米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

8/23 米地銀の格下げ、流通銘柄の業績不振が相場の重石に...

 相場報道の主流が「株下げ」に傾いて来ているので、これでもかと云う位にゴロゴロと悪評が湧き出て来ます。皆さん、話題性を強調して生活費を稼がなくっちゃいけないので...。

米地銀のレーティング格下げ・・・

 S&Pグローバル・レーティングスは21日、資金調達コストの上昇による収益力の低下を理由にして、米地銀5行を格下げしました。これに飛びついたのが「投機筋」です。金融機関の経営環境の厳しさを改めて俎板に上げて、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスへ売りが続きました。


8/23 米地銀の格下げ、流通銘柄の業績不振が相場の重石に...

流通銘柄の業績不振・・・

 百貨店大手のメーシーズは、22日発表の四半期決算で示した2023年8~10月期の業績見通しが市場予想を下回ったことで同社の株価が急落しました。拡大解釈が幅を利かせて、「消費の先行き不安」が意識されて、小売り株の重荷となったようです。

ディフェンシブ銘柄回復は、この先まだまだ・・・?

 嘗て、ディフェンシブ銘柄の代表銘柄であった「通信銘柄」や「タバコ銘柄」は底値に沈んだままで低迷中...。日本では安定銘柄の代名詞である「損保」や「生保」の各銘柄も、米国では精彩を欠いています。
 即ち、『ハイテク銘柄以外、株式に非ずの風潮』が、米国株式市場で今や主流となっています。継続的な配当支払いではなく、企業の成長性なのです。
 日本時間の23日夜半、いよいよハイテクの雄である「エヌビディア」の四半期決算発表、業績見通し発表が行われます。

8月23日のトピックス

  • ダウ工業株30種平均は続落。前日比174ドル86セント(0.5%)安の3万4288ドル83セントと7月中旬以来の安値で終えています。
  • ナスダック総合株価指数は小幅に続伸して、前日比8.283ポイント(0.1%)高の1万3505.873で終えました。

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「反ESG」機運、米国(上下両院)で強まる・・・

 米国では、ESG(環境・社会・企業統治)という企業経営や投資判断の手法に対する反発が強まっています。格付け大手企業は、信用評価の参考として出していた「ESGに関する定量評価の公表を停止」しました。つまり、「ESGの言葉は政治性を帯びる」と見做されるようになったので、これから「ESG用語の利用を控える動き」が広がって来たのです。
 銘柄での代表格は、タバコ株や資源株が該当します。PERが極端に低く、高配当株に据え置かれています。

  • 共和党の支持層が強い州では、州政府の資金や公的年金の運用委託先から、ESG投資の旗振り役とみられた運用会社や金融機関を締め出す動きが広まっています。「(ESGという用語を)もう使うつもりはない」。世界最大の運用会社である米ブラックロックのCEOは、6月のイベントでこのように語りました。
  • 共和党議員が提案した「企業年金運用でESGを考慮した投資判断を禁じる決議案」は、2~3月に米上下両院で通過しています。
  • 与党・民主党が多数派を占める上院でも一部の穏健派の民主党議員が賛成に回ったのです。この点、日本の議員さんとのレベルの差を感じます。
  • なお、バイデン大統領は「拒否権を行使」したので、『ESG投資を推進する政権の方針』は維持された模様です。但し、民主党内部でも穏健派と左派との間で隔たりがあることを印象づけました。
  • 2024年の大統領選は、ESGを軸とする分断が一段と深まる可能性があるでしょう。

MYポートフォリオ

 カナダの原油発掘企業「ヴァーミリオン エナジー インク(VET)」を売却して、ディフェンシブ銘柄へ再投資を行っています。


編集後記

 ようやく、「反ESG」機運が米国で強まったことで、まともに物事を直視するようになったこと、喜ばしいです。極論すると、もはや『ESGは賞味期限切れ』なのでしょうか?
 例えば、タバコ企業へは「年金の投資先から除外」するといった乱暴な行為を欧米投資大手が堂々と唱えて実行していたこと。今年は日本の生命保険大手企業も同様な対応を取り始めたこと...。タバコがダメなら、アルコール飲料を取り扱う企業は?戦闘機を製造する軍需企業は?火薬は?・・・。

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