米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

9/10 「反インフレ政策」に対する根強い反発を見せる投資家達...

 事の発端は9日の正午前。黒田日銀総裁が首相官邸へ出向いたところから始まります。岸田首相への相談事項・報告内容は、「昨今の急激な為替(ドル/円の為替)変動」を含む諸案件だったことでしょう。ここから、円価は対ドルで強烈な円高基調となって2円高の141円台まで昇りつめます。久々の『口先介入』が成功した瞬間です。見事な黒田マジック、役者の違いを見せつけました^^。

米国株は、2日連続の反発!

 深夜帯のNY株式市場、週末の現金化志向などどこ吹く風、昨日に続く大幅な平均株価の上昇。欧州で0.75%の金利引き上げとなった昨日から2日連続です。

「投資家達の根強い反発」が為せる業...

 この荒業は、FRBを含む時の政権中枢に居座る者どもに対する「投資家達の強い反発」が為せる業ではないか? 私などはそう感じてしまいます。
 今、好調な米国経済であるにも拘わらず、『反インフレの錦の御旗』を振りかざし、力づくで金利を引き上げて株価を落とす。この悪行に対する『根強い反発』が、ここ両日で現れたのかも...。でないと、ピッタリとした説明がし難いのです・・・。

急激な「ドル/円」の巻き戻しが始まる...

 黒田総裁と首相の会談は30分程度と見られ、「その後、黒田氏の記者会見が予定されています。」との事前アナウンスがありました。次のような何らかの「円安対策」が取られる可能性が強くなったことで、急激に円買い(買い戻し)が強まったのでしょう。

  1. 株式市場の昼休憩内の時間帯であったこと。
  2. 30分程度と短時間設定として、その後に記者会見がセットされていたこと。
  3. 前日の3者会合(財務省、金融庁、日本銀行)を受けての会談であったこと。
  4. 今、二十数年ぶりの円安状態となっていること。

黒田総裁会見主旨

 次の如く簡潔な内容です。「為替介入」に関しては何も言及がありませんでした。

  • 為替相場が1日に2円も3円も動くのは、急激な変化と認識している。
  • 急激な為替変動は、企業の不確実性を高めて好ましくない。

 8日の3者会合(財務省、金融庁、日本銀行)に続き、黒田総裁と岸田首相の会談が行われ、政策当局者が立て続けにけん制する形で会合を持ってきたことで、海外勢を中心に「為替介入と日銀の政策修正」への警戒感が広がった、と見られています。口先加入であっても効果の出し方で威力があるようです。

一時142円台の円高、首相と日銀総裁会談後に...

 9日の東京外国為替市場の円相場は、一時、1ドル=142円台まで円高ドル安が進んだ。2円程度の円高が出現したのです。「政府・日銀が、円安阻止に動くのではないか」との見方が投資家の間に広がり、強く円が買い戻されました。

しかし、円安傾向は不変...

 前日、FRBパウエル議長が大幅な利上げを継続する姿勢を改めて示したことから、日米金利差を意識した「円売りドル買い」の傾向は不変であり、今回に関しては一時的な調整、もしくは「売り方のボジジョン整理で今後の円売りが強まった」との見方が強いです。トレンドは簡単には変わりません・・・。

NY市場でも「円買い」は変わらず、そして今週が終わる...

 深夜帯のNY市場でも「円買戻し」の流れは変わらず、142円台半ば付近で週末を終えました。あくまでも、日本だけの政府高官の憂慮による、一過性の「円貨戻し」です。この点を投資家は押さえる必要があります。

忘れるな! 米国は『ドル安(円高)』が基本であることを...

