米国株 -『正しいものは美しい』

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9/11【番外編】損害を与えた販売企業は「悪代官」なのか?...

 先日、急激な円安に伴って、デリバティブが組み込まれた「仕組債」を購入した一般人に損害が発生している、との記事を紹介したところ、案の定と言いますか、「どうしてくれるんだ」クレームを、金融庁に向けて発信する輩が多数いるようです。



 損された方は大事な有権者・年金生活者ですから、お上は販売先のメガバンクや地方銀行に立ち入り査察を行い、銀行の更に上位に位置する「仕組債を組成した証券会社」へも、非難の矛先を向けています。「リスクを負わずにお金儲けはできません」と言い切れない相手に向かって、資産形成などを説くこと自体が、チャンチャラ可笑しいのです。

銀行や郵便局は「元本保証」が当たり前...

 クレームを行う方々のアタマの中には、「銀行や郵便局は元本保証が当たり前」の先入観がこびり付いています。何故なら、自分たちが預けたお金に「高い金利を付加」して「お金を借りたい人や企業」に貸して、生業を立てているのが『銀行』というわけなのです。決して、損をしない独占企業という見方をしています。

今でも「石橋を叩いて渡る」のが銀行...

 万が一、貸出先に「貸し倒れや倒産」があったとしても、このマイナス分は「上乗せした高い金利」が補っているので、我々の預けたお金が減ることがない。石橋を叩いて渡るのが銀行であり、『銀行家が2階から飛び降りたなら、貴方も安心して飛び降りなさい...』という今や死語となった言葉が、都合の良い時に蘇って来るのです。まさに、昭和時代の発想で、時間の経過が止まってしまっています。

成年年齢が18歳に引き下げられていて「契約行為ができる」...

 2022年4月1日施行の民法改正によって、成年年齢が18歳に引き下げられ、18歳から契約行為ができるようになっています。これは明治以来の大変な改革で、幼少の子供を持つ親御さんにとっては、とても気になることでしょう。

高校で「資産形成」に関する授業が始まる・・・

 これを受けて、高等学校の学習指導要領改訂でも、従来より踏み込んだテーマである「資産形成」について授業で触れることが明文化されています。幼少の時に最も大事なのは「家計簿」の理解です。与えられたお子遣いの範囲内での遣り繰りに尽きます。真っ当な生活を坦々と過ごすだけの肝っ玉の育成です。

『人を見たら、泥棒と思え』

 極めた言葉としては『人を見たら、泥棒と思え』に尽きるでしょう。昔の人は大事な教訓を【言い伝え・格言】で残してくれています。是非とも、お金に関する高校授業の基は「言い伝え・格言」集とすることを提案します。しかし、このようにすると残念ながら「道徳授業」同様に、退屈の極みとなって授業自体が廃れることに突き進むでしょう。

何でも、学ぶには高い授業料が必要...

 要は、大事なお金を失って(損して)、やってはいけない事を学ぶことです。自分で高い授業料を支払い、体験して学習するしか方法はありません。
 一気に資産を失うことにならないように心構えが必要ですが、やはり究極は『人を見たら、泥棒と思え』に行き着きます。これ、生きる上で基本中の基本です。

お金に関する言い伝え・格言

ざっと挙げても、次の如くあります。切りがないです。

  • 「入るを量りて出ずるを為す」(いるをはかりていずるをなす)
  • 「悪銭身に付かず」(あくせんみにつかず)
  • 「辛抱する木に金がなる」(しんぼうするきにかねがなる)
  • 「石の上にも三年」(いしのうえにもさんねん)
  • 「一銭を笑うものは一銭に泣く」(いっせんをわらうものはいっせんになく)
  • 「塵も積もれば山となる」(ちりもつもればやまとなる)
  • 「貧者は昨日のために今日働き、富者は明日のために今日働く」(二宮尊徳)
  • 「金銭は独立の基本なり、これを卑しむべからず」(福沢諭吉)
  • 「金がないから何もできないという人間は、金があっても何もできない人間である」(小林一三)

編集後記

 9日の円貨急騰に伴いチャンスとばかり「買い上がり」を行って、結局、日本円で100万円を上回るドル購入を行いました。さすがに、瞬間的な2円高の高騰までは想定外だったので、今、高くついています。早速、2000ドルを株式市場へ移しましたけど・・・。


隠れたドルへの買い需要が現われ、更に「ドル/円の急騰を後押し」する...

 嘗て昔に組成された「デリバティブ付為替オプション類」が、ドル急騰・円急落で息を吹き返して今回のドル急騰・円の暴落を演じた『陰の主役』というものです。
 ドル/円は140.00円から始まり、7日(水)にあっという間に144.99円まで暴騰を演じています。結果、3日もかけず、米ドル/円が5円近くの上昇したのは、『10年前に組まれた長期の為替予約に関連したまとまった「米ドル買い」が、断続的に出てきたことによるもの』と言われているとの記事です。これも「仕組債」、つまり「ノックアウト条項」付きの為替予約なのです。

 ノックアウト条項とは、たとえば、米ドル/円がある一定の上限を突破すると、保有するオプションの権利が消滅してしまうというもの。

 ノックアウト条項を付けると、オプションのプレミアムを安くすることができますが、権利が消滅してしまうと再びキャッシュ(現金)で米ドルを買う必要があります。


 142.50円から0.5%刻みにオプションのノックアウトがあり、節目をブレイクするたびに、邦銀からまとまった米ドル買い注文が入り、わずか2日強で5円暴騰するという大相場を演じたというわけです。

 マーケットのウワサによれば、米ドル/円は144.50円までオプションがノックアウトしていることになります。前述のように米ドル買い注文がノックアウトした場合、米ドル買い予約は消滅するので、顧客はキャッシュ(現金)で米ドル/円を買わざるを得なくなります。

 結果、このオプションのフローから考えると、彼ら輸入企業からの米ドル買い注文によって、米ドル/円の押し目は浅いということになります。


市場関係者のドル/円のコンセンサスは、年末まで時間をかけて、1998年8月に到達した147.66円に向けて上昇するというものです。

 しかし、8カ月で30円近く米ドル/円が急騰すると、今回のように「デリバティブに隠された米ドル買い需要」があぶり出され、「米ドル/円の急騰を後押しする可能性がある」ことに注意したいところです。

 何度読み返しても、俄にとても信じがたいですが・・・。

ドイツ銀行はデリバティブ請負の雄…

 今や、ドイツ銀行が往時の勢いがなく、もはや破産寸前であること、既に皆さん方ご存じのことですが、『このドイツ銀行が今迄に組成した「デリバティブ」仕組み債の金額や数量が半端なく、日本の国家財政の数倍にも達している』とのウワサがあります。よって、倒産させれない、合併させれない、救済できずに放置するしかない状態に置かれているのです。
 これも現実離れしている話で理解に苦しみますが、昔から株式市場には『解け合い』という【解決策】があり、ニッチもさっちもいかなくなった時、金銭の授受一辺倒ではなく、主に話し合いで和解するのです。例えば、「2割精算で手を打ちましょう」てな具合です。

弱り目に祟り目


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