米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

2/11 消化不良の米株市場、規模がデカ過ぎて下がり切らず...

 10日の米株式市場は、ダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発。前日比169ドル39セント(0.5%)高の3万3869ドル27セントで終えています。ナスダック総合株価指数も3日続落、前日比71.459ポイント(0.6%)安の1万1718.120で終えました。


「始めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣くともふた取るな」

 いつもの如く、本日も開始直後、労働市場の強さを背景に米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止など、政策転換が遅れるとの見方から株売りが先行しました。
 しかし、米国経済の景気自体は堅調とみる向きが資金を逐次投下、平均株価が上昇に向かい始めると、敢えて抵抗することなくスルスルと株価が回復しています。依然として、他国も含めて、世界各地でドル需要が盛んであって、米国株が下がり始めると、至る所から『旺盛な株買い』が生じる構図が現われます。下げなきゃいけない日でも下がり切らず、どっち付かずの上げ下げに止まって、最近の米株市場は消化不良の如くです。

長期金利が3.7%台半ばに上昇、米ミシガン大学の「消費者調査」・・・

 10日、米ミシガン大学が恒例の「消費者調査」を公表しました。1年後の予想インフレ率が4.2%となり、これは前月から0.3%上昇しています。このことで、高めのインフレが続くとの観測につながり、長期金利が3.7%台半ばに上昇しました。こうなると、長期金利が上昇すると売られやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が下げを加速させました。

ディフェンシブ株に資金が集中、株価が堅調・・・

 ディフェンシブ株に資金が集まり、医療保険のユナイテッドヘルス・グループや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が上昇、ダウ平均を押し上げました。
 なお、業績見通しが失望された配車サービスのリフト株が20%超の急落となり、新興銘柄に対する懸念を強めました。私も2株ですが、買いに参加しています。

フィラデルフィア連銀のハーカー総裁も咆えたよ・・・

 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は10日、先週発表された「1月の雇用統計」が絶好調だったものの、小幅な利上げに移行するのが望ましいとの見解を変えていないと述べた模様です。
 彼は今年のFOMCにおいて「投票権」を持っている一人です。更に、インフレ緩和が続ければ、「2024年に利下げに転じる可能性」があるとの見方を併せて示しました。リップサービスの面が強いですが・・・。


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 ハーカー総裁はFOMC前に「1月の雇用統計の強い結果」を見ていたとしても、0.25%の利上げ幅を支持したであろうと述べています。今後の金利の道筋については、『FRBは政策金利を5%を超える水準まで引き上げた後、当面はその水準を維持する』との見方を示したようです。

来週の注目イベント

1月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)

 これら重要インフレ指標の発表が予定されています。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の行方を判断する上で注目材料となりますので、予測値に対する発表データ次第では、株価が大きく上下変動することもあり得るので要注意です。

  • 14日:1月消費者物価指数(CPI)
  • 16日:1月生産者物価指数(PPI)

今後は、労働市場が弱まる見通しだが・・・

 パウエル議長も、今後、労働市場が弱まると見ていますが、反して強い雇用が続いた場合は、ピーク金利を引き上げる必要性があるとの意見が強まって来ています。

政策金利が6%まで上昇する可能性を想定・・・

 今まで、インフレの鈍化や景気後退入りを想定し、政策金利が5%に満たないと見ていた金融市場もここにきて、政策金利が6%まで上昇する可能性を想定し始めました。上限値を引き上げ始めたのです。すると、ドル買いが強まって「ドル高」から「円安」傾向が想定以上、続くことになるでしょう。

MYポートフォリオ

 1週間が終了。次のように多数の銘柄に資金を振り分けています。決算を受けて「GAFAM銘柄」が軟調に推移。長期金利上昇の影響もありますが、ハイテク株の足踏みが想定外でした。但し、お気に入りの「アルファベット(グーグル)株の追加購入」が適い、ラッキーな面もありました。資金は潤沢に用意済みなので、次週以降に期待です。


 現在、5社と取り引きを行なっています。分散を図っているわけですが、資金管理の面、具体的に言って「資金の横断」に難があり、1社に纒める方がベターでした。

編集後記

 米国金利の引き上げ停止、金利引き下げ機運の上昇・・・。これらの憶測が米国株式市場に一旦雪崩れ込んでくると、一気呵成に株価を上昇させることが、図らずしも知れ渡ってしまいました。
 特に、ハイテク系銘柄の株価上昇幅が半端なく、これらの株価低迷時における仕込みがとても気になるところです。投資家、特に「売り方」は、事ある時の『株価上昇に乗り遅れがない』よう、細心の注意を払わなくてはいけません。

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