米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

3/2「 円安が加速する!」誤算と驚きの卓袱台返しが始まる...

 FRBが米国内の市中金利を「これでもか!」的に引き上げ続けて各種貸付金利が高騰、例えば、米30年物変動住宅ローン金利が優に6%を超えている(米30年物固定住宅ローン金利は7%超)のにも関わらず、米経済は金融関係者の予測を超える「想定外の堅調さ」を見せています。長く市場で飯を喰って来たアナリスト達の誤算と驚きが、もはや「忍耐の一線を越えてしまった」ようです。

ドル安シナリオは崩れてしまった?

 年明けの3月に突入しても、一向に減速傾向を示さない米国経済に対して、先々の金融引き締め転換を見越した『ドル安シナリオ』は、今や崩れつつあります。暫くは「円安」に基軸を据えて置くことがベターです。


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卓袱(ちゃぶ)台を返し、一目散で逃げ去る・・・

 こうなると、我先にと卓袱(ちゃぶ)台返しで逃げ去るは必定です。但し、彼ら・彼女らは一目散に逃げ去る場合でも、仕掛けを放棄することはありません。懇意にしているマスコミ関係者にオーバー的な情報提供を積極的に行い、きっちりと反対売買への仕込みを怠らないのですから...。

現状を追認し、1ドル=142円以上の『ドル高・円安』を想定・・・

 円貨に関していえば1ドル=142円以上の『ドル高・円安』も視野に入ってきたとの声がウォール街から手始めています。1月~2月の債券、株式、そして為替動向からしても、【債券買い、株式売り、ドル売り】のスタンス維持が困難になりつつあることを物語っています。

米国経済の「ノーランディング予測」が、ウォール街で強まる・・・

 2月後半ごろから、「ノーランディング」(景気再加速)という聞きなれないビジネス用語が、米ウォール街を飛び交っているとの記事が出始めました。
 これは、「ハードランディング」に代わる第3のシナリオとして浮上しているらしいです。投資家達の勝手な憶測と願望の集大成に見えますが、公表される米経済指標からあながち『絵空事』と、一概に捨て去ることが出来なくなっています。

 長期金利が12年ぶりに4%台に達した昨年9月28日を振り返ると、ダウ平均は2万9683ドルで終えており、足元はその水準を3000ドルほど上回っている。株式相場と債券相場が大幅にかい離する今の状況は「奇妙」(米銀系ストラテジスト)に映る。


 債券市場は、FRBが政策金利を「より高く、より長く」するとの筋書きを織り込む一方、株式市場では将来の利上げ打ち止めを期待した買いが根強い。


 2年債が10年債利回りを上回る「逆イールド」は一段と深まり、債券市場は景気後退の予兆を映しているが、株式市場は景気への楽観ムードが強く「米国株は金利動向とほとんど離れて取引されている」(シティグループのスコット氏)という。(日経新聞 2023年3月2日 7:40)

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 一般的に、「ノーランディング」とは、「ソフトランディング」(軟着陸、緩やかな景気後退)でも、「ハードランディング」(強行着陸、急激な景気悪化)でもない状態を指す言葉です。

フワフワと、米経済が漂い続ける・・・

 金融緩和と好景気が長年に亘って続き、インフレ亢進に伴って金利を引き上げ続けるもののインフレが再加速、景気が浮揚した状態のまま「フワフワと漂い続ける」現象を目の当たりにしています。
 思うに、金融緩和全開の日本の資金、言い換えると、老人国である「日本の低金利資金」が、米国経済の底地に『杭として無数に打ち込まれている』からなのかもしれません...。

3月2日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は小幅に反発、前日比5ドル14セント高の3万2661ドル84セントで終えています。ナスダック総合株価指数は続落。前日比76.059ポイント(0.7%)安の1万1379.485で終えました。
 米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化観測から長期金利が4%台に上昇する(迫る)場面があり、センチメンタル的に株式相場の上値を抑えました。


2月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は47.7

 発表された「製造業景況感指数」が47.7と、市場予想(47.6)をわずかに上回ったようです。項目別では仕入れ価格指数が前月から上昇し、インフレ圧力の高まりを示した。FRBが政策金利をより高く、より長く維持するとの観測が広がったようです。

キッカケ次第で「爆買い」が始まる予感...

 相場は約4カ月ぶりの安値圏にあるだけに値ごろ感からの買いが入ると、指数は上げに転じました。全体に買い控えムードが強い中、個別の材料で上げた銘柄がダウ平均を押し上げた模様です。疑心暗鬼で『買いたい症候群』を抑えていますので、キッカケさえあれば「爆買い」が始まる予感がします。まぁ、投げるのも早そうですが...。
 何の理由もなく、時価総額の大きいスマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフトが安くなり、ネット通販のアマゾン・ドット・コムや半導体のエヌビディアも仲良く下げていました。

債券動向

 米国債券相場で長期ゾーンは続落。FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測が高まり、債券売りが広がりました。利回りは、一時4.0082%前後と昨年11月10日以来、約4カ月ぶりの高水準を付けています。

原油先物動向

 原油先物相場は続伸しました。2月のロシア産油量が増加したとの報道が重しとなるも、中国の2月製造業購買担当者景況指数(PMI)が予想以上に上昇、中国の景気回復に伴うエネルギー需要の拡大期待が改めて意識されて、先物買いが優勢となった模様です。
 米エネルギー情報局(EIA)の石油在庫統計は、原油在庫が116.6万バレル増と予想以上の積み増しとなった一方で、ガソリンは在庫増の予想に反して87.4万バレル減少、まちまちの結果でした。

MYポートフォリオ

 名もないテック企業の株価下落が止まりません。で、少量ですが「応援の意味合いで」買いの手を上げて見ました。


編集後記

 このような「強気な株式市場への見方」に対して、反対意見を強く唱えるアナリストや投資家も確実に存在します。次に、引用して本日の終わりとします。

 株式市場の楽観から距離を置く市場関係者は少なくない。現在の金利水準では株式相場は「リスクに見合っておらず割高感がある」(JPモルガン)。

 利上げの長期化が米景気に与える悪影響を踏まえると「株式市場が織り込んでいる23年の業績予想は非現実的なほど強気だ」との見方もある。

 1日には米著名投資家のデービッド・アインホーン氏が米CNBC番組で、「長期と短期金利は人々が予想するよりも高くなると考えている」と述べ、株価の先行きには「弱気であるべきだ」と警鐘を鳴らした。

 株式投資家は債券市場が発する警告に耳を傾け、慎重姿勢を強めるべきかもしれない。(日経新聞 2023年3月2日 7:40)

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