米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

2/14 インフレ鎮静化の期待感が、株価を高値に引き上げる...

 14日に「1月の米消費者物価指数(CPI)」が発表されます。次回の金利引き上げ議論に影響を与える直近の物価データの公表になります。今日は週明け13日の月曜日、「1月のCPI」発表を明日に控えて、動意の乏しい「下げなきゃ基調」の値動きで始まった米国株式市場でしたが、意外や意外・・・。
 1月の米消費者物価指数(CPI)がインフレ鈍化を示すとの思惑から、先回りした株式買いが表舞台へ現れたのです。

「1月の消費者調査」の結果が判明・・・

 場中、ニューヨーク連銀が発表した「1月の消費者調査」で、3年先の予想物価上昇率が2.7%(中央値)と2年3カ月ぶりの低水準であったことが、インフレ亢進にイラつく投資家達に安心感を与えたようです。なお、1年先の期待インフレ率は4.95%(中央値)と、2021年7月来で最低(12月データと比べて少しだけですが...)となりました。

 時間経過と共に「インフレ鎮静化の期待感」が株式市場に強まり、ダウ平均値が本日の最高値で引けるなど、投資家達の両睨みで市場全体に「売り方の一時買戻し」と「明日への対処買い」が押し寄せました。


2/14 インフレ鎮静化の期待感が、株価を高値に引き上げる...1

1月の米消費者物価指数(CPI)

 1月のCPIにおいて、前月比で0.4%上昇が市場で見込まれています。これは、前年同月比では6.2%上昇、伸び率は昨年12月(6.5%)から幾分縮小するとみられています。
 「公表されたデータで、米インフレが沈静化に向かっていることが示されれば、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止が近いとの見方が強まる。」との意見が舞台へ踊り出たこと、更に、明日の株価急上昇への備えもあって、終盤にかけて株価が急伸しました。

  • 1年期待インフレ率:4.95%(12月は4.99%)
  • 3年期待インフレ率:2.71%(12月は2.99%)
  • 1年後の賃金の伸び率予想:+3.34%(12月は+4.58%)
  • 1年後の消費の伸び率予想:+5.73%(12月は+5.87%)

一先ず、米金利上昇が一服・・・

 FRB高官達の遠吠えがあれど、インフレ沈静化の兆しを垣間見れば、さすがに一本調子の米金利上昇の勢いが続かず高PER銘柄に買戻しが入りました。但し、米金利の上昇が一旦止まったにも拘らず、円安への道筋が消えていないのが腑に落ちないですが…。

  • ダウ工業株30種平均は続伸、前週末比376ドル66セント(1.1%)高の3万4245ドル93セントと1カ月ぶりの高値で終了。
  • ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前週末比173.669ポイント(1.5%)高の1万1891.789で終了。
  • S&P総合500種は、前週末比46.83ポイント(1.14%)高の4137.29で終了。

全ては、明日の「1月の米消費者物価指数」の結果次第・・・

 ブルムバーグから、次のような深謀遠慮(しんぼうえんりょ)の記事「米CPI発表前夜、ウォール街は各種シナリオに備えゲームプラン策定」が公開されました。全文を引用してみます。

 14日に発表される「1月の米消費者物価指数(CPI)」は、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長と金融市場の間で数カ月前から続いている危うい停戦状況を一変させかねない。

 インフレが落ち着き始める中、議長は株式相場の上昇にほとんど口出ししていないが、景気のガス抜きを図る議長の取り組みを株高が台無しにするのではないかと危惧する声は多い。


  ゴールドマン・サックス・グループの債券および株式のマクロヘッジファンド担当責任者、トニー・パスカリエロ氏は「FRBは金融環境がこれほど緩むとは想定していなかっただろう。しかしインフレが低下を続ける限り、それに異議は唱えないはずだ」と10日付のリポートで指摘。「それだけにCPIの重要性は高い」と述べた。


  CPI統計のどこに焦点を絞るかや、各種シナリオでどう賭けるかを巡っては、各社で異なるようだ。JPモルガン・チェースは前年同月比に注目。エコノミスト予想では6.2%上昇への伸び鈍化が見込まれている。


  予想近辺であればインフレ沈静化の継続が確認され、国債利回りとドルが下げる一方、テクノロジー株と景気敏感株を中心にS&P500種株価指数は上昇すると、JPモルガンは予想。しかし投資家の注目が過去2カ月よりも鈍いディスインフレにシフトすれば、株式の上昇は縮小する見通しだという。


  一方でモルガン・スタンレーのトレーディングデスクは、月間ベースでの変化率に注目し、0.4%上昇を予想している。これを下回ればハイテク株と消費財銘柄が上昇し、債券も買われる見通しだという。逆に上回ればリスクオフのきっかけとなり、インフレに強いはずの景気循環株でさえも売りを免れられないとみている。


  アンドルー・タイラー氏らJPモルガンのチームは、CPIが前年比6.5%上昇を上回る確率を5%と分析。この場合S&P500種は2.5~3%下げると予想し、割高なソフトウエア株や仮想通関関連銘柄を売り、米国債とドルを買うよう推奨した。


  「強気派にとって特にやっかいなのは、このシナリオが中国発のインフレ圧力が顕在化する前に実現することだ」と指摘した。


  金融市場では株式から債券に至るまで、年初からの上昇基調が先週に停止。物価圧力が長期化する中、FRB当局者から利上げを継続する必要性が相次いで指摘されたことが背景にある。

  こうしたタカ派的な発言を受けて、短期金融市場で織り込まれる政策金利のピーク水準は5.2%前後に上昇した。今月初めは5%弱だった。

(ブルムバーグ 2023年2月14日 5:02 JST)

何とも、マスコミ各社の存亡を掛けたような狂騒劇のようです。

MYポートフォリオ

 保有銘柄へバランス買いを入れました。なお、グーグル株20株の追加購入を行っています。同株は「一気に90ドルラインを割るか?」との淡い期待もあったのですが、なかなか急落までせずに94-95ドルのレンジで推移していました。
 何故、ここまで執拗に売られるのか依然として謎です。まぁ、安い方が買い易いので有り難いですが・・・。


編集後記

 個人投資家にとって、今日のような市場は傍観が基本です。明日、値下がりとなれば買いを入れますし、反して株価上昇となれば更に傍観する手です。

 どの様にすれば、176億ドル(約2兆3400億円)の評価損を計上するようになるのでしょうか?「無から有を生むマネー」ゆえの損失額なのでしょう。あくまで帳簿上の事であって、帳面内に押し込んでしまうのでしょうか?
 なお、同社の株価は一時16%安。過去1年間で42%値下がりしています。普通は倒産ですが・・・。お祭り参加料として同株を2株ですが、新規買いしてみました。


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