFRBの対応次第なのです。ここんところが、ユダヤ資本の謀略疑惑が入り込む余地があるのです。

あの、商品投資顧問業者(CTA)も、株買いに同調し始めた...?

 レバレッジ取引を効かせて相場を上げ下げして攪乱させる「商品投資顧問業者(CTA)などのトレンド追随ファンド」が動き出したとの分析が出始めています。CTAは疾風のごとく現れて、機敏に儲けを駆っ去っていく強者どもです・・・。
 S&P500種株価指数などが「100日平均の節目を上回った」ことで、これらCTAが「自らのショートポジションを解消」して「ドデン返し」を行い、買い方へ急遽参入して、昨今の株式相場上昇を増幅させたと見られています。
 更に、JPモルガンの見立てでは「CTAはこのような相場堅調が続けば、最大2000億ドル相当の株式を購入する可能性がある。」と踏んでいるようです。

インフレ退治の「ボルガーショック」...

 年明けから「インフレを経験していない投資家」的なタイトル記事がチョコチョコと出始めていました。遡れば『ボルガーショック』が市場に出たのが1979年。既に40年以上が過ぎ去っていますから、今の投資家やトレーダー、アナリスト達にとって、超インフレ時代の投資経験や乗り切る対策など、皆無に等しいのが普通なのです。

 第12代連邦準備制度理事会 (FRB)議長ポール・ボルカー氏が導入した引き締め政策によって、1979年10月にはニューヨーク株式市場は短期間のうちに10%を超える急落を見た(ボルカー・ショック) 。

 1979年に平均11.2%だったフェデラル・ファンド金利( 政策金利 )は同氏によって引き上げられて1981年には20%に達し、市中銀行のプライムレートも同年21.5%に達した。

 しかし、それと引き換えにGDPは3%以上減少し、産業稼働率は60%に低下、失業率は11%に跳ね上がった。

 1970年代の米国における「スタグフレーションを終わらせる」ための劇的な対応を同氏は行ったのです。当時の資料では『インフレ鎮静化策は悉く失敗して、最早、誰にも止められないと考えられていた。』のです。

 イヤハヤ、何ともコメントできない物凄い経済施策、金利引き上げです。この施策で「ボルカー指導下の連銀は、連邦準備制度の歴史上最も激しい政治的攻撃と、1913年の創立以来最も広範な層からの抗議を受けることになった」のです。
 ここで大事なことは、平成バブル崩壊後に低迷し続ける日本と異なり、この断行策で ① 1983年から米国は金融市場と共に生き返り、経済成長へ駆け昇って行ったということ。② インフレが収まるのに1979年から4年近くの歳月が流れたということ。この2点です。

インフレを素人目線で考えれば...

 私など素人投資家目線でインフレを眺めると、詰まる所【インフレ = 通貨価値の毀損】なので、インフレ亢進が進めば進むほど、通貨価格という尺度で表わされる「株価」が、通貨価値毀損を取り戻すべく、株価上昇へと追随して来るのではないだろうかと思うのです。

(結語)世界マネーは、毎年膨張し続けている…

 世界で出回っている通貨・紙幣は、各国で徴税があるものの、毎年の赤字財政で野放し・垂れ流しとなって、毎年膨張(1979年当時と比較すると、対GDP比で概ね2倍)しているからに他なりません。ボルカーFRB議長が就任していた1979年と比べ、世界経済と米国経済は大きく変貌しているのです。
 ひとたび、溢れかえったマネーが洪水のように、世界最高峰の米国株式市場へ向かったなら、そしてその時、最高値から20%程下落している株価であったなら、爆上げなどひとたまりもない事でしょう。

8月13日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は3日続伸、前日比424ドル38セント(1.3%)高の3万3761ドル05セントで終えています。ナスダック総合株価指数も反発、前日比267.273ポイント(2.1%)高の1万3047.186で終了。S&P500種と同じく昨年10~11月以来の4週続伸となりました。


買いの後押しは「インフレのピークアウト願望」...

 インフレがピークアウトしたとの甘い見方が広がり、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待感が相場を押し上げました。消費関連銘柄の上昇が目立ち、米長期金利の若干の低下もあって、高PERのハイテク株も買われた模様です。なお、これらは後解釈の最たるもので、来週になれば口元寒しになるやも・・・。

買いに勢いづいた「S&P500種株価指数」...

 S&P500種株価指数は前日比72.88ポイント(1.7%)高の4280.15で終えました。週間では4週続伸となり、昨年10~11月以来の連続上昇記録となっています。
 また、同指数は1月の過去最高値から6月に付けた今年の安値までの「下落幅の半分」を取り戻す水準(4231)を超えました。
 株式相場が大幅に調整した後、下落幅の「半値戻し」を達成すると、上値を追う買いが入り易いと言われています。さぁ、次週入りが注目です^ - ^。

MYポートフォリオ

 平均株価上昇と共に、ジリジリと「ポートフォリオ総価格」が戻し始めていますが、通信銘柄の株価売りが依然として大きくのしかかり、一足飛びの回復には程遠い感じです。暫くは、配当金・分配金の取得に特化するしかないようです。


8/13 インフレを追いかけ始めた?「米国株」...2

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8/13 インフレを追いかけ始めた?「米国株」...4

編集後記

 米国市場へ上場している他国企業(ADR)は、3年以内に米国当局から会計監査を受けなければ上場廃止となることが法律で決まっています。先般、アリババが「上場廃止リストに組み込まれた」ことは、このブログで紹介したとおりです。
 今回、ペトロチャイナ、中国人寿保険、シノペック、中国アルミ業、中国石化上海石油化工の5社は、米国株式市場の上場廃止を申請すると発表しました。保有されている方は要注意です。これから雪崩を打って中国企業からの上場廃止申請が続くと思います。いろんなところで東西冷戦が表面化して、敵・味方が分かり易くなっていいんですが…。

弱り目に祟り目


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