米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

8/26 パウエル議長の講演後、ドル/円は140円を目指すか?…

 この8月のドル/円チャート図を見ると、7月後半から8月初旬にかけて円安から円高への反転が著しく、7円近く為替が動きました。しかし、この動きなどは所詮市場の気まぐれで済まされ、秋以降の日本のインフレ率上昇と相まって、中期的には1ドル140円台を超えて突き進んでいくと見ています。

ドル/円為替相場

2022年度のジャクソンホール会議

 26日に開催される「ジャクソンホール会議」でFRBパウエル議長が基調講演を行う予定です。パウエル氏の講演は、日本時間26日午後11時に始まる予定になっていますが、この時間帯は米国株式市場が始まって30分後となります。何と、微妙な時間帯でしょう。

FRBパウエル議長が行う基調講演の想定内容...

 内容の要旨としては、次のように考えられています。一言で表すと『FRBの金利引き上げに伴うタカ派姿勢が再確認される内容』ということに尽きるんですが、異論がないわけでもありません。

  1. インフレに直面し、リセッション(景気後退)の恐れがある「米経済の行方」について、数カ月先の見通しは全く分からないということまに言及すると見られています。
  2. 1980年代初頭、米国では高インフレに直面し、FRBは金利を急激に引き上げてインフレを抑え込んだ実績があるので、この対応に焦点を当てるとみられています。
  3. 米国経済の成長は鈍化して、一段と減速する可能性が高いが、インフレが根強いために、インフレ抑制がFRBの最優先事項であることを強調する公算が大きいです。
  4. 講演の中心は、「インフレ率が低下するには、米国景気が減速する必要がある。と強調する可能性が高く、万が一、景気減速がなければ、FRBはさらなる金融引き締めを余儀なくされる。」に集約できるのではないか、みられています。

【異論】FRB議長、引き締め鈍化に言及か?(ゴールドマン・サックス)

 この「異論」というのが、米ゴールドマン・サックス(GS)が23日に公表した「持論」で、「米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は26日の講演で、引き締めペース鈍化の可能性に改めて言及する」というものです。
 具体的には、パウエル議長の7月に行われた記者会見、先週公表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨と同様のメッセージを発すると論じています。

そして再び、市場の流れが変わり始めた(巻き戻し)...

 あの天下御免の『ゴールドマン・サックス』が、業界の定説に反する見解を敢えて公にするのですから、何か確信的な事象を掴んでいるのではないかという疑心暗鬼が投資家の胸中に生まれるのも然りです。
 そのため、この発表以降、米国株の動向も一進一退となり、ドル高ペースも鈍化、逆にドル安へ向かい始める等、彼のゴールドマン・サックスの影響力を見せつけるような動きが出ています。しかし、これには『チョット待った』の挙手が上がりました。

25日、米地区連銀総裁らが相次ぎ主張、「米利上げは継続を」・・・

 26日を前に「株安、債券高(利回り上昇)、ドル高」が進んでいましたが、ゴールドマン・サックスの見解が示されてからは、再び【逆回転】し始めたことで、危機感を抱いた米地区連銀総裁らが相次いで「米利上げは継続を」主張、逆回転は止まった感がします。まだ、パウエル議長の講演開始まで16時間程ありますから、投資家の葛藤はこれからです。

今、ドル/円の売買はご法度なのか?...

 なお、市場関係者の間では『景気に配慮して金融引き締めを早期に緩めたり、利上げの打ち止め、早期の利下げに言及することは決してない。』ということに共通しています。
 このため、週始めドルチャートは「他の通貨に対して強含みに推移」していますし、FX参加者の共通認識は『偏った』ドル/円の売買はご法度で、保有するポジションを軽くしておくのが、市場参加者の共通事項です。

想定どおりの基調講演であれば...

 なお、これに合致する「FRBパウエル議長の基調講演」となれば、巻き戻しがあった分、日本時間27日未明の米国市場は一波乱も二波乱もありそうです。ドル/円相場は、140円/ドルを目指して進み、債券市場も利回りを上げる(債券安)でしょう。いわゆる、「株安、債券高(利回り上昇)、ドル高」です。

ゴールドマン・サックスの言うような基調講演であれば...

 しかし、ゴールドマン・サックスの言うように、引き締めペースを鈍化させる基調講演であれば、「株高、債券安(利回り下落)、ドル安」が進むことになります。後、16時間程で結果が分かります。

8月26日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は続伸し、前日比322ドル55セント(1.0%)高の3万3291ドル78セントで終えた。ナスダック総合株価指数は続伸。前日比207.737ポイント(1.7%)高の1万2639.265で終了しています。足元で上昇基調にあった米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が和らぐとみた買いが優勢だった模様。



 26日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を目前に控え、売りの持ち高を買い戻す動きが活発化したとの見方もあり、ダウ平均は取引終了にかけ上げ幅を広げる展開でした。

株高根拠の一部分...

報道によると、企業の利益マージン指標が高く1950年以来とのことです。これは、『企業が顧客に請求する価格が、生産や労働のコストを上回るペースで上昇していることを示唆している。』と言われています。

MYポートフォリオ

 日本株に1銘柄を追加しました。その他、傍観姿勢で過ごしています。特に、コメントはありません。


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編集後記

 『居眠り運転後のFRB、「目をつぶってはならない」』何とも辛辣なタイトル記事がポンポンと現われる始末です。

FRBには逆らうな!・・・は、今や『死語に』?

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は2021年9月まで、インフレ率の高まりは「一過性」とのメッセージを発信し続けていました。緩和策継続を維持するために使われたようなもので、この認識の差が今の高インフレを招いたとする論が勢いを得ているのです。
 このため、FRBの権威失墜が見た目以上に強く市場に現われて、パウエル議長の発言効果も短く、参加者の独自解釈が幅を利かせるようになっています。嘗ての「FRBには逆らうな!は、今や死語となりつつあるのです。

今回、パウエル議長は公の場所で自らのキャリアを賭して発言...

 今回の『利上げ継続』に関することでも、市場やアナリストは景気減速が市況に現われ始めているので、秋から冬にかけて利上げのペースダウン示唆もあるのではとの考えです。
 しかし、FRBは例の「一過性」事件のこともあるので、2度の目算狂いは許されないとのスタンスが強く、景気を犠牲にしても徹底的にインフレを抑え込む算段です。ここで弱いスタンスを垣間見せると利上げ期間が長引き、米国に不利益が増加すると考えています。
 利上げ後の経過地点として、市場参加者は26日の基調講演の主旨を前もって推測するのに躍起です。何せ、パウエル議長は自らのキャリアを賭して世界へ発信するのですから…。

黒田日銀総裁も参加するようで・・・

 まぁ、日本の財務官僚ならば、どちらでも解釈できるような無難な基調で講演するでしょうあが、そこは欧米のキャリア官なので、あたりさわりのない内容では馬鹿にされるのがオチです。注目度が低いですが、日本銀行の黒田総裁も会議に出席予定です。会見があるやも知れませんので、こちらも楽しみです。
 この会議はカクテルパーティ形式で親交を温めることが目的です。主催者は某著名な金融財団で、招待されること自体が名誉とも云われています。

弱り目に祟り目


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