米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

7/27 兎にも角にも、政策金利を5.25%-5.50%へ引き上げ...

 米国時間7月26日、米国の連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)において、市場の予想どおり0.25%の利上げを再開、兎にも角にも、政策金利を『22年ぶりの高水準』となる5.25〜5.50%へ引き上げることを決定しました。
 利上げの再開です。金融至上主義を掲げる米国の現状が具に伝わり、古典的な従来の金融政策だけに依存する窮状、他に術がない空しさが今回も露見しました。


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今回も「利上げ停止」に関して、明示的なニュアンスはなし・・・

 FRBは、今後とも「インフレ抑制において、追加利上げの度合いを判断していくことが適切となる」とし、これからも『追加利上げの可能性を除外せず』としました。なお、本決定は全会一致であったこと。今後とも、公表される経済指標等のデータによって、対応を続けていくとしています。

引き続き、保有資産の規模縮小(量的引き締め)も継続・・・

 注目度が薄れていますが、FRBは「保有資産の規模縮小(量的引き締め)」を継続すると公表しています。簡単に申し上げると、「嘗て、金融緩和でばら撒いた大量の紙幣」を市中から逐次回収して、流通量を減少させる施策です。

FOMC後、米株市場の反応は・・・

 政策金利の引き上げ(5.25%〜5.50%)は想定内事項であったので、3大株価指数が『下落傾向』を見せても、売り方に追随するような『大規模な株売り』が見られず、ジリジリと株価を戻す「比較的穏やかな市場動向」となっています。
 この平穏な市場動静は、本格化した本年第2四半期決算内容が力強いものであり、米株市場の背中を押しているからでしょう。

その他の市場動向は・・・

 外為市場ではドル・円が幾分「円高」へ動いた程度です。日米金利差が公的に0.25%拡大するのですが、今や、市場スズメ達は米国の金利政策への関心よりも、日銀の金融政策の動向に視点が移っています。米・10年物長期金利は3.855%と幾分利回りが下落した程度です。2年物の利回りは4.833%、10年物と同等に下落しています。

ともかく、米国経済への信頼感が大変厚い・・・

 なお、上昇を続けていた「WTI原油先物価格」は、最大1ドル程度下落して78ドル台を維持しています。株式市場の恐怖指数として名高い「VIX恐怖指数」は、金利引き上げがあったにも拘らず13.95まで低下するなど、米国経済への信頼感がとても強くなっている印象を受けます。

7月27日のトピックス

  • ダウ工業株30種平均は13日続伸。前日比82ドル05セント(0.2%)高の3万5520ドル12セントと2022年2月以来の高値で終えています。13連騰は1987年1月以来の長さとなります。
  • ダウ平均は前日までの12営業日で1700ドルあまり上昇しています。私などは、「株買いの市場動向」を潰したくない輩が『この基調を維持している』と推測していますが...。
  • ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落。前日比17.273ポイント(0.1%)安の1万4127.282で終えました。
  • S&P500種株価指数は小幅に下落、前日比0.71ポイント安の4566.75で終えました。

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  • ボーイングは2023年4~6月期決算で売上高が市場予想を上回り、株価は9%高と上昇しています。アルファベット(グーグル)も2023年4~6月期決算が市場予想を上回り、6%上昇しています。企業業績の改善への期待感が米国株式相場を支え始めています。

パウエル議長の会見内容

 議長会見は、「今後の会合については何も決定していない」としつつも、物価指標など経済データ次第では「(次回の)9月会合で再び利上げする可能性もあるし、据え置きを選ぶ可能性もある」との認識を示し、米経済が底堅さを維持している点にも触れていました。金融政策のトップ会見としては妥当なものでしょう。

時間外取引で、メタ(フェイスブック)株価が急騰・・・

 米メタが発表した2023年4〜6月期決算は、売上高が前年同期比11%増の319億9900万ドル(約4兆4900億円)、純利益が16%増の77億8800万ドルでした。景気減速の逆風を受けてきたインターネット広告事業が復調して来たほか、コスト削減も寄与し、7四半期ぶりに最終増益を確保した模様です。
 1株利益は2.98ドル(前年同期は2.46ドル)となり、売上高とともに市場予想を超えました。7〜9月期の売上高は320億〜345億ドル(前年同期は277億1400万ドル)になるとの見通しを示し、次期決算も好調を維持するとしました。これは、市場予想を上回るものです。これを受けて、時間外取引でメタの株価は一時、同日終値より7%超上昇しました。


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但し、メタバース関連は依然として赤字を計上...

 仮想空間、メタバースに関連する事業の売上高は前年同期比39%減の2億7600万ドル、営業損益は37億3900万ドルの赤字(前年同期は28億600万ドルの赤字)でした。同事業の23年の営業赤字は前年より増加、2024年も「製品開発などで大幅に増える」(スーザン・リー最高財務責任者=CFO)としています。

MYポートフォリオ

 自社エンジンの製造に関して瑕疵が見つかり、株価下落中の「レイセオン テクノロジーズ RTX」を1株ですが新規買いしています。


編集後記

 今回、FRBと金融関係者の間で「見事な市場対話(声なき声)」を見せつけられました。5%を超える政策金利の引き上げ実施にも拘わらず、為替動向、債券、株式、原油、商品市場等の動揺・混乱は皆無であり、流石という他はありません。
 翻って日本は「隠ぺい主義、隠し事主義、抜き打ち主義」が至る所で横行し、特に首相の解散権に関しては「トンと理解できない治外法権の扱い」が依然として残り、首相専管事項のため『うそも方便である』的な恥ずべき主義・主張が罷り通っています。何事も小手先でかわそうとする魂胆が、日本という国の成長を妨げているのです。



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