米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

7/29 いつの間にやら、ドル・円が141円台へ戻ってる...

 昨夜(午前2時発表)の日経のスクープ記事(日銀、金利操作柔軟運用 上限0.5%超え容認議論)で米株は下落し、ドル・円は138円台まで急騰を演じるなど、慌てさせました。
 しかし、いつの間にか、ドル・円は「再び141円台へ戻る荒業」を見せています。この付近の数値が、居心地の良い『定位置』なのでしょう。


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今しかない「グッドチャンス」をスルーした日銀!

 欧米人の感覚からすると、FRBが利上げを続けている最中、このグッドチャンスを利用しない(0.5%の利上げで妥協した)日銀に失望したこと。そして、買い入れた日本国債と日本株ETFの売却に手を付けない日銀の消極性に「ほとほと呆れた」結果なのでしょう。

再び、上昇へ歩み始めた「米ダウ工業株30種平均」・・・

 昨日、一旦途切れた『13連騰のダウ平均』ですが、本日の米市場動向では、こちらも開始直後から快調に上昇指向となり、一度もマイナス比に落ちることなく、前日比176ドル24セント高の3万5458ドル96セントで終えました。公表された経済指標で「物価上昇の勢いが和らいでいる」と受け止められ、「FRBによる現在の利上げサイクルが終了する」との希望的観測が更に強まったようです。

引き続き、米企業の2023年第2四半期決算が絶好調・・・

 ディフェンシブ銘柄の雄、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の決算を好感した買いが集まりました。物価高や値上げなんのそのです。更に、27日夕刻に発表された決算が市場予想を上回った半導体のインテルは一時7%上昇しました。
 今後とも、企業業績が改善する期待感が強く投資家に希望を与え、米国株式相場を支えています。ベースは「米国企業がインフレに連動して、販売価格を逐次引き上げている」ことによる「利益増」です。

今回、日銀の金融政策修正は「0.5%の利上げ」に他ならない・・・

 私などは「サッパリ理解し難い日銀の対応」です。「シンプル IS ベスト」という言葉の裏を行く複雑怪奇な日銀の金融政策に映ります。捏ね繰り回すと、結局、訳が分からない対応となってしまうからです。

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 報道された「日銀の金融政策修正後の対応」の内容は、長期金利の上限を「プラス0.5%程度→プラス1.0%程度」に設定変更する、というものです。嘗て、目指す金利の上限を超えようと市場が反応する時、日銀が大量の国債を市場から買い上げて長期金利を押さえ込んで来ました。
 つまり、金利の上昇抑制を目的に国債を買い入れる「指し値オペ」の水準を『従来の0.5%から1.0%』に引き上げただけ・・・依然として、日銀は日本国債を無制限に買い入れる意向を示しています。

要は、日本の住宅ローン金利の反応次第・・・

 しかし、この方策が既に限界に来ているので、何とかして買い入れを縮小したい日銀は「苦し紛れの対応」を持ち出して来たのです。それが、今後は目指す金利上限を1.0%程度に設定し、運用を柔軟化するというものです。
 次週以降、借り得の「日本の住宅ローン金利」が、どのように反応するのかに投資家の注目が移ります。*但し、金利は安いですが、新築物件の「価格の妥当性」に関してはノーコメントです。

1%の金利など、低すぎて片腹痛い・・・

 何故なら、既に米国では「短期の政策金利を5%を超える運用」としているので、1%程度の金利を維持したい魂胆など、依然として『片腹痛い世間離れした数値』です。低すぎる金利水準では、利子所得が個人に渡らないので、可処分所得額が増加せず、景気が一向に上向かないのです。体温の維持と同様に、何事にも適温(3%前後の金利、2%前後の利息)というものがあります。

思い起こせば・・・

 昨今、最低賃金の議論にしても、時給1000円(7ドル強)すら突破できないニッポンでは、若者がホント気の毒です。思い起こせば960円程度の今の最低時間給は、35年以上前の昭和時代、私が経験した鉄工所の学生アルバイト代より低い額です。
 その時分、コンビニなどはなく、昼食は決まって「街角にある喫茶店の珈琲付ランチ」を友と食べていました。昼食代は800円、タバコが1箱200円程。もちろん、消費税など存在しない、何処でもタバコが吸える「活気ある時代」でした。今や、昼食弁当350円、タバコ1箱500円超…。ナントモ、住み難い日本となりました^^。

7月29日のトピックス

  • ダウ工業株30種平均は反発、前日比176ドル57セント(0.5%)高の3万5459ドル29セントで終えました。
  • ナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発、前日比266.551ポイント高い1万4316.658で終えています。
  • S&P500種株価指数は前日比44.82ポイント(1.0%)高の4582.23と、2022年4月以来の高値で終えました。めでたしめでたし・・・。

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6月の米個人消費支出(PCE)物価指数が低下、株に弾みがつく・・・

 28日発表の「6月の米個人消費支出(PCE)物価指数」が前年同月比4.1%上昇と、インフレ圧力の高まりを示さなかった(4.6%上昇の5月から減速し、4.2%上昇の市場予想も下回った)ことで、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが継続するとの懸念が和らぎ、一気に買いモードに突入したようです。

MYポートフォリオ

 最近の傾向では、141円台の為替は何か安心できる位置に思えてきました。巷では、ガソリン価格高騰への懸念記事もチラホラ出始めていますが・・・。ホント、ハイブリット車はガソリンを喰わないです。


編集後記

 いつのまにやら、WTI原油先物価格が80ドルを突破して来ました。中国の経済拡張へのテコ入れ期待感、そしてサウジの原油減産を囃し立てています。バイデン大統領の原油価格の抑制を無視するかのような上昇が続いています。
 ウクライナ侵攻時、1バレル150ドル超えが想定されていた情勢と比べると雲泥の差です。これはロシア産原油を市況から排除することで、原油価格の高騰が懸念されていたのですが、ロシアと親密な国々(インド等)が同原油を安値で購入して、精製した製品を世界へ販売、その恩恵を西側諸国が受けているといった裏話も真実味を帯びています。
 何事もバイデン政権の思い通りに行かず、「パワーバランス」が取れているんです。結局のところ、富は「軍事企業」と「その派生企業」へ吸い寄せられ、税金という形態をとって国家に帰着します。


今週もお疲れ様でした。土日連休をお楽しみ下さい。

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