日本時間２６日の早朝、アルファベット（グーグル）株が２０２３年第２四半期（４月-６月）決算内容を公表しました。AIチャット検索の登場で、グーグル牙城の検索広告への揺らぎが懸念されていた４ー６月決算でしたが、市場見込みを上回る増益でサプライズ感が高まり、「売り方」を一瞬で沈めました。

時間外取引でアルファベット（グーグル）株価が急騰・・・

　対話型人工知能（ＡＩ）との競争にさらされる中でも検索広告事業が堅調な業績を上げ、売上高がアナリスト予想を上回りました。発表資料によると、４－６月期売上高はパートナーなどに支払われるトラフィック獲得コスト（ＴＡＣ）を除いたベースで620億ドル（約８兆7400億円）。ブルームバーグが集計したアナリスト予想は602億ドルでした。
　更に、クラウド事業も拡大傾向が顕著で、「グーグルクラウド」の売上高は２８％増の８１億ドル、予想の７７億５０００万ドルを上回っています。前四半期とほぼ同水準の伸びを維持しました。
　このような好決算内容に投資家は直ちに反応して、同社株は引け後の時間外取引で株価が急騰（131.22ドル、+7.37%）、５２週最高値を更新する状況が続いています。

グーグルの新たな成長が始まる・・・

　「人工知能（ＡＩ）ブームの中、他のハイテク大手に後れを取らずについていくグーグルの能力が疑問視されていたが、好調な利益を上げただけでなく、かなりの差で予想を超えた」との声が市場アナリストから出ていました。
　更に、グーグルの新たな成長が始まったことを強く示しているとし、「グーグルは議論の的になっているクラウド部門で主導的な地位をようやく固め、ＡＩ分野で拡大に注力する余地を得た」とのコメント等が市場スズメから漏れています。

株価低迷が続いた、過去の決算内容・・・

　アルファベットは過去１３回の四半期決算のうち、2022年のすべての決算で総収入が事前予想を下回った。１株当たり利益では５回、事前予想のクリアに失敗している。アルファベットの株価（GOOGL）は決算が不振だった2022年に４割近く下落。しかし2023年に入ってからは一転して上昇基調に入っています。

これから、株価の上昇余地が高い・・・

　2022年12月末時点での比較比では上昇率が41.3％。S&P500種株価指数（SPX）の17.8％や、ナスダック総合指数の36.1％を上回っています。しかし、「ビッグ・セブン」や「マグニフィセント・セブン」とも呼ばれる半導体大手のNVIDA（エヌビディア、NVDA）など７大銘柄の中では、依然として株価上昇率は最も低い状態が続いています。よって、株価反発マグマを強く内包している状況ですから、キッカケさえあれば急騰するのです。

米国株、株価指数の上昇マグマが更に高まる・・・

　FOMCにて「FRBの利上げ終了との見方」が強まり、「主要ハイテク企業（マイクロソフト、アルファベット、メタ）が好決算を発表」した場合、注目度が再び大手ハイテク企業へ移り、昨年３月に記録したS&P500種別の高値4,637ドルの更新期待も高まっています。

７月２６日のトピックス

• ダウ工業株30種平均が１２営業日連続で上昇。１２連騰は2017年2月以来、6年5カ月ぶりの珍事です。公表される企業決算が市場予想を上回り、米景気の急激な落ち込みに遭遇せずに軟着陸を期待した投資家の買いが続いています。

• ダウ平均の終値は前日比26ドル（0.1%）高の3万5438ドルと2022年2月以来、1年5カ月ぶりの高水準になっています。ナスダック総合株価指数は0.6%高で終えました。

• 市場では「インフレの鈍化傾向を受け、FRBが７月を最後に利上げを止めるとの見方」が根強く、「失業率は低水準のままでインフレも沈静化し、米景気の軟着陸の可能性が高まってきたこと」が、今回の株高の背景にあるとしています。

MYポートフォリオ

順調に保有銘柄の株価も回復し、配当・分配取りも好調です。

編集後記

　『好事魔が多し（こうじ、まおおし）』は、調子が良い時ほど、邪魔されたりミスしたりして、ホント痛い目にあうものを戒めとして伝える言葉です。同様に『勝って兜の緒を締めよ』は、「勝ったからといって油断せず、更に用心しなければならない」という意味で、 物事が順調である時ほど、気を引き締めなければいけないという教訓になります。
　株式市場は「今日あっても明日はない」ことがある「鉄火場」。嘗て、生涯年金を見据えて、手持ち資産を『東電株』へ注ぎ込んでいた方、例の電源喪失で原発が吹っ飛び、人生を詰まされた悲惨な例もあります。手元から離れた資金は決して戻って来やしません...。