米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

2/10 「債券売り」で一儲け! 米金利上昇が止まらなくなった....

 前週末、想定外に強い「1月の米雇用統計」が公表されて、米国金融市場の雰囲気が一変しました。今や、「あきらめ顔」の市場関係者が「そこかしこ」にいます。

米長期金利は、一時3.69%へ上昇・・・

 9日の米債券市場では、米長期金利が前日終値(3.59%)から水準を切り上げ、一時3.69%を付けました。更に、幅広い年限の債券類の利回りが上昇するなど、株式相場へ逆風が吹いています。更に、オプション市場で「米政策金利が6%に達することに賭ける」取引が膨らんでいるとのことですし、次のような「輩」がいるのが米国です。

金利が上がると、高PER(株価収益率)銘柄が売られる・・・

 米長期金利が上昇した結果、相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)銘柄に対する売りが優勢でした。もちろん、GAFAM銘柄も売り対象となったのは言うまでもありません。大部分の昨年の売り建て玉が清算されたので、新たな売り残を仕込み易くなっています。特に、アルファベット株が狙われています^^。


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GAFAM銘柄にも、収益の限りが見え隠れ・・・

 米企業の四半期決算発表がほぼ終了した昨今、今までの市場牽引銘柄であった「GAFAMに収益の限り」が見え隠れし始めたことが、先行き弱気にさせている所以です。更に、我先にと公表される優良企業の『レイオフ』に関して、投資家にとって収益改善に最適であっても、所詮は「後ろ向きの投資」に他ならないので、市場全体の裾野で眺める限り心理的にマイナス要因です。

強過ぎる米国の経済情勢と雇用環境・・・

 市場関係者が微かな期待を抱いていた「年内の利下げ観測」が後退し、長引く金利引き上げ期間と金利の最高到達点の見通しが判らなくなってきています。
 もちろん、この背景にあるのが『強過ぎる米国の経済情勢、低い失業率や上昇が続く給与に裏打ちされた雇用環境』にあることは、皆さん方ご承知のとおりです。

リッチモンド連銀のバーキン総裁も咆えるが・・・

 9日、バーキン総裁は「インフレを確実に2%目標に戻すには、利上げを継続することが重要だ」との見解を示しました。
 市場関係者は「咆え続けるのも結構だが、深刻なリセッション(景気後退)に陥らせずに、利上げを通じて米国景気を減速させるのは、非常に難しいことだ」と、ピーチク・パーチク囁き合っているのです。

次のポイントは、次週発表の「1月の米消費者物価指数(CPI)」・・・

 次週、FRBが最も重要視する1月のCPIが公表されます。1月の雇用統計データと同様に「強い数値」となるのか否か、通常月よりも俄然注目度が高くなっています。
  数値次第で、米株は上にも下にも大きく動くことでしょう。その事前準備として、今日などは「持ち高調整の売り」が出易い状況だったのかもしれません。

2月10日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は続落、前日比249ドル13セント(0.7%)安の3万3699ドル88セントで終えています。朝方は買いが先行するなど、ダウ平均の上げ幅は300ドルを超える場面がありました。しかし、買いは長続きせず、次第に売り方に押されて下落したのです。買い方を補強できる材料に乏しく、見離さざるを得なくなっています。
 ナスダック総合株価指数も続落して、前日比120.941ポイント(1.0%)安の1万1789.579で終えました。


序盤は、アルファベット(グーグル)の一人負け・・・

 アルファベット(グーグル)とマイクロソフトの対話型AIを巡る戦いが始まった結果、ここ2日間はアルファベットの一人負けで、株価で14ドル超、下落率では13%超となっています。

ブリークリー・ファイナンシャル・グループ最高投資責任者の談...

 「投資家の性質は変わることはないが、センチメントは常に価格を追いかけるようにして動く」とした上で、「強気派が全面的に戻ってきた。逆張りの視点からすると、注意が必要な局面だ」と指摘しています。
 向こう半年間の株式相場について、弱気な見方をする投資家の比率は25%に低下、これは2021年11月以来の低水準に沈んでいるとのことです。

MYポートフォリオ

 打ち続くアルファベット(グーグル)への売り...。暫くは収まらない傾向ですが、一緒になって売ってはいけません。そう簡単に、固めた収益構造に穴が空くほどの打撃を受けないのが米テック企業。暫くすれば元の株価に戻るので、苦しいですが、ここは【辛抱】です。


編集後記

 ブルムバーグ紙によると「米ヤフーはアドテクノロジー事業再編計画における人員整理の第1弾として、今週から約1000人を減らす。業界では人員削減の波が押し寄せている。」との記事が掲載されていました。またまた、レイオフで千人の雇用がカットです。この千人の方も「退職金・失業給付」を受け取りながら、次の職を探すのです。
 より高給を求める方も随分といらっしゃることでしょうし、矜持を保つことに力点を置かれる方なら、高く自分を売り込むことに注力するでしょう。すると、雇用環境は求人難となり、賃金が上昇し失業率が低下・・・。今の雇用情勢が、現われては引き続くのです。これを『市中金利の引き上げ』だけで、景気後退せず、みごと抑え込めるのか...。


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