米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

7/28 米金利急騰、「利上げ停止ラリー」は賞味期限切れ...

 ダウ工業株30種平均が14営業日ぶりに下落して、漸く連騰記録が途切れました。利上げが続く逆風下においても、「米景気後退は避けられるとの期待感」に加え、米連邦準備理事会(FRB)の「利上げ局面終了が近いとの都合のいい観測」が、米国株式相場の上昇を支えて来ました。「このまま反落が続く」のか、あるいは「一日で切り返す」ことができるのか、明日以降、俄然注目です。

同じ理由で上げ続ける相場は無い・・・

 『同じ理由で上げ続ける相場は無い』の譬えどおり、「13日連続の株買いラリーの潮目」を迎えました。このまま『賞味期限切れ』でラリーがごみ箱行きとなるのか、あるいは不死鳥の如く復活するのか、それは投資家の心意気に掛かっています。
 今回、トリガー(引き金)を引いたのは「米国債10年物債券の利回り4%へ急騰」で、背中を押したのは「4〜6月期の米実質成長率2.4%の衝撃」とみています。


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再び、FRBの「利上げ継続の確率」が高まった!

 何の前触れもなく、突然に発生した米10年物債券の利回り急騰(4%台乗せ、米債券売り)劇ですが、敢えて取り上げるなら、4〜6月期の米実質成長率(GDP)が2.4%(速報値)と市場予想(1.8%程度)を大幅に上回ったことです。本来なら、経済絶好調と強烈な株買いに利用される題材ですが、ダウ13連騰の後だけに反して「FRBの利上げ継続確率が高まった」と市場で独自解釈されたようです。
 スズメ達は『9月利上げの可能性を過小評価している...』『これだけ米経済が強さを維持する環境下、利上げが終わったと判断するのは早計だ...』といった論調が出始めています。真逆な勝手な理屈ですが・・・。


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FRBパウエル議長の胸の内は・・・

 「次の9月FOMC会合で、利上げするかもしれないし、見送るかもしれない...」。パウエル議長は今回の利上げを決めたFOMC後の記者会見で、これからの利上げの有無は「インフレ圧力の強さを示すデータ次第」と重ねて強調していました。年内あと1回限りとも言及せず、「何事もデータに依る」と述べるに止めたのです。

日経新聞社が、ダウ平均急落の「陰の仕掛け人」?

 更に、日経新聞社が草木も眠る丑三つ時(日本人が寝静まる深夜帯)にも拘わらず、「日銀、金利操作を柔軟運用 上限0.5%超え容認案」の記事をWEB配信して、『米株投資家に利上げを脳裏に呼び起こさせ、金脈(儲け口)を与えた』ことです。引用すると次のような内容です。

 日銀は28日に開く金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正案を議論する。長期金利の操作の上限は0.5%のまま据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認する案が浮上している。国債の大量購入で金利を抑え込む政策運営を柔軟化し、市場のゆがみを和らげる狙いがある。


 日銀は2022年12月に市場機能の改善を目的に、長期金利の上限を従来の0.25%程度から0.5%程度に拡大した。現在は上限の0.5%を超える前に国債を大量に買い入れて金利を抑え込んでいる。新たな案は0.5%の上限を維持した上で、市場動向によっては0.5%を超えることを認め、国債購入が過度に膨らまないようにする。


 22年12月の政策修正で、長期金利は0.25%前後から足元では0.44%に上昇している。まだ上限の0.5%を下回って推移しているが、欧米の主要中銀の利上げや国内の物価上昇で長期金利がさらに上昇し、0.5%を上回る可能性がくすぶる。


 複数の関係者によると日銀は7月上旬、YCCを修正したり撤廃したりした場合、長期金利がどの程度上昇するか、大手行に聞き取り調査した。大手行は日銀がYCCを撤廃すれば長期金利は上限の0.5%を突破する可能性が高いとみており、金利の抑制手段を完全になくせば金利の急騰リスクがある。


 日銀内で浮上する運用を柔軟にする案は、長期金利が上限の0.5%を緩やかに突破するケースは容認しつつも、急激な金利上昇は抑える手法だ。投機筋の攻撃といった市場の急変動を抑える狙いもある。


 円安に起因する物価高への警戒感も高まっている。外国為替市場では1ドル=140円台の円安が続く。金利操作は低金利環境を続ける利点がある一方、利上げを進める欧米との金利差拡大などを通じて円安につながりやすい。金利操作の対応を弾力化すれば、結果として金利差縮小につながり、円安傾向に歯止めがかかる可能性がある。


 総務省が発表した6月の消費者物価指数(生鮮食品を除く=コアCPI)は前年同月比3.3%上昇した。上昇率は22年4月以降、1年以上にわたって政府・日銀が目標とする2%を上回っている。円安は輸入物価の上昇を通じて、物価高を長引かせる要因となっており、政府内では「140円台の円安は明らかに行き過ぎだ」との声もある。(日経 2023年7月28日 2:00)

7月28日のトピックス

  • ダウ工業株30種平均は前日比237ドル(0.7%)安の3万5282ドルで引け、14営業日ぶりに下落しました。26日までの13連騰で5%あまり水準を切り上げていたので、市場スズメは「ここぞとばかり、売り浴びせた」のです。
  • ナスダック総合株価指数は続落、前日比77.175ポイント安の1万4050.107(速報値)で終えています。

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MYポートフォリオ

 ディフェンシブ銘柄へも「幅広い売り」が続いたことで、「地に落ちた通信銘柄」を拾ってみました。


編集後記

 朝夕、自宅に配達される新聞紙を購読しなくなって5年程経ちます。昭和時代、夕刊紙は午後4時過ぎから午後5時頃の配達が中心でしたが、今じゃ午後1時30分頃にバイクで配っている光景を目にします、朝刊なら午前4時頃でしょうか・・・。早いのは有り難いですが、ネットワークが進んだ今、記事内容が古くて使い物になりません。
 今回、「日銀、金利操作を柔軟運用 上限0.5%超え容認案」の記事配信は、WEB画面で公開したのが午前2時の時間帯です。こんな深夜帯に、一体全体、誰をターゲットにした記事なのか? 何処を狙ったものなのか? さっぱり、分かりません。
 「新聞はインテリが作成して、やくざが売る商品である」と言い切った某映画のワンシーンを思い出しましたが、将来的に新聞社は人員減らしを進めて、AI活用もあって安泰ですが、記者や販売員は「権勢を誇ったマンモス像」となりかねません。


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