米金融大手のゴールドマン・サックス・グループは、円貨の対ドル相場について、「日本銀行がハト派的な姿勢を堅持すれば、３０年余り前の水準まで円安が進む可能性がある」との見方を示しました。

ポイントは、日本政府の為替介入の有無だけ・・・

　同社のストラテジスト（投資銀行や証券会社、投資信託会社、投資顧問会社などに在籍し、投資戦略を立案する専門家）は、「日銀が利上げからほど遠い状況にあり、株価が適度に下支えされている限り、円安傾向は続くだろう。」「米国の成長見通しが改善していることも、円貨弱気見通しの一因だ。」としています。
　なお、日本政府の為替介入に関する、同社のストラテジストのコメントはありません。

今後６カ月で１ドル＝１５５円を付けると予想

　具体的には、円は今後６カ月で１ドル＝１５５円を付けると予想しています。これは1990年６月以来の円安水準となります。なお、以前は１ドル＝135円を予想していましたが、秋口以降、FRBは政策金利を引き上げる意向が依然として満々ですし、更に日米金利差が拡大しそうですから…。

日本株への激震、昨年の「円安」再来はある Or ない・・・？

　ここまで下がった為替相場、ドルベースで換算した日本株・日経平均は、将来、円安から円高へ振り子が逆に振れ始めると、怒涛の売りが日本人投資家に襲い、めちゃくちゃドエライことになりそうです。
　なお、余談ですが、１年前にもこの種の記事が掲載されていました。昨年１０月に入るや、１ドル=１５０円台への下落が見られ、慌てた日本政府はなりふり構わずに「あやふやな為替介入」を行ったことは周知の事実です。
　捲土重来、１５０円台の円安再来があるのか否か...。盛んに円安を煽っているのは、あの「ゴールドマンサックス」ですよ。参考までに、昨年の報道記事を引用します。

　米10年債利回りが4.5％と、現行より１ポイント近く高い水準に上昇すれば、円は対ドルで155円まで下げる可能性があると予想。

　ただ、米経済が持ちこたえることのできる実質金利の水準が見直されるなどしない限り、「ドル・円が150円を上回る水準で上振れの勢いを維持するのは困難になる公算が大きいと考える」との見方を示した。（2022年9月16日 9:49 JST　GS ストラテジスト談）

既に、同社の有料顧客には「円売り」推奨済み？...

　投資銀行のゴールドマン・サックス・グループがこの情報を広く無料公開したという事は、① 同社の富裕層に対して既に『円売りを推奨済み』であること。② この円安見通しに「追随の円売りする輩を幅広く募る」必要があること。③ 刈り取るに機が熟したこと。これらのことで、暫くは「円弱気相場が随所で見られる」ということですが・・・。

我々、個人投資家のなすべきこと・・・

　我々、日本人のドル資産投資家は、この円安状況を享受しない手はないです。傍観しているだけでは「もったいない」ですし、円資産は「もう結構だ」とお考えの諸兄は、見向きされていない「ドル資産」に飛び込む手もあります。

ドル建てゼロクーポン債など…

　それは『ドル建てゼロクーポン債』や『金融の中心地、NY地区の不動産ETF』など、
長期保有前提の米国資産で、安値に向かっている商品群を狙います。米株は人気なので避けること。米長期債や米不動産ETFをひたすら握って数年間、寝かします＾＾。

８月２９日のトピックス

• ダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比213ドル08セント（0.6%）高の3万4559ドル98セントで終えました。
• ナスダック総合株価指数は続伸、前週末比114.485ポイント（0.8%）高の1万3705.131で終えています。
• 「中国当局が28日に株式取引の印紙税引き下げなどの市場活性化策を発表した。」こんな些細な事柄を『中国の資本市場活性化策』として、投資家を煽っています。

MYポートフォリオ

　私事の諸事情があり、５００万円程の現金化を必要とすることになったので、「運輸銘柄」と「保険銘柄」の一部を売却して現金化しました。円貨換算額では大分と利益が出ているので、売却対象銘柄を幅広くして対処しています。

編集後記

　ゴールドマンサックスグループのストラテジストは、昨年同時期と同様に「円貨下落の進行を予想した記事を無料記事として発出」しました。ここが味噌で、何故、『タダ・無料』なのか？ということです。
　さぁ、GSと歩調を合わせて、円安予測であっても米株投資を強く継続するのか、逆に一旦米株からドル貨へ戻して、暫く様子見するのか...。