米国株 -『正しいものは美しい』

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3/13【番外編】シグネチャー銀行(NY州)も破綻していた!...

 米国ニューヨーク州の金融当局は12日、シグネチャー銀行を同日付で閉鎖したと発表しました。これは、シリコンバレー銀行(SVB)に続く経営破綻です。シグネチャー銀行は暗号資産(仮想通貨)関連の取引が多いことで知られた銀行で、SVBの破綻によって信用不安から預金流出が加速したとみられていますが、さてさて・・・。

シグネチャー銀行の概要

 FRBによると、資産規模は2022年末時点で全米29位。総額は約1103億6400万ドル(約14兆8000億円)。米銀破綻としてSVBに次ぐ史上3番目の規模になります。
 直ちに、シグネチャー銀は米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入ります。米財務省、米連邦準備制度理事会(FRB)、FDICの共同声明に基づいて預金は、SVBと同様に全額保護されます。

 シグネチャー銀行と同様、暗号資産(仮想通貨)業界に積極的に融資していたシルバーゲート・キャピタルも清算計画を先週発表していて、僅か「1週間で3行が破綻」するという異例の事態になっています。


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シグネチャー銀行幹部は「寝耳に水」、破綻を直前に知る・・・

 シグネチャー銀行を管理下に置くとの決定は、同行の幹部にとっても「寝耳に水」の出来事だったようです。同幹部らは、財務省などが事業停止を発表する直前に、その事実を知ったとしています。
 同行は「10日に預金引き揚げが加速したものの、12日までには状況は落ち着いていた」と、社外秘情報を理由に関係者は匿名で語った模様です・・・。

シグネチャー銀行の株価チャート

 次の株価チャートは、前週末3月10日(金)のシグネチャー銀行の株価チャートです。「シリコンバレー銀行」破綻の報を受けて、70ドル台へ再下降しましたが、株価的には安定しています。3/10の出来高も2千百万株を超えていますし・・・。


2023/3/13【番外編】シグネチャー銀行(NY州)も破綻していた!...2

詰まる所、政府(民主党)主導でシグネチャー銀行を破綻させた?・・・

 詰まる所、私が思うのは、政府主導で「シグネチャー銀行を破綻させた」というものです。民主党の牙城である「ニューヨーク州であった」ゆえの措置だと思われます。そういえば、破綻した「シリコンバレー銀行」も民主党知事のカルフォルニア州です。
 更に、預金は何億ドルであろうと全額保護対象とのこと。追加予算処置をも行わずに処理するらしいです。これも詰まる所、FRBが当該銀行へ送信する「電子マネー」に一桁0(ゼロ)を増やすだけ(1桁増)で事足ります。誰も損などしません。
 これなど、銀行は古から「通貨創造権」を有しているのでしたい放題です。まして、親元のFRBが絡んでいるのですから、誰も文句いませんし・・・。


金利引き上げを継続するためか?、ここで潰せるものは潰す腹積もり...

 米国政府やFRBは、インフレ抑え込みが政権与党の民主党の浮沈を握るものと見ているので、ややっこしい金融機関の整理統合を進める腹積もりなのでしょう。預金保険で保護される上限は1口座当たり最大25万ドル(約3350万円)ですが、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の預金者は、預金保険の対象外も含めてアクセスできるといいます。
 更に、政府は「この金融機関の預金者全員は払い戻しを受けられる。SVBの処理と同様、納税者はいかなる損失も被らない」と説明したと伝えられています。月曜日の米国株式市場オープン前に、大風呂敷を広げたのです。


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苦言を呈する経済人が現れ始める・・・ 

 ハイマン・キャピタル・マネジメントの創業者兼最高投資責任者カイル・バス氏は「大きなインフレを生み出した後で、これほど前のめりの利上げに動けば、何かが壊れることになる。(FRBが)これから得る教訓は、急激な利上げは急激な緩和と同じぐらい、向こう見ずであるということだ。」と指摘しています。

一刻も早い、業績の黒字化が求められる時代へ変貌?・・・

 ハイテク業界などでシェア拡大のために何年も赤字を計上しても投資家が辛抱してくれる、という時代も、シリコンバレー銀行破綻で幕を閉じ、これから企業は一刻も早い黒字化を求められそうだ。

(ロイター 2023年3月13日8:21 午前)

編集後記

 前向きな気持ちで今回の騒動を眺める、「憂いの芽は全て刈り取る」という事です。
預金者は万々歳ですが、シグネチャー銀行へ株式投資している個人投資家の扱いは、どうするのでしょうか? 同銀行の株券は、単なる紙(ペーパー)になってしまいました。

米国への見方が変わってしまいそう・・・

 個人の人権や権利関係にうるさいのが米国で、見方を変えると「権利保護が強い」とも言えて、投資先として安心感を持っていたのですが、今では私の中からグラグラと溶け始めたようです。
 一言で申し上げると、「米国は上から目線の強い社会である」との印象が、強くなりました。そして、経済界の原則である『大が小を喰らう』ことが、今まさに起きているのです。

SVBフィナンシャル、JPモルガンなどが買収協議に参加

 JPモルガン・チェース とPNCファイナンシャル・サービシズ・グループは、銀行持ち株会社SVBフィナンシャル・グループ買収に向けた協議に参加している。米ニュースサイト、アクシオスが13日、関係筋の話として報じた。

 報道によると、買収対象には経営破綻し米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入った傘下のシリコンバレー銀行(SVB)は含まれていない。

 アポロ・マネジメントとモルガン・スタンレーも協議に参加している。アポロは買収での資金調達や一部の事業の買収に関心を寄せているという。(ロイター 2023年3月13日3:27 午後)


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