12/01【番外編】パウエル議長の講演内容、真逆の解釈が出始める...
ブルムバーグ紙に次のような米国時間11月30日に行われた「パウエル議長講演」の主な解釈と異なる論調記事(2022年12月1日 12:13 JST発)が出始めています。一般的な解釈は、当ブログでも書き綴ったような「過剰な金融引き締めは望まず、早ければ12月にでも利上げ減速へ舵を切るFRB」ですが・・・。
真逆の解釈記事は、次のようなもの...
とても示唆に富んだ、分かり易い文体なので全文を掲載します。信じる・信じないは、貴方次第です。一読する価値は十分あります。
11月30日の米債券・株式市場で強気の賭けを行った投資家は、先行きひどく失望する公算が大きい。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は同日、利上げのペースを12月にも落とす可能性に言及したが、投資家はこれを政策スタンス変更に向けた発言と誤って解釈した。
私が聞いた限りでは、タカ派がハト派に転じたという事実はない。パウエル議長は実際、労働力需要が引き続き供給を上回っており、高止まりするインフレを退治するには成長率がしばらくの間、トレンドを下回る必要があると述べた。
議長はまた、物価の安定を取り戻すため、金利を一定期間、高水準に維持する必要性を指摘するとともに、インフレ率の鈍化があっても、その後、しばしば上振れのサプライズに見舞われる可能性にも言及した。こうした発言のどこがハト派的というのか分からない。
特に不可解なのは株価上昇だ。このところの金融状況の緩和をパウエル議長が押し返さなかったことが理由かもしれないし、議長の講演が終わったことで一安心したためかもしれない。
だが理由はどうあれ、金利を長期間にわたり高水準に維持する公算が大きいと、米金融当局者が一貫して表明してきた事実に投資家は今後数日間に再び取り組むことになるだろう。そして、そこに株式や債券に強気になる要素はない。(ブルムバーグ 2022年12月1日 12:13 JST)
ザックリ纏めると、次の2箇所でしょう。
- 米債券・株式市場の強気投資家は、先行きひどく失望する公算が大きい。
- 11月30日講演のパウエル議長発言に、タカ派がハト派に転じた事実は見られない。
サマーズ元米財務長官、インフレの大幅鈍化を疑問視...
更に、サマーズ元米財務長官がツイッターで発信している記事(ブルムバーグ紙掲載)をご紹介します。「引き締まった労働市場から推論すると、米国のインフレ鈍化は直ぐに進まない」との解釈です。元記事には、英文のTwitter文も掲載されているので、語学が得意の方はどうぞご覧になって下さい。
サマーズ元米財務長官は「米労働省雇用動態調査(JOLTS)報告では、労働市場の冷え込みが非常にゆっくりと進んでおり、向こう数カ月は極めて引き締まった状況が続く見込みが示唆された」とツイッターで指摘した。
また、失業率が2%程度であれば、求人や離職の比率と調和していると指摘。労働市場がタイトなことを踏まえ、インフレ率が大幅に鈍化することに疑問を呈した。(ブルムバーグ 2022年12月1日 12:19 JST)
編集後記
米国市場が定刻で閉じてから6時間後、『チョット待った記事』がブルムバーグにさっそく掲載されました。このような多様性のある意見を、大手マスコミがすぐさま取り上げるところなど、米国ならではの強みです。
下院を共和党が制圧...
12月の年内一杯、株式市場が大きく崩れる心配はないと踏んでいますが、年明けの1月以降が要注意です。何故なら、米議会の下院の勢力図が変わることです。この辺りが、株式市場へ飛んでくる【一本の急所の矢】となるかもしれません。
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