 そして、頭の片隅に常に入れて置くことは「米国政府は『ドル安』を放置するのが基本である」という事実です。莫大な対外負債を抱える、基軸通貨ドルの発行権を持つ米国は『ドル安』を自在に織り込み、執り進めることで、自国債務の縮小・解消を図ることを狙っています。更に、他通貨を操作することで『為替を武器』として扱うのです。
 今は、対インフレ対策で「ドル高」によって輸入物価を引き下げること、これを最優先にしているので為替動向に無関心を装っているだけなのです。

9月10日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は3日続伸、前日比377ドル19セント高の3万2151ドル71セントで終えています。ナスダック指数も3日続伸して、前日比267.098ポイント高の1万2112.307で終了しました。


3分の1の株価戻し...

 米連邦準備理事会(FRB)による大幅利上げ観測の織り込みがある程度進み、米長期金利の上昇も一服しました。株式市場では「投資家心理の悪化にひとまず歯止め」がかかり、8月中旬以降の下げがきつかった「ハイテク株や景気敏感株」を中心に買われました。
 これで、ダウ平均は直近3営業日で1006ドル上昇し、8月中旬からの下落幅の3分の1を戻しました。まだまだ、投資家は「株価の右肩下がりを信じたくない気持ち」が強そうです。

MYポートフォリオ

 ここ一週間ほどの下げがきつかったディフェンシブ銘柄の戻りもあって、ひとまずは大幅な上昇となりました。しかし、急激に値上がると「買い増しに赤信号が点灯」します。これだけはどうしょうもなく、コツコツと歩む以外に術はないようです。
 併せて、新規銘柄の「RYLD GLX Russell 2000 カバードコール ETF」が遥か遠くに行ってしまったようです。初日の気合が足らなかったのかも・・・。

「ドル貨から円貨へ」戻し始める投資家…

 ここ迄、円安が生じると「ドルから円への一旦通貨戻し」を画策する投資家もいらっしゃる事でしょう。MYポートフォリオでもドル換算ではマイナス、円換算ではプラスになっていますから…。一旦、逃避するには、今が最後のチャンスかも知れません。

1100万円(配当金+分配金)の大台から滑り落ちる...

 144円/ドルであれば、「今年の税込み配当金+分配金見込み額が1100万円超え」となっていたところ、昨日の昼頃に突如として発生した「円高基調」で潰えました。しかし、この下げは次週のドル反発(円売り)パワーとして蓄えられているので、みごと145円台へタッチしてくれることでしょう。

消費者物価指数

 9月13日(日本時間21時30分頃)に発表予定の「米国8月消費者物価指数」と「米国8月コア消費者物価指数」が重要視されています。またぞろと、市場スズメが公表値を見て騒ぎ始めることでしょう。米国の経済指標カレンダー|AIゴールド証券


9/10 「反インフレ政策」に対する根強い反発を見せる投資家達...1

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編集後記

 既にお二人とも鬼籍に入られました。この笑顔に触れたこの日、誰が今のような結末を予想したことでしょう。ホンに人生とは摩訶不思議な道程です。
 株式投資も同様に、常人が当然と思っていることでも、全く異なる世界へ入り込むことが往々にしてあります。負け戦と思っていても我慢して耐えることで、勝利のゴールラインへ辿りつくこともあります。結局のところ、明日のことは誰にも分からないのです。


WTI原油先物価格が戻し基調へ...

 景気低迷による消費量減少の懸念から、原油先物価格の低下が続いていましたが、86ドル/バレル付近まで反発を見せています。しかも、もっともらしい理由付づけもなくです。
 バイデン大統領も、おひざ元のWTI原油先物価格が1バレル90ドルを下回っていること、ロシア産原油の価格上限策が順調な滑り出しとなっていることから、少し気を緩め過ぎたのかもしれません。

当分続く、高価格と高配当の組み合わせ...

 原油1バレル100ドルがサウジ等OPECプラス諸国の基本ラインと聞き及んでいます。ここを常時下回ると、ぞろぞろと彼らは「減産」を声高く叫び始めます。消費国と産油国の綱引きが暫く続きますが、今の1バレル85ドル台であっても高額な配当を支払い続けることができる原油価格です。では、つかの間の土日連休をお楽しみ下さい・・・。

弱り目に祟り目

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